軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

おい、なんかすごい力だぞこれは

国王――

オルガント・ディア・アルセウス。

初代剣聖――

ファルアス・マクバ。

二人はしばらく歓談を満喫していたが、その数分後、ファルアスがやや重い表情で言った。

「それで、どうなのですか陛下。進捗のほどは」

よほど親しい関係なのだろう。

国王たるオルガントに対して、ファルアスは臆している様子がない。

「ふむ……いや。厳しい状況と言わざるをえんな」

オルガントは顎髭をさすりながら答える。

「やはり次世代の若者に託すしかないだろう。《転生魔法》はまだ我々には荷が重い」

「そうですか……仕方ないですな」

ふうとため息をつくファルアス。

「とはいえ、託す者を間違えれば世界は破滅に導かれてしまう。この力を受け渡すのは、誠実で強かな者がいいでしょうな」

「そうだな……そのような者が現れればよいが」

オルガントは瞳を閉じると、なにもない空間に向けて呟いた。

「――それでよいな? 女神よ」

その瞬間。

僕の視界は暗転した。

「……あ」

いつの間にか元の場所に戻っていたようだ。

暖かな風。

のどかな虫の鳴き声。

見覚えのあるラスタール村の光景が、視界いっぱいに広がっていた。

戻ってきたようだ。元の世界に。

「なんだったんだ、いまの……」

ただの夢とは思えない。

オルガントもファルアスも、写真で見たのとそっくり。いや――同じだった。

意味がわからない。

なんだったんだいまのは。

――――――

完了。完了。

初代剣聖ファルアス・マクバから剣聖の意思が引き継がれています。

受け取りますか?

――――――

「剣聖の意思……?」

なんだ。

よくわからないが、拒否することもない。僕は思い切って「受け取る」と心中で唱える。

と――

――――――

確認。確認。

淵源(えんげん) 流・一ノ型を習得しました。

――――――

瞬間、ほのかな煌めきが僕を包み込む。

暖かくて、それでいて懐かしいような……

――ああ。これは。

そうか。

これがマクバ流の原点にして最強の流派。

剣聖として名高いマクバ家が、代々からずっと守ってきた誇り高き剣の源……

「…………」

光が失せる頃には、僕は新たな境地に達していた。

いま、僕の身になにが起こったのか。なんとなくそれがわかる気がする。

「…………」

僕は瞳を閉じ。

静かに意識を研ぎ澄まし。

「はっ――――――!」

勢いよく剣を鞘から抜く。

――轟!!

遠くにあったはずの大きな木が、一瞬にして両断された。