軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

五百九十八話

クロードはハイエルフ3人組を国王から譲られた邸宅に案内した後、学園の寮へと戻ってきた。

寮は1年間放っておかれたのに対して埃などは落ちておらず定期的に掃除されていたのだと気が付いた。

誰の気遣いなのかはわかっていた為、お礼を言いに隣のエリーゼの元を訪ねる。

主であるエリーゼはいなかったが代わりにアイナさんが出迎えてくれる。

「ただいま戻りました」

「おかえりなさいませ」

「いない間、寮の手入れをしていただきありがとうございます」

「それならばミーシェに言ってあげてください」

二人の会話に釣られたのかミーシェが顔を出す。

「お兄ちゃん。お帰りなさい」

「ただいま。寮を掃除してくれてありがとう」

「へへへ」

嬉しそうにほころんだ顔をしているミーシェに何かお礼をしようと思い立ったクロードはアイテムボックスからアップルパイを取り出す。

「お礼にこれをあげよう。皆で食べるんだよ」

「ありがとう」

アップルパイを受け取ったミーシェは大事そうに抱えながら奥へと引っ込む。

「エリーゼ様が戻られるまで待たれますか」

「いえ、やりたいこともあるので自分の寮に戻りますね」

「わかりました」

クロードは自分の寮へと戻ると早速アイテムボックスから色々な物を出して検証をはじめる。

手始めに手を付けたのは転移門の改良だ。

現状の転移門では短距離しか飛べない為、長距離にも耐えうる物が必要だ。

外枠として世界樹を利用してそこに魔法文字を刻みこんでいく。

外枠が完成したら格となる魔水晶の改良に取り掛かる。

妖精の粉やら世界樹で入手した媒介を惜しみなく注ぎ込み魔水晶を魔改造していく。

この魔水晶は使い捨てでなく世界にある魔力を常時吸収して永続して使えるようにした物だ。

完成した転移門を起動させテストしてみる。

転移門は問題なく起動しており問題があるようには見えなかった。

この転移門は試験的に同盟国であるドラゴニアとゲルマン王国に設置すればよいだろう。

難点をあげるとすればクロードにしか作れないことだがそれは仕方ない。

材料も問題だが今回刻んだ魔法文字は現在では失われた言語でありそれを理解するのはネツァルでも難しいだろう。

とは言え、この言語を復活させるのも面白そうだと考えついたクロードは簡単な文字からノートにまとめはじめるのであった。

これが後に大問題に発展するとはこの時のクロードは思いもしなかった。