軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

◆168・全部持ってくナツメさん

誰でもわかる前回のあらすじ!

―――――『リリたん、不壊リングを作ってしまう!』

ぇえ~、どうしよう? ……………………。

「まぁ、いっか」

だって、不壊でしょ? 不死とか不老とかなら『封☆印』案件だけどさ。

普通のリングだって余程のことがない限り壊れないんだから、黙っていれば『不壊』かどうかなんて分かんない、分かんない。

しかも、こんな小っちゃい物体が不壊だったところで、どうということもないだろう。

そんなことより、何で『不壊』なんて付いちゃったんだろう?

もしかして、練習で魔石をバリンバリンの粉々にしまくったせいで、無意識に『壊れないように』って思ってたのが反映されちゃったとか?

辛うじて完成はしているけれど、制御とかが上手くいっていないのかもしれない。まぁ、できてはいるから、いっか。

それはともかく、この[製作者]が表示されるの、どうにかできないかな?

この世界の鑑定魔法では製作者までは分からないって聞いたけれど、『絶対』って保証がある訳でもないし……。

そう思って、何とはなしに鑑定画面をツンツンすると、文字の部分が点滅して、タッチキーボートが出てきた。

――んぬぁぁぁ~にぃぃぃ~!?

もしかして、シンタロウさんが作ったと思われるアーティファクトの鑑定画面に絵文字が入ってたのって、本人が編集したから!?

その辺にある他のものを鑑定して同じようにしたけれど、こちらは何の反応もなかった。

どうやら、自分が作ったものだけは鑑定結果を編集できるらしい。

ただし、効果の書き換えとかはできないようだ。

『魔力三千増加』を『MP三千UP』に書き換えることはできても、『MP三百UP』とか『HP三千UP』とかには書き換えられない。

名前も自分のイニシャルかニックネームには変更できるけど、全くの別人の名前にはできないようだ。

まぁでも、変えられるなら変えておこう。

リングは製作者が私であることは伏せて、ナツメさんがロイド様に渡してくれることになっているけれど、一応ね……。

「じゃあ、『L』で……」

一瞬、某探偵の姿が脳裏に浮かんだけれど、きっと気のせいである。

「よし! 完成~!」

「おお、良いではにゃいか」

「うん! あ、じゃあコレ、ナツメさんからロイド様に渡してくれる?」

「にゃっ、任せろ」

「ありがとう、よろしくね」

その後は、残っている魔金と手持ちの魔石で自分用の装飾品を作ることにした。

こちらには、特に何かの効果を付与するつもりはない。

魔石はクズ魔石の方を使おう。

旅の途中で、キレイな形の魔石が宝石並みに高価であることが発覚したからだ。

ティントルの森にいる魔獣は魔力濃度の高い森に生息しているために、他の地に生息している魔獣より強く、キレイな形の魔石を有しているらしい。

ティントルの森に住み着いている私はキレイな形の魔石しか見たことがなかったので、旅先でクズ魔石を見つけるまでそのことを知らなかったのだ。

キレイな魔石をアクセサリーにして売ろうかとも考えていたので、実行前に気が付いて良かったよ。

それはさておき、装飾品作りを進めよう。

リリたんには、やっぱり髪飾りかな~?

キーチャームとかもいいけど。まぁ、我が家に鍵なんてないが。

まずは、髪飾りを作ってみようと魔石を手に取り、魔力を籠めて変形とカットを試みる。

「…………うん?」

魔石は魔力を籠めても、うんともすんとも言わず……。

――《パキッ》

「あっ……」

――なるほど?

付与しなくても、魔力を籠め過ぎると壊れると……。

魔力を籠めて変形させられるのは金属だけってことね。

なら、魔力を籠めないで、普通に魔法でカットすればいいのか。

「ていっ!」

――うむ、できた。

「何だか、バキバキにゃんねぇ?」

「………………」

魔石のカットはできたんだ。

仕上がりが、想像の遥か斜め下の出来だっただけで……。

何だか、砕いたガラス片のようである。

「……無理」

「にゃ? どうしたかったのだ?」

「こう……、もっとキレイに……」

「にゃ……、まぁ、こういうのはソウが得意だ。今度、ソウにしてもらうといい」

「ナツメさんは?」

「吾輩は、石の加工はあんまり……」

「そうなんだ」

ナツメさんは家具とかいろいろ作っていたけれど、得意なのは木工系だけってことかな?

