軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

二百九十二話

一層目で様子見をしていたのだが問題がなさそうということで狩場を二層目に移していた。

二層目からは遠距離攻撃の出来るゴブリンアーチャーが出てくるが問題なく対応できている。

基本は前衛型のゴブリンを壁にして攻撃できそうなら魔法でゴブリンアーチャーを討伐して後は一層のときと同じ動きをすればいいだけである。

たまにハバロフがやらかすが取り巻き達はそれをうまくフォローできるようになってきており成長をうかがわせる。

「ハバロフ君。クロード君に対抗心を燃やすのはいいわ。だけど仲間に迷惑をかけるのは違うでしょ」

先輩達はハバロフの暴走の原因を的確に見抜いていた。

同じ侯爵家の生まれで大成しているクロードと自分を比べるのはわかる。

彼は彼なりに懸命に物事に取り組んできたのだろう。

動きを見れば鍛錬も欠かさず頑張ってきたのだろうということも推測されるが積み上げてきた物が違いすぎる。

クロードは天から授かった圧倒的なステータスを誇るがそこに胡坐をかかず最善を考え実績を積み上げてきたのだ。

ハバロフもクロードより勝っているものがあるのだが彼だけが気付いていない。

先輩達は人に言われて気付くよりも自分自身で気付いてほしいと思っていた。

クロードは圧倒的な強さを誇るが故に孤立している。

エリーゼとは仲良く付き合っているが子弟の関係に近い。

それに対してハバロフには彼を慕う仲間がいるのだ。

彼等と共に切磋琢磨していけばもっと高い地点に到達できるのだが視野が狭まっているハバロフは彼等に甘えている状況だ。

安全地帯に戻ってきたクロード達は食事の準備をはじめた。

本日のメニューは魚介類を中心にしたバーベキューである。

栄養のバランスを考えてサラダも準備してそれぞれ好きな物を焼くだけである。

安全地帯には他の班も到達しており羨ましそうにこちらを見ていたのでクロードは気前よく全員に提供するのだった。

クロードはコーヒーを入れてそれを渡しつつ思いきってハバロフに接触することにした。

「僕のことが気に入りませんか」

「ああ。気に入らないな。その余裕のある態度もムカつく」

「僕も君のことは嫌いです」

「なんだ。喧嘩を売りにきたのか」

「演習とはいえ今は命かけたやりとりをしている。だというのに君は周囲に迷惑をかけ続けている。彼等は何も言わずに助けてくれていますがそれがどれだけ負担になっているか気が付いていますか」

ハバロフを慕う取り巻き達は自分の危険を顧みずハバロフの為に動いていた。

今はゴブリンが相手ということでそこまで危険はないがもっと強い魔物と戦えば致命傷となることもあるだろう。

クロードはそれが許せなかったのである。