作品タイトル不明
三百五十話
朝食を取った後クロードとエリーゼは予定通り4層へと向かった。
予想できていたことではあるがクロードが支援魔法をかけてもエアストーム一発では倒しきれず2発撃ち込むことで対処する。
クロードは危機的状況以外では見守る方針のため手は出さずにいた。
「階層を進めば同じ魔物でも強くなるのは知識としては知っていたけどこれはしんどいわね」
エアストームを2発撃ち込まなければいけないためエリーゼは度々魔力を回復する回復薬のお世話になっている。
集団を制圧したところでクロードはエリーゼに追加の回復薬を渡し手早くドロップ品を回収する。
それを何度も繰り返したことにより戻らなければならない時間になった頃には支援魔法込みでワーカーアントを一発で倒せるようになっていた。
「そろそろ時間ですね。残念ですが戻りましょうか」
「仕方ないわね。でも何かつかめたような気がするわ」
転移魔法でダンジョンを脱出し寮まで戻ってきたクロードはエリーゼの寮にお邪魔して今回の成果を計算して代金を引き渡していた。
「こんなに貰ってよいのかしら」
「頑張った成果ですよ」
「ありがとう」
「クロード卿。お疲れでしょう。ささやかではありますが夕食を準備しておりますので食べていってください」
「アイナさん。ありがとうございます」
クロードはお言葉に甘えさせていただき夕食をご馳走になるのだった。
自分の寮に引き上げてきたクロードは休むことなく転移門の製作に精を出していた。
提出分は余裕をもって終わらせてあるがいくつか予備の転移門を確保しておきたかったのである。
その読みはあたり王宮から大量の受注生産の依頼が入ることとなりクロードは放課後の時間をフルに使って転移門の生産に打ち込むこととなる。
今回大量に受注生産が入ったのはドラゴニア王国側が転移門の利便性に気が付いてもっと配備できないかと相談を持ち掛けたことによる。
ゲルマン王国側としても無茶な要求を受け入れることによりドラゴニア王国を重要視しているというアピールと共に国家としての威信を見せつける目的があった。
酷使される側としては堪ったものではないが国家に仕えるクロードとしては要求に応えるしかなかった。
とはいえ国王陛下のポセイドスはじめ主要な大臣達は無茶を言っているのも理解しているため多額の料金をクロードに支払っていた。
それだけでは不十分だという話となりクロードには勲章が送られることとなるがデスマーチを遂行することとなったクロードの慰めにはならなかったのである。