軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四百五十三話

原則として魔物や盗賊の住処にならないよう演習終了後は原状回復の処置をすることとなっている。

しかし、陣地の構築の勉強に丁度よいということで大演習に参加した生徒は全員教師の指示に従いクロード達が作った防衛陣地に集まっていた。

その間、クロードは坑道戦術で使った穴の埋め戻しを手早く進めていく。

あと少しで穴の埋め戻しが完了するというタイミングで急速な魔力の高まりを感じ取り慌ててクロードは穴から飛び出す。

穴から飛び出したクロードが目撃したのは空中に複雑な魔法陣が描かれ何かが這い出てこようとする姿だった。

大演習に参加していた生徒も教師もあまりの出来事に固まっていた。

空中に描かれた魔法陣から出てきたのは見るからに邪悪そうな巨大な蛇だった。

そして場違いな声が響く。

「呼ばれて、飛び出て、じゃじゃじゃじゃーん。俺様、参上」

その声が緊張を解いたのか多くの生徒はパニック寸前だ。

クロードは魔法陣から這い出てきた者の正体に心当たりがあった。

本来であればありえない。

それは魔界にいるはずのヨルムンガンドだった。

クロードは自分の声を風魔法の応用で拡張して叫ぶ。

「あれの相手は僕がします。皆さんはそこから動かないでください」

そういってヨルムンガンドに向かってかけていく。

ヨルムンガンドが着地するとそれだけで地揺れのような振動が起こる。

「おうおう。俺様をヨルムンガンドと知っての発言か。舐めてくれるな小僧」

クロードはその声に取り合うことなく勢いのまま身体強化をした上で体当たりを食らわせる。

ヨルムンガンドは狙い通り吹っ飛び皆から距離をとらせることに成功する。

「おおう。我は吹き飛ばすとは中々パワーがあるじゃないか」

ヨルムンガンドはどこかふざけた調子であるが尾をペタンペタン地面に叩きつける。

それだけで地揺れのような振動が起きる。

このままヨルムンガンドの好きにさせればどれだけの被害が出るのかわからない。

クロードはクイックで龍脈の力が刀の形となった龍刀を取り出し短期決戦の構えを見せる。

「なんだ。だんまりか。つまらん奴だな」

「はぁ・・・。なんで魔界にいるはずのお前みたいな化け物が出てくるんだ」

「何。配下の魔人達が苦戦してるって聞いて少しばかり手伝ってやろうと思ったのさ」

「はた迷惑な話だな」

「そう言ってくれるな。こうして強者と出会えたのは幸運だ。楽しもうぞ」

ヨルムンガンドがそう言うと瞬時に大量の水が現れあちらこちらに襲いかかるのだった。