軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

狭間

「ここの隙間ね」

地面に四つん這いになって、僅かな亀裂に鼻先を押し込むようにして確認するドーバーナ。その姿は、とても犬っぽかった。

「間違いないわ。この奥よ」

「奥って、いったって……それこそ、超小型ドローンぐらいしか通れなさそうだぞ」

保証するドーバーナに、加藤が唖然としたように答える。それは、本当にドーバーナの鼻先だけでいっぱいになってしまうようなサイズの隙間だった。

「何を言っている。加藤、お前の出番だろうに」

そんな加藤に、呆れたように告げるオボロ。その指が加藤の持つ七武器へと向けられている。

「え、俺か?」

「そうだ。ユウト様の御力の加護にて、時と空間の狭間を穿つその槍と加藤のユニークスキルなら、同じくユウト様の御力によってこうなった元ダンジョンを、一部分くらい崩れる前に擬似的に戻せるだろ?」

当然のように告げるオボロ。

「いやいやいや、そんなこと……出来るのか?

それに、だいたい、継続使用するにはユニークスキルの代償だってあるぜ…… 」

「抜かりはない」

ずっと黙っていたメラニーがボソッと呟く。

その時だった。聞き覚えのある声が一行の後ろから発せられる。

「呼びましたか?」

「うおっ!」

急に背後から声をかけられて、驚き振り返る加藤。

その視線の先には、イケメンモンスターにまたがったイサイサがいた。

イサイサが地面に降り立つと、イケメンモンスター──黄金色に輝く毛皮のレッサーフェンリルはメラニーの影へと入って消えていく。

「いつの間に……」

「こんな近くだ。レッサーフェンリルの足なら秒」

ぶっきらぼうに告げるメラニー。しかし、どこか自慢気だ。短い尻尾がパタパタと左右に振られている。

「それで、私の 博愛(ラブ) が欲しいのは、 空白(スペース) ? 」

「そうだ。ほら、加藤。さっさとしろ」

代わりに返事をするオボロ。そのまま加藤をイサイサの方へと押し出す。

「はーい。またこの前みたいに、いっぱい愛してあげるよ。ほら、ぎゅー」

一度天を仰ぐ加藤。しかし周囲の女性陣からの無言の圧に容易に屈すると、槍を片手に構え、加藤はしぶしぶ反対の手でイサイサを抱き上げるように伸ばすのだった。