軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

三百七十八話

演習は順調に進みクロード達は学園への帰路についていた。

高等部の生徒達は監督するつもりが一緒に狩りをすることとなり想定外だったようだがアイリス姉様はいい訓練になったと笑っていた。

ドロップ品は近衛騎士団の方で買い取るとのことで近衛騎士団のメンバーの中にアイテムボックス持ちがおり引き渡されている。

「それにしても転移門かぁ。王国の移動も楽になったものね」

「確かに今までは演習と言っても王都近郊だけだったからな」

「それもこれもクロードのおかげね」

作り方は秘匿されているが完成した転移門を運び出すのに大量の馬車が出入りしていたので製作者がクロードであることは広く知られていた。

「かなり製作させられましたからね」

ドラゴニアとドラゴニアの間の国に転移門が置かれたことで他の周辺国からも導入したいと打診がきているが国王はじめ国の上層部が断固として拒否している状態だ。

「強くて賢い自慢の弟よ」

アイリス姉様が頭を抱え込んでぐりぐりしてくる。

「こうやって子供扱いされるのも久しぶりな気がします」

「凄いと言ってもまだまだ子供よ。何か困ったことがあったら気軽に頼ってくれていいんだからね」

アイリスとクロードの気軽なやりとりを羨ましそうに見ているエリーゼなのだった。

無事に王都に到着して王宮に戻ったアンベルは国王であるポセイドスに呼び出されていた。

「気は済んだか」

「はい。クロード卿の強さは本物でした。正直眉唾ものだと疑っている部分もありましたが勝てそうもありません」

今回、近衛騎士団が演習に参加したのはアンベルの為でもあった。

表だって勝負をさせてやれない代わりに実力をはかる機会を国王であるポセイドスの厚意で与えられたのである。

「近衛騎士団長にならないかと聞いたら笑って断られました」

「儂は断ってくれてほっとしておるよ。強さに疑いはないが長年仕えてくれておるそなたを信頼しておる」

「これからも誠心誠意仕えさせていただきます」

「よろしく頼むぞ」

それからアンベルは自分自身もそうだが配下の近衛騎士団に今までよりも厳しい訓練を課すこととなる。

クロードのような規格外の強さを持つ者はそうそういないとは思うがその強さを目の当たりにしたことで目が覚めた思いだった。

余談ではあるがクロードがあのようにハイリザードマンを討伐してみせたのはアンベルの試すような言葉に触発されてのことだ。

他にもやりようはあったのだがまだまだクロードは精神的には子供なのであった。