軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

二百八十一話

ライヒルト公国側は続々と後続部隊が到着して戦力差は倍以上となっていた。

普通なら城壁を使い防衛戦をするところではあるがタイラントは平原での機動防御戦を選択した。

騎士団の機動力を最大に生かして蹂躙する心積もりである。

そこに凶報が入ってくる国境の街に向けて魔物の群れが向かってきているというのである。

最低限の防御のための部隊は残しているが報告にある通りなら防衛部隊だけでは足りない。

出陣している歩兵部隊を急ぎ街に向かわせる。

それをチャンスだと捉えたのかライヒルト公国の軍が動き出す。

タイラントは覚悟を決めて慎重に距離をとる。

ただ突っ込めば壊滅するのみである。

ここぞというところを見極めて突撃する必要がある。

ここにゲルマン王国とライヒルト公国の本格的な戦争がはじまったのである。

転移門を作り続けていたクロードのもとにも国王陛下であるポセイドスからの使者が訪れミッシア辺境伯家の置かれた状況が説明されていた。

クロードは王宮へと赴き国王陛下であるポセイドスに援軍に向かいたい旨を伝えた。

「用件はわかったがニーパス領からでは転移門を使ってもかなり時間がかかることとなる」

「シルフィード皇国を抜けてライヒルト公国に入りたいと思います」

「シルフィード皇国から入るルートなら確かに時間を短縮できるが問題はシルフィード皇国が許可するかどうかだな」

「陛下。ここは借りを返してもらえばいいのではないでしょうか」

「わかった。許可しよう。皇王宛に書状を書くからこれを持って向かうといい」

「ありがとうございます」

書状を受け取ったクロードはニーパス領へと飛び騎士団を引き連れ国境の城塞都市アテナにて皇王の判断を待っていた。

皇王からの返書はクロードの予想より早く到着し無事に通行の許可を得たのである。

クロードは騎士団に支援魔法をかけて移動速度をあげてライヒルト公国へ向けて驀進していた。

ゲルマン王国から書状を受け取ったシルフィード皇国の皇王は動員できる兵士の全てをライヒルト公国との国境に配備するように指示を出していた。

実際に戦うわけにはいかないがライヒルト公国にプレッシャーをかけてゲルマン王国を支援する心構えであった。

タイラントは防御の手薄な個所を的確に見抜き突撃しては離脱することを繰り返していた。

率いる騎士団の団員達はよく訓練されており軽い怪我をした者は出たものの今のところ脱落者はでていない。

兵数の多いライヒルト公国はタイラントの率いる騎士団に対応する軍と街を攻める軍に分かれる動きを見せている。

街の防衛能力は国境の街ということもあり強固である。

部下達を信じ少しでも街攻めの勢いを弱めるべく奮起するタイラントと騎士団であった。