軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1006話 祈り

それは、改めての宣戦布告だ。

今度は絶対に負けないという、強い意思が込められている。

「俺は、みんなに託された想いと願いを背負い、戦う!」

「くっ……!」

最後の刻が近づいていた。

――――――――――

「にゃー……レイン、大丈夫かな?」

カナデ達は、ミツキを連れてラストレムナントの外に脱出していた。

本当はレインの助けに向かいたかったのだけど……

動力炉のある部屋は破損が激しい。

落下時、下手をしたら崩壊して巻き込まれていただろう。

「カナデー!」

「あ、タニア! みんなも!」

タニアやソラとルナ。

そしてイリス達が姿を見せて、合流する。

あちらこちら怪我をしているものの、深刻なものはない。

それなりに無事なようだ。

「よかった、無事だったんだね!」

「ふはは! 我が失敗するわけないだろう!」

「ソラ達は問題ありません。みんなは?」

「問題ありませんわ」

イリスが最初に頷いて……

他の皆も追随する。

それから、揃って落ちた要塞を見る。

自分達が成し遂げた戦果だ。

おかげで、空から一方的に攻撃されることはなくなった。

人間と最強種達の混成軍は勢いに乗り、戦線を押し戻していた。

ただ……

単純に喜ぶことはできない。

戦いはまだ終わっていない。

あの中に、まだレイン達がいて……

そして今、この間も、ラインハルトと戦っているのだろう。

「私達は負けたけど、ラインハルトが負けるわけない。最終的に私達の勝ちだ」

「ふふ、そうね。私達はともかく、あの彼が負ける姿は、まったく想像できないわ」

ミツキとアリエイルが誇らしげに言う。

「レインだって負けないよー!」

「そうよ。あたし達の主は、とんでもテイマーなんだから」

「とんでも……?」

「無茶苦茶なことを成し遂げてきた、っていうことよ。だから今回も……」

タニアは、最後までハッキリと言葉を紡ぐことはできない。

それは不安の現れなのだろう。

レインを信じたい。

でも、不安は消えない。

「……私は」

ふと、オフィーリアが口を開いた。

「できることならば、マスターに矛を収めていただければと思います」

「オフィーリア、あなた……」

「難しい話ということは理解していますが、互いに生きて戻ることが、最善なのではないかと」

イリスの方を見つつ、オフィーリアが言う。

大事な妹分と和解したことで、そう思えるようになったのだろう。

ただ従うだけではなくて……

思いやり、自分の意見を持つようになったのだろう。

「……ここまで来て、わたくし達にはもう、なにもできないというのは悔しいですわね」

「でしたら、祈りましょう」

「コハネさん?」

「主さまのために。ラインハルトのために。皆で祈りましょう」

「うむ、そうだな!」

「想いは力になる……そのことを証明してくれたのは、レインですからね」

「ぼく、がんばる!」

「わ、ワタシもレインしゃんのために……!」

カナデ達は、それぞれ両手を合わせる。

そっと目を閉じて、大事な人のことを想う。

勝利を祈り。

無事を願う。

欲張りかもしれない。

だとしても、ハッピーエンドが欲しい。

みんなが笑顔になってほしい。

だから……

「どうか……」

どこまでも純粋で。

太陽の日差しのように温かくて。

優しい祈りを届けていく。