軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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と、具体的な内容を尋ねてみる。

「まず、当日予定している催しの関係で開催はドームとなります」

「却下ですわ!」

当たり前のことのように素で発表した後藤さんのプランに、秒で反応するレイちゃん。

「ええええ!?」

レイちゃんの言葉に、秒で仰天する昭一郎さん。

いきなりドームときたか……。これは雲行きが怪しくなってきたぞ。

「と、とりあえず、全部聞いてみようよ。それで……、内容はどうなっているんですか?」

「ドームでの立食形式のパーティーを予定しておりました。内部に特設舞台を設置し、今小学生で人気のアイドルグループを複数招待。オーケストラをバックにそれぞれ一曲披露していただくという……」

「却下ですわ!」

後藤さんの説明の途中で、レイちゃんから無情なひと言が突き刺さる。

「えええええ!?」

レイちゃんの暴れ振りに、驚きのリアクションが大きくなっていく昭一郎さん。

……しかし、凄い規模を想定しているな。レイちゃんが超反応してしまうのも分かるよ。

でも、そのせいで後藤さんが話す内容を最後まで確認できなかった。

まだ続きがありそうな気配なんだけど……。

「レイちゃん、落ち着いて。とりあえず、最後まで聞こう?」

「も、申し訳ありません。わたくしとしたことが、取り乱してしまいましたわ……」

レイちゃんを宥め、後藤さんに先を促す。

「そして、ラストはお嬢様の今日までの成長の記録をスライドショーで……」

「却下ですわ!」

両手を顔で覆い、泣き崩れるようなポーズで首を振るレイちゃん。

隠せていない両耳は真っ赤になっていた。

「えええええ!?」

レイちゃんのリアクションが予想外だったのか、とうとう驚倒状態になる昭一郎さん。

「ちなみにそれで終わりですか?」

これで全部出し切ったのだろうか。

スケジュールを逆算すると、結構な時間になっているけど。

「はい。最後はお土産品に、招待した子供にはオーダーメイドのパーティードレスを。ご両親向けに、記念のお酒をご用意しております。それらをお渡しし、こちらが用意した車でご帰宅していただくといった感じを計画しておりました」

「却下ですわ!」

覆った顔をオープンし、両手で机をバーン! とするレイちゃん。

もう我慢の限界といった感じである。

「なんだってぇえええ!?」

そんな馬鹿な!? といった表情で愕然とする昭一郎さん。

……いやいや、さすがにやりすぎだよ。

結婚式の披露宴みたいになっとるがな。

しかも規模感がとんでもないし……。

「そりゃそうですよ……。ちなみに、ドームやアイドルは、もう押さえてあるんですか?」

もし、スケジュールを押さえているなら、早めにキャンセルしないと向こうにも迷惑がかかる。

「いえ、まだです。そのため、ドームに関しては難しいかもしれません。駄目だった場合は、ホテルの大宴会場か大規模イベント会場で代用の予定でした」

「うむ。礼香から話を聞いたのが、最近だったからね」

「まだ押さえていなかったのが、不幸中の幸いだったね」

「……危なかったですわ」

二人の報告を聞き、胸をなで下ろす私とレイちゃん。

しかし、昭一郎さんと後藤さんは、問題点を誤解しているようで……。

「礼香、却下ということは、少し規模が小さかったという事かな? だが、急だったから、これが精一杯だったんだよ……」

「これ以上となると、海外を視野に入れる必要がありますね」

昭一郎さんが思いを巡らしながら話し、後藤さんがウルトラCをひねり出す。

「それだ!」

後藤さんの発言に、パッと顔を明るくする昭一郎さん。

まるで、頭頂部で電球が光るエフェクトが見えるくらいの喜びようだ。

「それじゃない!」

すかさずレイちゃんが、机をバンバンする。

こちらの思いが伝わらず、ご機嫌斜めのようだ。

昭一郎さんと後藤さんって、こんなにポンコツだったっけ?

もしかして、レイちゃんが絡むといつもこんな感じなの?

