軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四十二話

王国のダンジョン管理部隊は溢れ出るオークを一体でも減らすために防護柵に陣取り孤立奮闘していた。

溢れ出た際に時間を稼げるように十分な量の回復薬が備蓄されていたが失った体力は回復させることができない。

「隊長。このままではジリ貧です。放棄して撤退しましょう」

「我々がここで踏ん張らなければ被害が広がる。それにこの状況で撤退すれば味方の元にたどり着く前に囲まれるぞ」

逃げられるタイミングは既に失していた。

彼らに出来るのは一体でも多くのオークを道連れにするだけに思えた。

そこに馬蹄の音が響いてくる。

「馬蹄の音。どこからだ」

「隊長。あちらです。数は少ないですが援軍です」

クロードは道中のオークを討伐しながら溢れ出てくるオークをダンジョンの入り口で封鎖すべくダンジョンに向かっていた。

いかに精強な騎士であると言っても疲労は溜まっているし馬にも無理をさせているのを理解していたがここが踏ん張りどころであると部隊を鼓舞し進んできたのである。

「カリオン。孤立している部隊を掩護だ。僕はダンジョンの入り口に陣取ってこれ以上の拡散を阻止する」

カリオン達は迷いなく命令を実行し孤立していた部隊もその動きに合わせ連携する。

ダンジョンの封鎖に大規模な魔法は必要ない。

多重詠唱でファイヤアローをいくつも用意して抜けようとするオークを次々としとめていく。

救援を終えたカリオンがそばにやってきた。

「カリオン。すまないけど馬を頼む。今のうちに部隊に休憩を取らせておいてくれ」

喋ったり馬を降りるといった動作をしても多重詠唱は維持しており魔法が途切れることはない。

「お預かりいたします」

クロードの乗っていた馬を引いて戻ってきたカリオンに部下が話しかける。

「無茶をさせるなとのファールハイト様の指示ですがクロード様に任せてよいのでしょうか」

「今我々が加勢しても足手まといになるだけだ。今のうちに休息して体力を回復しておけ」

クロードの魔力がいくら多かろうと枯渇するし体力は消耗し精神も疲労する。

必ず交代しなければならないタイミングがあるはずだ。

その時に備え少しでも万全の状況に近づいておく必要があるとの判断だった。

ファールハイトは討伐本部で続々と入ってくる報告を聞きながら指示を出し続けていた。

来訪を待っていた諸侯の部隊も続々と集まってきており包囲網が完成しつつあった。

「プロミネンス領方面に展開していた部隊は集結を完了しています。またファイネル様が歩兵部隊を引き連れ進軍してきているとのことです」

「これで包囲網は完成した。各諸侯軍に通達。進軍を開始させよ」