とりあえず、カット(?)した魔石をモザイクアートのように並べ、魔金で固めてみることにした。

「これはこれで、イイ……」

「いいではにゃいか」

「キラキラにゃ~!」

「キレイにゃんね~!」

「《あら、素敵》」

「《うむ、良いな》」

「あ、そうだ!」

ふと思いついて、前にナツメさんにもらった、とある樹の蜜を取りだす。

魔力を通すと固まる樹液だ。

鑑定したところ、『シルバーメイップルの樹液』だそうだ。

通常は三月頃にしか採れないらしいのだけど、なぜか妖精が管理する森ではいつでも採れるらしい。

樹液の色は透明なので、レジン代わりになるはずである。

これで、作った魔石のモザイク風魔金固めをコーティングしてみる。

「お~!」

「にゃっ、そんな使い方が……」

お試しなので随分小さめだけど、かなり良いのではなかろうか。

他の色の魔石も同じようにカットして、色味を増やしてみよう。

先ほどと同じ要領でもうひとつ装飾を作り、ヘアゴムを付けた。

「イイ感じ~♪」

「僕もほしいにゃ~」

「いいよ~! ロックくんは、トラさんとお揃いにする?」

「にゃ~! するにゃ~!」

「オイラにもくれるにゃんか!?」

「うん、こういうのでいいなら」

「にゃ……、吾輩も……」

「《私もほしいわ》」

「《私も……》」

という訳で、結局みんなの分も作ることにした。

みんなの分には、キレイな魔石を使おう。

まぁ、カット(?)すればアレな形になるけれど。

誰だ、「カットじゃにゃくて、砕いているのであろ」と言っている奴は!

まずは、同じ大きさと形にした装飾を二つ作り、紐を通してループタイにする。

これは、ロックくんとトラさんのだ。

「できた~!」

「にゃ~!」

「にゃ~ん!」

ロックくんとトラさんは、渡したループタイを早速身に着けて、喜んでくれた。

喜ぶ二人にニコニコしながら、他のも作る。

ヘアゴム、マジェステ、チャーム、ループタイ、バングル。

いろいろ作っている間に、ルー兄とポ二黒様も傍にやってきていた。

「思い付いたものを作ってみたけど、どれがいいか選んでください」

「にゃ? 吾輩はコレがいい!」

「《私はこれがいいわ》」

「《む……、私はこれがいい》」

「《俺もコレがいい》」

「にゃ!? これは吾輩の……」

「え、ああ、じゃあ、これはもうひとつ作るんで」

「俺ももらっていいの?」

「うん、どれがいい?」

「……これ」

「あれ? ヘアゴム、意外に人気?」

そう、ポ二青様はマジェステ、ポ二銀様はループタイを選んだけれど、ナツメさんとポ二黒様とルー兄はヘアゴムを選んだのだ。

という訳で、追加のヘアゴムを作った。

「にゃふっ、やはり、この伸びるのがいいにゃ」

「うん、これいいね」

「《ああ、コレはいい》」

どうやら、『ゴム』がお気に入りのようだ。

ならばと、ゴムを差し出せば、それはイラナイと言われた。なぜ……。

そうこうしている内に、ポ二青様とポ二銀様がまた縮んでいた。

ポ二青様に渡したマジェステと、ポ二銀様に渡したループタイが消えていたので、また転移だか転送だかの魔法を使ったのだろう。

「《リ、リリアンヌ……》」

「ああ、はい」

まぁ、ポニワ状態のままじゃ、渡したものは付けられそうになかったからね。

縮んだポ二青様とポ二銀様を元に戻している間にポ二黒様も縮んでいたので、ポ二黒様も元に戻す。

「ねえ、何してるの?」

「あ! レイ、おかえり」

「ただいま」

「リリアンヌがこれらを作っていてにゃ、できたものをもらっていたのだ」

「…………僕のは?」

「いる?」

「いる」

「どれがいい?」

「えっと、こ……、いや、これ……、でも……」

「別に一個じゃなくてもいいよ?」

「……いいの?」

「うん」

結局レイは、一種類ずつ全部を選んだ。

ポ二金様が「《ずるいぞ!》」と喚ていたけれど、とても嬉しそうにしているレイの姿がかわいかったので、無問題だ。

そんなポ二金様はバングルをほしがった。

しかも、「《もうちょっと太くしてくれ!》」との注文付きだ。

「ポニバ……、ポ……、アルバス様はどうします?」

「《我は、これのもう少し大きいのがいい。長めのネックレスにするのだ》」

「分かりました」

作った装飾品は、ほとんど百円玉くらいの大きさだ。

ポニバス様は、もう少し大きいサイズのものがほしいらしい。

という訳で、五百円玉サイズで菱形のペンダントトップを作った。

「《気に入った》」

「良かったです」

次の瞬間には、ポニバス様とポ二金様も縮んでいたので、またしても魔力注入をした。

私の魔力で転送しているなら、私にだって転送魔法が使えてもいいのではなかろうか。

そう思って転送魔法にリトライしてみたけれど、何も起こらなかった。

――うん、なにも‼ な゛かった……‼

さ、残った魔石の欠片を使って、別のものも作りましょうかね。

「リリアンヌ!」

「ん?」

ナツメさんに呼ばれてそちらを向けば、ちょんまげ姿になったナツメさんがいた。

頭頂部には、あげたヘアゴムがキラリ☆

「にゃふふ♪ どうだ? 似合っておろ?」

「…………ぐふぉ、うん、かっ……、似合ってるよ!」

――うん、ホントにかわいい。

かわい過ぎて、ちょっと吹き出しそうになってしまったけれどもさ。

その後、平静な気持ちでナツメさんを見られるようになるまで、しばらくの時を要したのだけれど、それは私だけの秘密である――。