軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

六百二十五話

「もう、ひどい目にあったわ」

「愚痴を言ってないで手を動かす」

今は倒した妖怪の処理中だ。

魔石を取り出すのもそうだがこれらの毒を持った妖怪の毒は適正な処置を施せば薬ともなる。

国からの補助も受けているがこういった副収入なども大切なのだ。

周辺の妖怪は粗方倒し終えたようで作業を終えるまで邪魔が入ることはなかった。

作業を終えた3人は結界を張って食事を取る。

クロードが作っておいたおにぎりに野菜たっぷりの味噌汁。

食べる環境は最悪ではあるが食事は取れるときに取らなければ体力が持たない。

その後は交代で見張りをして休息をとる。

「いやはや。いきなりやらかすとはね」

「すみませんでした」

「いや、事前に説明してなかったこちらも悪かったんだ」

「詩織様は甘いですね」

「そういうな。それにこれはこれで使えそうだ」

「どういうことですか」

「駆除できていない妖怪を誘引して出来る限り間引く。クロードがいるならそれが可能だと思ったんだよ」

「危険ではありませんか」

確かにクロードがいるなら討伐事態は可能かもしれない。

現にクロードは傷を負うことなく切り抜けている。

だが、詩織と翠は何度も傷つき毒を受けて手持ちの解毒薬をつかいきっていた。

クロードが持ってきていた解毒薬を受け取ってはいるが何度もこんなことをしていては解毒薬がいくらあっても足りない。

「それでもだ。人の手にこの地を取り戻す。その為には妖怪の討伐は必要だ」

かつてこの毒霧盆地は多くの人々が住まう場所だった。

だが、盆地特有の風があまりないことから負の瘴気が溜まり人が住めない魔境へと姿を変えた。

現在は危険地域として一般の人々の立ち入りが禁止され組織の人間も限られた人物しか侵入を許可されていない。

現状維持も大事だろう。

だが、詩織の目標は1つでも多く妖怪に奪われてしまった領域を人々の手に取り戻すことだ。

その為には1匹でも多くの妖怪を倒さなければならない。

「気持ちはわかりますけど、目的を見失わないでください」

思わぬ足止めを食らったが今回の作戦目標はこれ以上負の瘴気が溢れないように封印の結界を補修することだ。

前に補修されたのは半年ほど前のことだ。

1年ほどは持つはずだがそれでも念の為に半年に1度補修するのが決まりだった。

「わるかった。少し熱くなり過ぎていたようだ」

冷静になった詩織ではあったが妖怪の討伐を諦めたわけではなかった。