軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

百二十三話

撤退したシルフィード皇国の兵士達は一番近い街までたどり着いていた。

「あの餓鬼め。このままではすまさんぞ」

指揮官の男はこの街を治める領主に面会する。

「領主殿。私は皇宮から命令されて動いている。協力してもらえないだろうか」

「皇宮からの命令ならば従いますが何をすればよろしいので」

「ゲルマン王国が新しく作っている都市の建設を妨害するのに兵を出して頂ければいいのです」

「魔物の動きが活発になっている今あまり多くは出せませんぞ」

「我が皇国の素晴らしい軍隊を前にすれば相手は戦わずに降伏してくることでしょう」

クロードは捕虜の処遇に対して頭を悩ませていた。

捕虜が集められているのは軍の訓練地として確保している空き地である。

「怪我を放置しておくわけにもいかないか。怪我人を集めてください」

クロードの要請のもと兵士が怪我人を誘導する。

「エリアハイヒール」

エリアハイヒールは集団をまとめて回復させることのできる回復魔法である。

「痛みがない。怪我が治ってるぞ」

捕虜にしたシルフィード皇国の兵士達が騒ぎ始める。

「皆さん。出来るだけ丁重に扱わせて頂きますが騒動は起こさないようにしてくださいね」

クロードに引き連れられた騎士団の強さを目の当たりにしたシルフィード皇国の兵士達はただ頷くのであった。

クロードは食事もきっちり出すように周囲にいた兵士に言って去っていった。

何事だったのかと不安にかられている作業員達を前にクロードは状況を説明する。

「シルフィード皇国の兵士と戦闘になりましたが撃退しましたので安心してください。遅れている作業を取り戻せるよう頑張りましょう」

城壁の部分を最優先するように指示を出して作業員達が散っていく。

クロードも城壁の建築を少しでも早く終わらせるために作業員に混じって作業をはじめたのであった。

シルフィード皇国の指揮官は近隣の領主から兵をかき集めゲルマン王国のニーパスへ向かっていた。

「ふははは。これだけの兵力があればゲルマン王国へ侵攻することも可能だろう。手始めに俺を馬鹿にしたあの小僧から血祭りにあげてやる」

「閣下。いくらなんでもこれはまずいのでは」

「戦端はもう開かれているんだ。こうなった以上は徹底的にやるのみだ」

「お言葉ですが今ならまだちょっとした手違いによる小競り合いですみます。ですがこれだけ兵を集めては言い訳できません」

「臆病風に吹かれおって。士気に差し障る。戦いたくないというなら去れ」

「それでは失礼します」

将官の離反を許し動揺が走るが指揮官はそんなことは関係ないと建築中の都市へと向かって進軍するのであった。