軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

964話 チームカナデ・その2

「「「はぁっ!!!」」」

カナデ、リファ、ミツキの三人が同時に動いた。

三人は、それぞれ真正面から激突して……

力と力の押し合いが発生して、互いに吹き飛ばされる。

一方で、ミルフィーユは、吹き飛ばされたカナデとリファを風の魔法で包み込み、衝撃を吸収してみせる。

同時に、今の一撃で受けた傷を回復。

状況に応じた最適解を即座に導き出して、行動に移す。

それを可能としているのが、ミルフィーユの強みだ。

「やっぱり、このままだと、三人相手は厳しいか」

ミツキは立ち上がり、唇を切った際に出た血を手の甲で拭う。

「にゃー……降参する?」

「まさか」

ミツキは、再び拳を構えた。

「お前ら、全員……ぶっころす」

「にゃ!?」

瞬間、ミツキの全身が金色に輝いた。

「ふーっ……にゃっ!!!」

裂帛の気合と共に、ミツキは覚醒状態に移行した。

ほぼ同時に姿が消えて……

「ふぎゃ!?」

「うっ……!」

カナデとリファが宙高く吹き飛ばされた。

それを追いかけるように、光が空を駆ける。

落雷のように不規則なギザギザを描いて、カナデとリファを打ちつけていく。

「カナデさん! リファさん!」

地上からミルフィーユの援護が届くのだけど……

「甘い」

覚醒状態のミツキは止まらない。

視認できない速度で動いて。

地と空を駆けて。

変幻自在の動きで、上下左右、ありとあらゆる角度から攻撃を叩き込んでくる。

「にゃっ……ううう!」

「これくらいで、ボクは……!」

どうにかこうにか、カナデは攻撃のタイミングを読んで、ミツキが移動してくるであろう場所を予測して、そこに拳を放つ。

その予測は的中して、ミツキの頬をかすめた。

かすめただけではあるものの、攻撃のタイミングをずらすことに成功して、追撃から逃れることができた。

その隙を見逃すことなく、リファが血の弾丸を生成して、撃つ。

逃げ場をなくすかのような、面射撃。

しかし、ミツキはその全てを避けてみせた。

避けた上で、地面に落ちている瓦礫を拾い、カウンターの投擲。

未だ宙にいるカナデとリファは避ける術を持たない。

「あわわわ!?」

「カナデ、掴まって」

リファは、ここぞとばかりに背中にコウモリの羽を生やしてみせた。

ばさり、と宙をかいて……

カナデを掴んで、その場を離脱。

少し離れた場所に着地した。

「おーっ、リファって飛べたんだね」

「無理。ちょっと動くのと滑空するくらい」

「残念」

「二人は余裕がありますねー」

カナデとリファのところにミルフィーユが駆け寄り、二人に補助魔法をかけた。

レインのブーストと同じく、身体能力を引き上げる魔法だ。

「おー、なんか体が軽い」

「これならいけるかも?」

カナデとリファは同時に駆けた。

カナデは左から、リファは右から。

それぞれミツキを挟み込むかのように突撃する。

「ホーリーアロー!」

二人の動きに合わせて、ミルフィーユが援護射撃をした。

無数の光の矢が宙を走り、ミツキに迫る。

常人ならば回避は難しい。

しかし、相手は覚醒状態の最強種。

目を閉じていても避けることはできるが……

ただ、光の矢は広範囲にバラまかれていたため、回避する方向が限られていた。

それこそがミルフィーユの狙いだ。

光の矢でダメージを与えることは考えていない。

ミツキの動きを制限することが目的だ。

しかし、

「だから甘い」

「なっ……!?」

ミツキは光の矢をものともせず、まっすぐに駆けてきた。

直撃してもダメージを受けていない。

「うにゃ!?」

「ずるい……!」

「弱いお前らがダメダメ」

ふっ、とミツキの姿が消えて……

次の瞬間、カナデの目の前に。

「まず一人」

「っ!?」

ミツキは全身の力を乗せて、カナデの顔に向けて拳を叩き込む。