軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

試験が終わった途端に

試験結果は二週間後の発表となるので、生徒は漸く重圧から解放され試験を忘れるように振る舞いだす。

今まで行動を制限していた婚約者候補達が最後の賭けと言わんばかりに動き出す。

その中にはローレルも含まれている。

王子の周囲を協力関係にある側近候補達と固め、婚約者候補達を寄せ付けないでいた。

卑怯とも言える戦略だが、結果としては効果はあり婚約者・側近を狙う貴族達は歯痒い思いをしている。

唯一彼らが王子に近付けない瞬間は、教室内だけ。

なので同じクラスの生徒はここぞとばかりに王子に群がり独占しようと必死になっている。

「……ニルヴァーナ・キャステン公爵令嬢」

後方から名前を呼ばれ振り向く前に相手の予想が出来てしまう。

「……はい」

「婚約者候補として最終確認があるんだが、放課後時間を頂けるか?」

声からしてとても近い距離とは感じていたが、手を伸ばせば触れてしまいそうな距離に王子が側近・婚約者候補を連れて現れた。

「…はい」

候補者の最終確認と言われ数名の人を引き連れてこられては、私に拒否権は無く頷くしか選択肢がない。

用が済めば王子とその御一行は私の前から去って行く。

気が重いが証人が多数いる中で了承してしまったので、行かない訳にもいかない。

私は放課後だったが、昼食はローレルと共にいると噂で耳にしたので婚約者候補として何かしら確認しなければならない事が有るのだろう。

もしかしたら、婚約者候補を辞退するかどうかの確認なのかもしれない。

そうだとしたら、もう周囲を気にせず誰とでも会話しても許されるようになる。

「漸く、解放されるんだ…」

三年間待ち望んだ婚約者辞退が漸く叶えられるんだと思うと、自然と笑みが溢れていた。

そんな私を目撃した生徒は、私が放課後王子との対面に誘われているという噂と重なり「ニルヴァーナ・キャステン令嬢は王子に誘われ楽しみにしているようだった」と誤解が生まれていた。

私が王子に積極的な行動を見せないでいたので、自称私ファンは内心不安を感じていたようで今回の噂を耳にすると周囲に拡散するよう「ニルヴァーナ・キャステン公爵令嬢は王子の誘いに喜んだ表情を見せていた」という噂を友人同士で至る所で何度も口にした結果一気に広まっていた。