軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

941話 できる限りのことを

全ての最強種が味方をしてくれることはない。

それでも、半数近くが力を貸してくれると約束してくれた。

予想以上の成果だ。

これだけの協力者がいれば、いざという時、被害を大きく減らせるはず。

俺は、アルさん達に戦ってもらうつもりはない。

それは、今を生きる俺達の役目だ。

ついでに、いつまでも頼っていたら自立できないから……という想いもある。

戦うのは俺達と、他の人間。

アルさん達は、いざという時に備えて、なにかあった時に力を貸してもらう。

そういう方向で話がまとまった。

協力をとりつけたことで、当初の目的は達成した。

ただ、俺達はすぐに立ち去ることはしないで、もう少し、精霊族の里に滞在することに。

その目的は……

「おらっ、遅くなっているぞ! 10周追加だ!」

「「「ひぃいいいいいっ」」」

タニア、ソラ、ルナ。

それと、サクラとフィーニアの二人が、精霊族の里の広場を走っていた。

レゾナさんの指導による、覚醒を習得するための訓練だとか。

まずは気合を培うためのランニングらしいけど……

覚醒と気合、関係があるのだろうか?

俺にはわからない領域なので、レゾナさんに任せるしかない。

その他のメンバーは……

「せいっ!」

「やるっす!」

「甘いですよ」

「「ひゃあああああ!?」」

カナデとライハが吹き飛ばされて、盛大に空を飛ぶ。

それをやってのけたスズさんは、涼しい笑顔を浮かべていた。

「ふふ、わたくしはお二人のように簡単には……ぴゃあああ!?」

追加でイリスも吹き飛ばされていた。

実戦形式で、スズさん達に稽古をつけてもらっている。

足腰が立たなくなるような本気のものではなくて、連携や戦術などを習得するため、動きを確認しているだけだ。

ただ、それでもけっこう激しい内容になるらしく……

みんな、ぽんぽーんとスズさんやミルアさんに投げ飛ばされていた。

一応、ノキアさんがみんなを転移でキャッチしているので、フォローはばっちり。

思う存分に力を磨くことができる、というわけだ。

そして、俺は……

「甘いぞ、主よ」

「くっ……まったく隙がないな」

エーデルワイスに稽古をつけてもらっていた。

『魔王』という概念は、今は封印されているような状態だ。

ただ、その状態でも、彼女は自由に力を扱うことができる。

「情けないな。これが実戦だったら、主は、すでに三十回は死んでいるぞ?」

「ちゃんと数えていたのか……」

「それくらいの余裕がある、ということだ」

エーデルワイスは、ふふん、と得意そうに笑う。

それから指をくいくいとやり、わかりやすく挑発をした。

「さあ、もう一度だ。来い」

「ああ、行くよ」

スズさん達に協力を取り付けることができた。

それと、『魔王』という規格外の存在であるエーデルワイスがいる。

戦力としては十分かもしれないが……

ただ、俺は、俺の手でラインハルトと決着をつけたい。

他の誰にも任せることなく、この俺の手で。

それは、わがまま以外の何者でもない。

でも……

「エーデルワイス」

「うん?」

「とことん、俺を鍛えてほしい」

「ふふ。いい顔をしているな。それでこそ我が主だ。その期待に応えてみせようではないか。さあ、来い!」

俺が……ラインハルトを止めてみせる。

そのための力を手に入れる。

だから今、できることを、できる限りのことを全力でやるだけだ。