軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

三百四十九話

「それにしても、金と銀がこんなに簡単に手に入っていいのかしら」

「それは倒せているから言えるセリフですね。普通は大量のワーカーアントに押しつぶされて回収できずに撤退を余儀なくされたりしますから」

エリーゼも比較的安定して狩れているがクロードがフォローしなければ危ない場面などもあった。

上層でも普通は大勢で挑み何とか制圧してドロップ品を回収するのが普通だ。

少数で挑んでいるクロードとエリーゼが異端なのである。

「クロードがお金に困っていない一端を知った気分だわ」

「確かに一人でドロップ品を独占しているのもありますがそれだけではありませんよ」

お金を持っていてもそれを使わなければ意味がない。

クロードが大金を持っているのはゲーム時代の遺産もあるがここぞという場面で投資するのをためらわない姿勢にあった。

魔道具の開発にしても多くの失敗を繰り返したうえでの成功だ。

錬金術で素材を再分離したりしているがそれでもロスがでないわけではない。

「まぁ、いいわ。今は目の前のことに集中することにするわ」

そう言ってエリーゼは元気よく歩き出した。

時間は限られているのでどれだけ効率よく狩れるかが勝負だ。

いくつかの群れを討伐してクロードとエリーゼは4層に繋がる安全地帯に戻ってきた。

大量のワーカーアントを討伐したことによりエリーゼのステータスは爆発的に伸びている。

「すごいステータスの上がりかたね」

「あれだけ倒せば伸びますよ。今、夕食を作りますね」

パスタを茹でてその間にアースドラゴンの肉と野菜を炒め秘伝のタレを加えてソースを作り茹で上がったパスタを加えて和えてゆく。

後は疲れの取れるハーブティーを入れれば完成だ。

二人は完成したパスタを行儀よく食べてハーブティーを口に含む。

「お肉の旨味が出てて美味しいわね。クロードってば料理人としてもやっていけそうよね」

「あはは。本職の人に怒られますよ」

クロードは調味料にかなり助けられていると思っているがそこらの料理人より腕がよかったりするのだが本人に自覚はなかった。

「食べ終わったらもう休んでください。明日からは4層に挑みますよ」

今のエリーゼでは正直4層はきついだろうがクロードが支援魔法をかけてフォローすれば話は別だ。

「おやすみなさい」

ハーブティーを飲み終わったエリーゼは素直に横になりクロードはコーヒーを飲みながら見守っていた。

4層に挑む冒険者達の多くはクロードが領主であることを知っているため自然と空間が出来てエリーゼが睡眠を妨害されるようなことはなかったのである。