軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

三百一話

ブリュンヒルトはクロードが出て行った後喫茶店で途方に暮れていた。

「私はどうしたら・・・」

ウェイトレスの娘がブリュンヒルトに話しかける。

「話はよくわかりませんがクロード様は優しいですから引き受けてくださらなかったのには理由があると思いますよ」

「そうでしょうか」

「お姉さんはこれからどうするの」

「交渉するのにも滞在費を稼がないといけませんね」

「そういうことならこのお店で働いてみる気はないかしら」

「それはありがたいけれど。私でいいの」

「よかった。実はお客さんの数が多すぎて人を新しく雇おうって話が出てたのよ」

ブリュンヒルトはウェイトレスの娘に促され店の奥で制服に着替える。

「お姉さんスタイルいいからよく似合ってるわね」

「そうだろうか」

「さぁ。早速接客よ」

二人でホールに戻り手本としてウェイトレスの娘は一連の流れを実践してみせる。

ヴァルハラに招かれた男達の世話をするのもヴァルキリーの役目のためブリュンヒルトは手慣れた様子で接客をはじめた。

ウェイトレスの娘は問題ないと判断して自分の仕事に戻っていった。

喫茶店兼バーではお客が途切れることなく閉店まで忙しく働くこととなる。

「お姉さん。お疲れ様」

「いつもこの量を一人で捌いていたのですか」

「うん。そうだよ。でもお客さんが来ない状態よりはいいから」

「お腹が空いただろ。今賄いで何か用意するからな」

マスターは手際よく残った材料で料理を作ってくれる。

香ばしい匂いが店内に広がり食欲をそそる。

マスターが作ってくれたのは肉入りパスタだった。

「いただきます」

肉の旨味がパスタに絡みそれであってしつこくなくあっさりとした口当たりだった。

あっという間に平らげてしまう。

「とても美味しかったです」

「部屋は余ってるからうちの2階に寝泊まりするといい」

「何から何までありがとうございます」

「気にしなくていいわよ。私達もクロード様の厚意で助けられた身だからね」

「クロードとこの店の関係って何なんですか」

「クロード様はこのお店のオーナーなのよ。貴族の嫌がらせで傾いていたこのお店を買い取って私達に任せてくれたの」

「どこにでもクズはいるものなのですね」

「うちのお店はご贔屓にしてくれる貴族の方もいるから一概に悪いとも言えないのよね」

「私は明日の準備をするから先に休んでください」

マスターのお言葉に甘えてウェイトレスの娘と2階に上がる。

「このお部屋を使ってね」

家具は一通りそろっており寝るのには困らなそうだ。

「おやすみなさい」

「おやすみなさい」

こうしてブリュンヒルトは喫茶店兼バーで働くこととなったのだった。