「ど、どうしたんだ。そんなに声を荒らげて」

レイちゃんの取り乱しぶりに、昭一郎さんが動揺する。

「わたくし、この前クラスメイトのお誕生会に初めて招待されたのです!」

「そ、そうだったね。とても楽しそうに話してくれたから、私もよく覚えているよ」

「招待されたのは、その子の自宅。皆でケーキを囲み、お料理はお母様が腕によりを掛けたもの。皆でお祝いのプレゼントを渡した後は、一つずつ開封。その後はゲームをして楽しみました。お誕生日会というのは、そういうものなのです!」

目を閉じたレイちゃんは、当時の光景を思い出すかのように、ひとつひとつの言葉に情感を込めて語って聞かせた。

レイちゃんにとって、とても楽しい経験だったんだろうな。

とはいえ、行くまでは結構大変だった。

レイちゃん自身も雲上院家の感覚が抜けていなかったのだ。

プレゼントを事前にチェックしたら、絵画を持っていこうとしていたんだよね……。

そして、色々話し合った結果、ブランド物のバッグで落ち着いた。

なぜ皆と同じ価格帯の物にしなかったかというと、これから先のことがあるからだ。

これから先、雲上院という家の事情で、どうしても高価なプレゼントを渡さなければならない場面が出てくる。

その際、うちは安価な物だったのに、あの家はあんな高価な物を! みたいなトラブルが発生しないように気をつけねばならないというわけ。

雲上院家のお嬢様ならではの問題だ。

それに、プレゼントを渡す相手は金持ち私立小学校である琴清の生徒。

ブランド物のバッグも、ギリ許されるセレクトとなるってわけなのだ。

まあ、他のみんなのプレゼントと比較すると、明らかに浮いていたけど……。

こればっかりは仕方が無い。

っと、話が逸れた。

とにかく、レイちゃんとしては、自分が経験したのと同じ様な誕生日会を再現したいのだろう。

「つまり、規模が大きすぎるんです。誕生日会って、アットホームな感じなんですよ。でも、雲上院家でやる場合はそれだけではダメで、もっと慎ましい感じを演出した方がいいかもしれないですね」

昭一郎さんと後藤さんに、どういう方向の誕生日会をやりたいのか、イメージを伝える。

ここまで言えば、レイちゃんのことで目がくらんでいる二人でも、さすがに分かるだろう。

「そ、そうだったのか……。いやあ、危ないところだった。ありがとう二人とも。私はとんでもない間違いを犯してしまうところだったようだ……」

「申し訳ございません、お嬢様。どうやら張り切りすぎてしまったようです」

私たちの話を聞き、反省の色を見せる昭一郎さんと後藤さん。

その様子を見て、レイちゃんが深く頷く。

「分かっていただけたのなら構いませんわ」

「……つまり、自宅へ招待すればいいわけだな」

昭一郎さんはレイちゃんの希望を叶えようと、腕組みして考え込む。

「ですが、お話を聞いていると、こちらの邸宅では大きすぎる可能性が……」

と、ここで昭一郎さんの出した答えに、後藤さんが待ったをかける。

それは、レイちゃんにとっても意外だったようで、「え……?」と、驚いていた。

だけど、これに関しては、後藤さんが正解だろう。

「確かにそうですね。私も初めて招待された時は驚きましたから」

門から家に着くまでで、ひと驚き。

着いたら着いたで、三回くらいは大き目のリアクションをしたと思う。

改めて振り返ってみると、雲上院家に招待されてもドームに招待されるのと大して代わらない驚きがあると言える気がしてきた。

「……マオちゃん。そうだったのですね」

私の言葉を聞き、レイちゃんが神妙な顔つきになる。

「……そうなのか。ならば、専用の家を建てるか」

「旦那様、誕生日まで日がありません。さすがに家を一から建てるのは間に合わないかと」

「くっ、まさか……そんな……!?」

「ど、どうすれば……」

後藤さんの言葉に、昭一郎さんとレイちゃんが大きく動揺し、慌てふためく。

私としては、対策として家を建てるというプランがポンと出てくる方に動揺するよ。

そもそも、そんなに大げさに考える必要は無いのだ。

もっと簡単に解決できる方法があるだろうに。

「あの〜……、家が改築工事中ってことにして、うちでやります?」

「それだ!」

「それです!」

「それですわ!」

私の提案に、三人がほぼ同時に声を上げる。

というわけで、我が家でレイちゃんの誕生日会を開催する事が決まった。

これで、レイちゃんの希望通り、アットホームな感じの会になるだろう。

と思いきや、当日に昭一郎さんや後藤さんが色々持ち込んで、容赦なくグレードアップされてしまったのは別の話。