軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第二部 プロローグ

「クロ、カマキリが、大量発生することなんて、あるの?」

「目の前でいま、起きていると思いますが。ユウト」

「いや、そうだけどさ」

「カマキリは、一つの卵から数百匹の幼虫が生まれます。それがそのまま成虫になったのでしょう」

「そういうもの、なのか。それにしてもさ。やけに攻撃的だよね。なんか鎌もチクチクするし」

早川と一緒にジョゼ三世のオフ会にいって一週間が過ぎた。

オフ会自体は楽しかった。ただ、途中、変な影が見えたり、結局、早川は黒き黒のことについて何もわからなかったが。

そういえばビンゴの後にあったイベントでも、ジョゼ三世の様子もちょっと変だった。早川が会ったときも変だったという事だから、体調があまり良くなかったのかもしれない。

そんなことを考えながら、俺は無心に庭で新聞紙を振るう。

──せっかくの休みなのに、朝から何してるんだろな。

「適当に新聞紙を振るってもだめですよ、ユウト。もっとしっかり狙わないと」

「はーい」

朝起きたら家のなかに何匹もカマキリがいたのだ。びっくりしてすぐに新聞紙ソードで駆除したのだが、ふと庭を見てしまった。

どうも庭で大量発生して、一部が家のなかまで入ってきている様子だった。

このままでは、またすぐに家のなかまで入ってきてしまいそうだったのだ。

「ふぁー」

俺はあくびをして、慎重に狙いを定めて新聞紙を縦横無尽に振るっていく。

カマキリの固さは毎朝のゲジゲジほどではなさそうだ。

しかしちょこまかと動かす鎌が邪魔で狙いが定めづらいのだ。

それでもとりあえず目につく範囲ではカマキリは見えなくなる。

「ようやく終わったー。ふぁー」

「眠そうですね、ユウト」

「ああ、そうなんだよね。ここ一週間、やけに眠くてさ」

「……そうですか」

「さて、朝ごはん作るか」

俺は家のなかへと戻る。

「クロ?」

「いまいきます」

外でじっと佇んでいたクロに声をかける。

そのクロのホログラムの姿は、まるで何か気になることがあって、考え込んでいるようにすら見えた。