軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四百五十話

クロードは能力を制限する魔道具を使うことで他の生徒と同じように実技の授業を受けていた。

基本的な素振りからはじまり後半には模擬戦を行うのが今の授業の流れだ。

今のクラスメイトの一人に頼まれ模擬戦をしている最中だ。

相手はゲルマン王国では主流である訓練用の槍を構えている。

それに対してクロードは自作した刀型の模造刀を構えていた。

普通であればどうにかして槍の内側に入らなければならないがクロードは焦ることなく突きを捌いていく。

身体能力を制限しているとはいえここまで蓄えたクロードの技術は健在だ。

相手が焦ったように大きく突きを突き出してきたタイミングで突きの軸をずらしてするりと槍の内側に入り込む。

相手は咄嗟に槍を引き戻すがその前に体にピタリと模造刀を突きつけ決着した。

「はぁはぁ。これで身体能力制限してるとかマジかよ」

「途中まではよかったのに勝負を焦りましたね」

「あれだけ綺麗に捌かれたらな。体力切れの前に決めようと焦っちまった」

「体力の練成が課題というところでしょうか」

「これでも随分と体力がついた方だと思ったんだけどな」

クラスメイトが言うのももっともである。

クロードのクラスメイト達は常に鍛錬を欠かすことなく十分な体力を身に着けている。

しかし、それ以上にクロードの体力が高すぎるが故の結果であった。

その後もクロードとの対戦希望者が絶えることはなく結局クラスメイトの全員と模擬戦を行ったクロードなのだった。

「クロード。お疲れ様」

「エリーゼもお疲れさまでした」

「そういえば理事長から呼び出されていたけど何だったの」

「大演習に関する注意事項ですね」

昨年はクロード発案の元、大規模な夜襲により早々に決着がついたが本来であれば数日にわたり対峙することで生徒に経験を積ませるのが目的だ。

そこで、クロードが作戦を考えるのはいいが生徒達に経験を積ませられるような内容にして欲しいと頼まれたのである。

「去年の大演習は夜襲であっけなく終わったものね」

ゲルマン王国では大演習で使われた照明の魔道具の配備も進んでおり戦略が大きく見直される結果となったがこの世界一般から見れば異端であるのは間違いない。

「今年は王道な戦術で行くつもりですよ」

「クロードの言う王道は全然信用できないんだけど」

「そうですかね」

大演習の組み分けはまだ発表されていない。

エリーゼに話したところで漏らすとは思えないが万全を期す為に作戦内容を伏せるクロードなのだった。