軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第94話 暴露

2030年7月21日

0:05……予定より5分寝坊してしまったがしょうがない……魔力枯渇に時間が掛かってしまったのだ。

そしてクラリスがたった今眠りについたっぽい。

俺は起きるとすぐに部屋のリビングに行った。

まず俺たちを尾行してきた3人がどこにいるか確かめる。

1人は俺たちと同じ宿にいる。

まぁこいつは間違いなく俺らにとって無害だろう。

放っておいても構わないか……

残りの2人はというと……どうやら近くにはいないらしい……警戒を解くことは出来ないが無駄にMPを使う訳にもいかない……

俺はいつもやっているランニングをする事を諦め、筋トレに時間を割くことにした。

なんせ6時間もあるのだ。体を虐める時間はたっぷりある。

6:00になると女性陣が次々と起きてきた。

最初に起きてきたのはカレン、次にクラリス、そしてエリーとミーシャが起きてきたのは6:30になった頃だった。

クラリスが朝強いのは知っていたがカレンも強いのか。

そして予想通りエリーとミーシャは朝めっちゃ弱い。

学校に何度も遅刻しそうになっていて2人ともたまに髪の毛が爆発していてコントの博士みたいになっているからな。

そしてみんなで宿屋の朝食を食べる。

朝食はビュッフェスタイルだ。

俺は3食のうち朝食を一番食べるのでありがたかった。

クラリスとカレンもしっかりと食べているが……エリーとミーシャはフルーツに少し手が伸びる程度だった。

朝食を食べて出発する前に俺はある部屋に向かった。

俺を尾行していた奴の部屋だ。

俺がドアを軽くノックするとそいつはドアの前まで来て扉を開けるかどうか悩んでいるようだった。

「ダメーズさん。僕からのクエスト受けてくれませんか?」

俺がそう言うと、観念したように扉を開けた。

「ど、どうした?……」

「サーシャさんに尾行を頼まれたと思うのですが、それはそのままで構いません。僕からのクエストはダメーズさんの他にあと2人、 僕たちを尾行している人間がいるかもしれないのです。もしその2人を確認出来たら、少し気に留めておいてください。できれば顔や体型も覚えておいて欲しいですが、相手の素性が分からないので危険は冒さないでください」

俺はそう言ってダメーズに金貨5枚を渡す。しかしダメーズは俺の金貨を受け取らない。だから俺は

「今日から1日100kmから150km進むと思います。徒歩だと絶対に追い付けないと思いますので、ダメーズさんも馬を借りた方がいいと思いますよ。また僕たちの馬は相当優秀ですから休憩はあまりとりません。ダメーズさんは何度か街で馬を変える必要があると思います」

俺がそう言うとダメーズは俺の金貨を受け取り

「分かった。そのクエスト受けよう」

と言った。

「今日は8時に出発します。明日からは声をかけませんのであしからず」

俺はそう言ってから部屋に戻ってから出発の準備を整えた。

8:00になり俺たちは次の街を目指す。

今日も相変わらず順調なのだが……魔物が多かった。というかリーガン周辺があまりにも少ないのだ。さすがリーガン公爵、リーガン騎士団と言ったところか。

コボルトの群れを俺がウィンドカッターで何回か倒していると馬車の中からカレンとミーシャが俺の所までやってきた。

「この辺って魔物が結構出るはずなんだけど……もしかしてマルスが倒していたりするの?……」

カレンが不思議そうに聞いてきたので

「あぁ。多少は俺が倒しているよ」

「どうやって? 剣を抜いていないと思うけど?」

「じゃあ、2人とも少しここに居てごらん。昨日、話をしたように俺の力の一片を見せるよ」

しばらく走るとミーシャが

「なんかさ? 涼しくない? もう8月近いのに……馬車の中はクラリスが魔道具で冷やしてくれているから分かるけどここまで涼しいのおかしくない? 馬も汗かいてないし……」

「それも魔物が出た時、一緒に説明するよ」

するとコボルトの大きい群れが500mくらい先にいるのが分かった。

今度はコボルトリーダーもいるようだ。

まぁコボルト自体一般人でも倒せるかもしれないクラスの敵だからな。

脅威度Fのコボルトリーダーだと一般人では倒せないと思うが……

「100匹はいるわよ! こんな大きな群れ初めて見たわ。いくらなんでもこれをマルス1人で倒すのは時間が掛かってこっちも被害を受けるかもしれないから、加勢するわよ!」

