軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

三百七十五話

エリーゼの身体能力の高さに驚かされたアンベル騎士団長ではあるが落ち着いて次の段階に移行する。

「エリーゼ様。次は私と模擬戦をしていただきます」

「わかったわ」

それぞれ模擬戦用の武器を構えて対峙する。

エリーゼの得物は使い手の少ない細剣であり刺突がメインのはずだ。

構えを見れば隙はなく熟練の剣士を想像させる。

まだ11歳だというのにこれだけの領域に踏み込める人間がどれだけいるか。

模擬戦はエリーゼの突きから始まった。

アンベルは冷静に突きを捌いていく。

受ければ劣勢になるのがわかっているのかエリーゼの突きは流れるような連撃だ。

明らかに訓練で身についたものではなく厳しい実戦で鍛えられた技であると肌で感じ取る。

しかし、アンベルから見ればまだまだ未完成であることもまた事実であった。

エリーゼの突きに合わせて前にでて突きを放つスペースを塞ぎつばぜり合いの状況に持ち込む。

エリーゼは何とかスペースを作ろうと下がろうとするがそれを許さず追従する。

アンベルは加減はしたが容赦なくエリーゼの腹を蹴り飛ばす。

あまり美しくない戦い方ではあるが王族を守るためならばいくらでも汚名を着る覚悟のある近衛騎士団の模擬戦は魔法はなしだが肉体を使った技術はなんでもありだ。

咳込んでいるエリーゼに語りかける。

「すみません。エリーゼ様。しかし、これが近衛騎士団のやり方なのです」

「げっほ。ごっほ。わかっているわ。対処できなかった私の落ち度よ」

「エリーゼ様の課題はいかに接近されないか。そして接近された後の対処法を覚えることですね」

「そう言ってくれるということは認めてもらえたのかしら」

「はい。これからは厳しい訓練が待っていると思っていてください」

「ありがとう」

「それにしてもそれだけの実力を身に着けていたのに驚きました」

「先生がよかったからよ」

エリーゼがクロード卿と共に長期でかけていたのは立場上知っていた。

守る王族の実力を知っておくのも職務なので学園での実力も伝え聞いている。

短期間でここまで実力を伸ばすのは並大抵のことではない。

「先生ですか。クロード卿とはそれ程の方ですか」

「言っとくけどクロードは貴方より強いと思うわ」

「それは俄然興味がわいてきましたね。立場上やりあえないのが残念で仕方ありません」

近衛騎士団長とはこの国の象徴であり万が一にも負けることは許されない。

今後もクロード卿と戦えることはないだろう。

「本当に残念そうな顔ね」

「本音ですからね。それでは訓練は明日からはじめますので今日は終わりましょう」

こうしてエリーゼの近衛騎士団での修業がはじまった。