軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四百十八話

「アイナさん。どういうつもりですか」

「どういうつもりとは」

「エリーゼと僕を鉢合わせさせた件です」

「勿論、エリーゼ様を思ってのことですよ。クロード卿もいい思いをしたでしょう」

「いい思いって・・・。否定しづらいですけどもエリーゼは嫁入り前の娘なんですよ」

「それはクロード卿が責任を取ってエリーゼ様をお嫁さんにするしかないですね」

「陛下がなんていうか。想像するだけで恐ろしいんですけど」

「そこは問題ありません。というかクロード卿はエリーゼ様の想いに気づいておられますよね」

「エリーゼと僕では釣り合いが取れませんよ」

「そうですか。血統はゲルマン王国でも由緒正しきプロミネンス侯爵家の生まれで武勇も知略も随一。独立した貴族でありその若さで辺境伯にまで上り詰めたその手腕。金銭的にも問題なく現在もゲルマン王国で手柄を立て続けています。そんな方に嫁がれるのです。どこに不満があるというのでしょうか」

「そうやって聞くと凄い人物に見えますけど僕にはエリーゼを幸せにできる自信がありません」

「何故です」

「何故と言われても。趣味に没頭して親しい友人であるエリーゼを蔑ろにしたりするような男ですよ」

「趣味といいますと鍛冶場を改修して鍛冶に打ち込んでいたことでしょうか」

「そうです」

「クロード卿が技術を学ばれたのは結果的にはゲルマン王国にとってプラスとなったことでしょう。王族ともなれば仕事で会う時間が取れないのも当然のことです。実際、陛下も即位なされた直後は仕事に追われ奥方様の相手をできなかった時期もございます。エリーゼ様にその覚悟がないとでも」

次々と反論を潰されてクロードは口をパクパクさせることしか出来ない。

「そして、何より大事なのはクロード卿はエリーゼ様のことをどう思っているかです」

「魅力的な女性だと思っていますよ。魔物の討伐も頑張っていますし、日々努力しているのは知っていますから」

「エリーゼ様のことを好きなのですか。嫌いなのですか」

「好きです」

「だそうですよ。エリーゼ様。よかったですね」

エリーゼの方を見れば別の意味で顔を真っ赤にしているエリーゼの姿がそこにはあった。

いつ頃から聞いていたのかはわからないがクロードも想いを聞かれてどう反応したらいいか困ってしまう。

「うふふ。後は若い二人でどうぞ」

アイナさんはそう言って入浴施設から出て行ってしまった。

「とりあえず着替えよう」

「そうね。細かいことはそれからよね」

二人はお互いを見ないようにしつつ着替えるのだった。