軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

百八十話

「クロード卿。他に気づかれたことはありませんか」

「転移門を上級魔法のインフェルノで破壊しようとしましたが無傷でした」

「なるほど。魔人が何かしらの防御措置を施していた可能性がありますね」

「何にせよ。あちらは仕掛けられるというのにこちらからは何も出来ないのは歯がゆいな」

「魔人について調査していたはずだな。そちらはどうなっている」

「伝説や伝記なども調べさせていますが成果はあがっていません」

「とにかく今後もこう言った事態が起きる可能性はある。警戒するしかあるまい」

会議は対して成果を出すことなく解散することとなった。

自分の寮に戻ったクロードは横になるといつの間にか眠ってしまっていた。

天界ではクロードの転生を担当したアリアが悩んでいた。

下界との接触は厳禁とされているが邪神であるロキの活動が活発になりつつあるため何か助言のようなものは出来ないかと考えていたのである。

「アリアよ。悩んでおるようだな」

「オーディン様。そんなにわかりやすかったですか」

北欧神話の主神たるオーディンはアリアからすれば雲の上の神である。

「ロキの悪戯にも困ったものだが人の世界に争いが起きるのは悪いことではなかろうて」

オーディンは戦争と死の神であり争いの少なくなっている現状をよく思っていないのだろう。

「一方的に攻撃をされている人間に救いの手は必要なのではないでしょうか」

「うむ。ならば戦乙女であるヴァルキリーを一人派遣する許可を与えよう」

「よろしいのですか」

「お主が転生を担当した者がいくら優秀であっても導き手がなしでは役目を果たせぬだろうしな」

上手く適応したのはいいものの色々やらかして地上のバランスを崩す存在としてクロードのことは頭痛の種だった。

「アリア様。何か御用でしょうか」

「ブリュンヒルト。よくきてくれましたね。貴方にはオーディン様の命で私が転生させたクロードという者の補佐を命じます」

「わかりました。ばっちり導いてみせます」

「迷子にならないように気を付けるんですよ」

「下界なんて狭い場所で迷子になるわけないじゃないですか」

「そう言って前回は補佐する相手に会うのにどれだけの期間がかかったことか・・・」

「もうあんな失敗は繰り返しませんよ」

「任せましたよ」

こうして戦乙女。ヴァルキリーの一人であるブリュンヒルトは下界へと旅立って行った。

神界とつながる神殿から外に出たブリュンヒルトは一面に広がる人の住まう世界を眺めていた。

「相変わらず下界はごちゃごちゃしていますね。嫌いではないですけど」

迷子のブリュンヒルトがクロードを探して行動をはじめたがいつ遭遇出来るのかは誰にもわからなかった。