軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四百二十九話

食材を提供したクロードは子供達の元に戻り指導に戻った。

カリオンは癖になっている動作を無理矢理修正するのではなくそれを生かした攻撃方法を教えていたようだ。

多くの騎士団員達を鍛え上げてきただけあり教育についてはやはりカリオンに一日の長がある。

「やはりカリオンに頼んで正解でしたね」

「基礎は大事ですが入団してくる者の中には我流で鍛えてきた者もおりますから」

「僕は基礎から教えることしかできませんからね」

「クロード様はそれでいいと思いますよ」

圧倒的なステータスと基礎をきっちり固めてあるクロードの動きはある種の芸術だ。

どんな状況にも対応できるうえに斬撃の一撃一撃が必殺の威力を秘めている。

「カリオン隊長からクロード様の強さは聞いていますが是非一度手合わせしてみたいですね」

護衛としてついてきた騎士団員の一人がそう声をかけてくる。

「子供達も体力の限界でしょうし、強者の戦いを見るのもいい勉強になるでしょう。クロード様。私からもお願いできませんか」

「わかりました」

クロードと騎士団員は庭の中央に立ちお互いに木剣を構える。

子供達は期待するように熱い視線を二人に注いでいる。

審判を務めるのはカリオンだ。

「それでははじめ」

先に動いたのは騎士団員の方である。

加速して鋭い突きを放ってくるがクロードは必要最低限の動きでかわしていく。

ステータスにものを言わせて反撃をするのは簡単であるが子供達が見ている手前それをするのも憚られる。

攻撃を続けてくる騎士団員だが当たる気配がなく焦ってきたのか突きが乱れてくる。

乱れた突きの軌道に木剣を合わせて大きく弾く。

騎士団員はクロードのこの行動を予測していなかったようで木剣を取り落とさなかったが体勢が大きく乱れる。

クロードは流れる動作で騎士団員の首筋に木剣をピタリと突きつける。

「そこまで」

「ありがとうございました」

「途中まではよかったが焦ったな」

「面目ないです」

「クロード様は随分手加減をされましたね」

「子供達の手前魅せることを意識したのですが」

「それが悪いとは申しませんが対戦相手のことも考えてください」

「確かに対戦相手を侮っているわけですから申し訳ないことをしました」

「いえ、自分の実力不足です。クロード様の相手を務めるにはまだまだだと実感いたしました」

子供達の方をみれば先ほどの戦いで盛り上がっている。

大人相手にも余裕をもって戦えるクロードのことを尊敬する声が聞こえる。

子供でも大人と渡り合える。

教会の子供達のやる気に繋がったようでこの模擬戦にも意味があったのだとそう思うのだった。