作品タイトル不明
976話 チームソラ&ルナ・その3
「さあて、ここからが本番だ!」
モナは不敵に笑い、その場でくるっとターンを決めた。
その動きに従い、光の翼も動いて……
ザンッ!!!
光の翼が叩きつけられた床は、巨人が剣を振り下ろしたかのように、巨大な亀裂ができていた。
モナは、さらにステップを踏んで、光の翼を己の手のように自由自在に操る。
「ひぁ!?」
「くっ、これは……!」
「ほらほらほら、いくよっ!」
光の翼は、生き物のように動く。
片翼がライハを叩き落として……
もう片翼がショコラに迫る。
ショコラはあえて前に出て、皆を守るために盾を展開した。
しかし……
「っ!?」
滅多に表情を変えないショコラが、驚きに目を大きくした。
ショコラが持つ盾は、特殊な製法によって生み出されたものだ。
頑丈な金属を幾重にも重ねられていて……
さらに魔力が込められており、ある程度、自由に変形させることができる。
その強度は一級品。
シフォンの彗星の剣の一撃も防ぐだろう。
その盾が……切断された。
ガッ!
ドガガガガガッ!!!
何度も何度も光の翼で殴られて、斬られて、突かれて……
耐えきれず、盾の一部が砕けてしまう。
その威力がショコラにも伝わり、今度は耐えることができず、吹き飛ばされてしまう。
「なにを……」
「しているんですか!?」
ソラとルナは怒り、共に超級魔法を解き放つ。
イフリートディザスターとイクシオンブラスト。
炎と雷が混ざり、炎雷双撃となり、モナを襲う。
それでも。
「ざーんねん♪」
直撃。
しかし、モナの体は泥のように溶けた。
分身体だ。
「こいつは、ボクなりの覚醒さ」
「本来なら、背中の羽が翼に変化することは、より良い魔力の効率運用、余剰魔力の放出フィン……そんな役目をこなすんだ」
「でも、ボクの場合は違う。光の翼自体を武器にして、戦うのさ。これ、けっこう頑丈な上に、自由自在に動かせるんだよね。もう一つの腕、って感じかな?」
「その上で……ボクは分体を作り、その分体にも光の翼を持たせて……これ以上の説明の必要はないかな? ボク一人で、圧倒的な軍を作り出すことが可能なのさ」
「こうなると、もうキミ達に勝ち目はない。覚醒状態の最強種を……しかも、数十体を相手にするなんて、常識的に無理だろう?」
「ま、ボクは慈悲深いからね。おとなしく降参するなら、命まではどわぁっ!?」
ライハの雷撃と。
ソラとルナの魔法と。
ついでに、ショコラが投擲したナイフがモナの分体の一つを粉々に打ち砕いた。
「ごちゃごちゃうるさいっす!」
「自分の能力を自慢げにペラペラと話すのは、負けフラグなのだ!」
「覚醒状態になろうがなんだろうが、ソラ達は、全部、打ち倒してみせます」
「ヤルよ」
「……キミ達、なんか、ちょっと殺意高くない? さすがのボクもドン引きなんだけど……」
「「「自分の胸に手を当ててみろ!!!」」」
もっともな話だった。
今までモナがやらかしてきたことを考えれば、ソラ達が怒るのも当然。
ようやく、ここで決着をつけられると思えば、戦意が上がるのも当然。
よくも好き勝手やってくれたな?
今度こそ逃さないぞ?
しばいたる。
そんな感じで、ソラ達はテンションマックスで絶好調だった。
「こわ……ってか、関わりたくないなー。でも、そういうわけにもいかないし……ま、さっさと潰させてもらおうかな」
覚醒状態に移行したモナと、その分身体が一斉に動いた。
光の翼を攻撃ではなく、移動に使い、ライハに匹敵する速度で動いた。
さらに、体の一部を武器に変えて……
触れれば切れる刃と化して、嵐を形成する。
その中にいるソラ達は、じわじわと切り刻まれてしまう。
反撃は難しい。
回避も厳しい。
ライハだけがモナの速度に追いついているものの、仲間をかばうことに必死で、防ぐ以上のことはできない。
しかも完全に防ぐことができず、皆にダメージが蓄積されていく。
モナの覚醒状態。
そして、分体も覚醒して、その上で一斉攻撃。
厄介なこと極まりない。
「くぅ……!?」
「このっ……!!!」
ソラとルナは防御魔法を展開しつつ、必死に耐えた。
耐えつつ、この状況を覆す策を考えた。
そして……一つの答えを導き出す。