カレンがそう言うと、馬車のワゴンの上から

「カレン待って。マルス1人で充分よ」

という声がした。振り返るとクラリスとエリーがワゴンの上に立っていた。

ただ下から見上げる形で立っているクラリスとエリーを見上げるわけで……ピンクと黄色の素晴らしい光景が俺の目をくぎ付けにした。

俺の視線に気づいたクラリスが顔を真っ赤にして

「どこ見てんのよ!」

どっかで聞いたフレーズを言った。

そう言えば紅蓮と模擬戦をしたとき好きなだけ見せてくれるって言っていたような? するとエリーが

「……マルス変態……でもマルス好き……好きなだけ……」

そう言ってエリーが見せつけるようにしてくる。

そう言えばエリーはいつもスカートの下は短パンという御坂スタイルなのに今日は短パンを履いていない。

「エリー今日短パンは履かないのか?」

「……他の男にサービスする必要ない……クラリスとは違う……」

ああそう言う事か……まぁこの発言でいつものように2人は喧嘩するんだけどね。

「ちょっと! マルス! マルスの変態性は良く分かったからこれどうするの!?」

とミーシャが俺に言ってきた。

「よし、じゃあ見ててくれ」

俺は100mくらいまでに迫ってきたコボルトの群れに向かってトルネードを放った。ウィンドカッターを仕込む必要はないのでMPの節約バージョンだ。

急に俺たちの目の前に現れた大きい 竜巻(トルネード) にカレンとミーシャがびっくりしている。

まぁ無詠唱でトルネードを発現させたからびっくりして当然だろう。

竜巻がコボルトの群れを飲み込むのにそう時間はかからなかった。

何匹か取りこぼしたが、そこはウィンドカッターで倒した。

100匹のコボルトをほんの1分くらいで倒し終わるとカレンが

「な、何よこれ? これマルスがやったの?」

「今の魔法……お母さんと同じくらいの威力?」

俺は頷き説明をした。

「俺、昔は魔法使いだったんだ。一番不遇と言われている風魔法使い。今も実は剣術レベルよりも風魔法のレベルの方が高いんだ。剣術レベルは8、風魔法のレベルは9。そして風魔法のレベルが8になって【風王】の称号を得た。これが6歳の時で、この風王の称号、元はサーシャさんの物らしい。

この件は一部の人しか知らない。家族以外ではリーガン公爵とサーシャさんだけだ。あ、ライナー先生とブラム先生も俺が風魔法使いという事は知っている。これをカレンとミーシャに教えたという意味を分かって欲しい。そして俺が隠しているのはこれだけではないから、また今度機会があったら教えるよ」

2人は信じられないという顔をしている。

「今言った話は全て本当よ。少し前に隠し通路を発見した時、お義兄様が隊列を組んだでしょ? あれが私たち4人で迷宮に潜っていた時の隊列なのよ。先頭はエリー、次にお義兄様、そして私、最後尾にマルス。この隊列は一番後ろからでも攻撃手段があるからマルスを一番後ろに置くという事でもあるのよ」

エリーもそれに頷く。

カレンは複雑な表情をしてワゴンの中に入っていった。

カレンの胸中は、魔法は私の方が上だと思っていたのにという所か?

ミーシャはというとどうやら昔の俺とキュルス戦を思い出したようだ。

「そういえば、4年前キュルス先生と戦った時、マルスはウィンドカッターを無詠唱で使っていたような……当時はそんなに凄い事って思っていなかったから忘れていたけど、今考えると無詠唱という事も凄いけど剣戟の最中、動きながら魔法を使うというのも信じられない……」

ミーシャはそう言うと俺に抱き着いてからワゴンの中に戻った。

クラリスとエリーもミーシャの後をついていく。

少し刺激が強かったかな?神聖魔法の事を言うのはやめた方がいいかな?

その日は130km進んだ街に泊まった。

昨日と同じようにお風呂に入ってからご飯を食べてから部屋に戻った。

もうこの時になるとカレンの混乱も収まったらしい。

「それにしてもマルスって本当に何なの? 剣聖にして魔法使いって……どうしたらそうなるのよ?」

「うーん。バロンもそうだよね?」

「バロンはどっちかと言うと剣士ね。私の魅了眼が効くし、簡易鑑定も出来るもの。マルスって魅了眼も効かないし簡易鑑定も出来ないじゃない? 何か対策でもしてるの?」

「俺に魔眼の類は一切効かないらしい。リーガン公爵の魔眼も効かないから間違いないと思う。だから魔眼による簡易鑑定は出来ないけど鑑定水晶では鑑定できる。でもこの偽装の腕輪でステータスやスキルを隠しているんだけどね」

俺が偽装の腕輪を見せるとカレンが納得したようで

「あーそう言う事ね。偽装なんて普通する必要がないからその腕輪は婚約指輪のようなものだと思っていたわ……マルスレベルいくつなの? 50とかいってるの?」

「信じてもらえないかもしれないけど……」

俺がそう言うとミーシャが

「60? 70? もしかして100?」

と言ってきたので、素直に

「20なんだ。俺はレベルが上がりにくい呪いがあるらしくて……多分もう脅威度D以下の魔物をいくら倒したところでレベルは上がらないんだと思う。ただしステータスの伸びはかなりいいほうだと思う」

カレンは冗談と思っているようで

「20って……私よりも低いじゃない。まぁまだ秘密という事ね。あともしかしてマルスは水魔法も使えるんじゃない? 外にいるときマルスの周りだけ凄い涼しいから……そうでしょ?」

「ああ。その通りだ。昼間は俺と馬の周辺を水魔法と風魔法で冷やしている。だから馬もバテずに走ってくれているんだ」

クラリスが時計を見て

「もう21:00だからマルス寝て。私たちも0:00に寝るから。あとは私とエリーでマルスの答えられるところは教えておくから」

「分かった。ありがとう。明日からもし弱い魔物が出るようだったらミーシャに倒してもらおうと思っているんだ。もちろんフォローはするから、ミーシャいいかい?」

ミーシャが頷いてくれたので

「おやすみなさい。また明日」

と言って俺は一足先にベッドに向かった。