軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1192話 嫌な予感が

「うーん……?」

里に残ったのは、俺とタニアとソラとルナ。

それと、ニーナとティナとルリだ。

カナデ達はうまくやっているだろうか?

心配しつつ、里の様子を見て。

なにか問題が隠されているのではないか、と探り。

ただ、なにも情報を得ることができず、数日が経過した。

「今のところ、なにもないんだけど……」

どうにも嫌な感じが消えてくれない。

それどころか、日に日に大きくなっているような気がした。

もっとも、ただの感覚の話。

勘違い、気の所為と言われたらそれまでなのだけど……

「レイン」

気がついたらルリが隣にいた。

ちなみに今は、引き続きミルアさんの家に厄介になっている。

迷惑をかけて申しわけない、と思うのだけど……

ミルアさんもなにか思うところがあるらしく、珍しく真面目な表情でいつまでもいていいよ、と言ってくれた。

「どうしたんだ?」

「……」

「ルリ?」

「帰ろう」

突然、そんなことを言われて驚いてしまう。

「帰る、って……ホライズンに?」

「うん」

「それは……」

「みんな揃ってからでいいよ」

「……」

「帰ろう」

同じ言葉を繰り返すルリ。

なにか嫌なものを感じ取っている様子だ。

ルリは子供だけど、でも、人間と最強種のハーフで。

それだけじゃなくて、他にもなにか隠されているような気がして。

そんなルリが言うのだから、ただの気のせいとか、そういうことで話を終わらせてはいけないと思う。

考えろ、俺。

ルリの言葉を受け止めてホライズンに帰るべきか。

それとも、竜族の里に残るべきか。

「……ごめん」

しゃがんで、ルリと視線を合わせて言う。

「もうしばらく、ここに残ろうと思う」

「……」

「ルリを信じていないわけじゃないんだ。ルリは、なにか嫌な予感がしたんだろう? ここにいると俺達が危ない目に遭うかもしれないって、そう心配してくれたんだろう?」

「……うん」

「ありがとう、その気持ちは嬉しいよ。本当だ」

ルリの頭を撫でた。

そうしたら、少しだけ緊張が解けたらしく、若干、表情が柔らかくなる。

本当に若干だけど……

でもルリは、元々感情の起伏が少ない子なので、これでも大きく心が動いていることがわかった。

「ただ、ここで里を離れたらいけない、って思うんだ」

俺も嫌な感じがする。

ここにいたらなにか事件に巻き込まれてしまうような気がした。

だからこそ。

ここで逃げるわけにはいかない。

なにかが起きるかもしれない。

その時、俺達がいれば問題を解決できるかもしれない。

慢心や驕りと言われたらそうなのかもしれないけど……

ただ、なにかしらできることはあるだろう。

百人は無理でも一人は助けられるかもしれない。

そう考えて。

可能性のことを思って。

……そうしたら、里を出るという選択は俺の中ではなくなった。

「もちろん、俺一人で決めるようなことじゃない。カナデ達が戻ってきたらみんなで話し合って、それからちゃんと決めよう。その時、里を出る、っていうことになったら、それはもう反対したりしないよ」

「……うん」

ルリは、まだ少し不安そうではあったけれど。

でも、少しだけ安心したようでもあって。

そっと、俺に抱きついてきた。