軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第78話 完全優勝

まさかクロの奴が負けるなんて……完全に予想外だ……クラリスと言う股間クラッシャーは本当に強かった。

ただあれは武器があまりにも強かっただけだろう。

親父もうまいことやってあの大将の金髪色男に剣を使わせないと認めさせたから俺の勝ちは盤石だ。

それにしてもあの金髪はエリーとどういう仲なんだ? 頭を抱き寄せたりしやがって……絶対に苦しませてから殺してやる……

☆☆☆

「さて、皆さんお待たせ致しました。これより我らがリスター帝国学校とセレアンス王立学校の大将戦を始めます!」

観客のボルテージは最高潮だ。

「セレアンス王立学校大将は現セレアンス公爵の嫡男で最大の強敵ブラッド・レオ!」

会場から色々なものが投げ込まれて大ブーイングだ。

「皆さん物を投げ込まないでください!」

必死にウグイス嬢が止めるが全く止まる気配がない。

結局観客たちの投げる物が無くなるまで待つことにしたらしい。

「そしてリスター帝国学校の大将は……えっ! これ凄いじゃん!」

なぜかウグイス嬢がカンペを見てテンションを上げた。

「我らがリスター帝国学校最強の男! グレンの弟! そして序列1位マルス・ブライアント!!!!!」

あーアイクの弟ってことが凄いってことね。

すると会場からマルスコールとグレンコールが起こった。

出場もしていないのにグレンコールってどんだけ人気者なんだよ……

当然セレアンス王国学校側も慌てる。

アイクが1年の時の新入生闘技大会を知っているからであろう。

あの時もアイクが圧勝していたって言っていたしな。

俺とブラッドが正対する。

するとブラッドが俺に質問してきた。

「エリーとの関係は?」

「俺に勝ったら教えるよ。まぁ分かると思うけどね」

俺は改めてブラッドを鑑定した。

【名前】ブラッド・レオ

【称号】-

【身分】獣人族(獅子族)・セレアンス公爵家嫡男

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】21

【HP】68/68

【MP】20/20

【筋力】33

【敏捷】30

【魔力】10

【器用】5

【耐久】36

【運】1

【特殊能力】斧術(Lv3/D)

【特殊能力】体術(Lv5/B)

【特殊能力】土魔法(Lv1/G)

うん。バロンと同じくらいだが、スキルや魔力の差でバロンに軍配。

まぁ強いが、そんなに注意する事もないな。

あとは罠とかに気を付ければ大丈夫かな。

「始め!」

こうして俺とブラッドの残忍なショータイムが始まった。

まずブラッドが俺に突進してきて爪を立てて俺を殴りに来ると、俺はウィンドカッターでブラッドの爪を全て斬り飛ばした。

最初1発は食らってもいいかなと思ったけど、麻痺毒が塗ってあったのだ。

相変わらず汚いことをする……

ブラッドはいつ自分の爪が斬られたか、どうやって斬られたか分かっていない。

今度は俺に掴みかかってきて歯というか鋭い牙で俺を噛もうとしてくる。

俺はブラッドの全ての歯をウィンドカッターで斬り飛ばす。

ちなみに牙は口の中に残る様にした。

ブラッドは俺を噛めると思ったのか思いっきり噛んできたが、俺は寸前の所でバックステップをして躱した。

ブラッドの口の中は自分の牙を思いっきり噛んで血だらけになっている。

ブラッドはこの時点で自分の武器が全て無くなってしまった。

もう力任せに俺を殴ったり蹴ったりするしかないのである。

しかもなぜ自分の爪や牙が無くなったか分からないのである。

当然俺を攻撃する手が止まる。

リーガン公爵は驚いたように俺を見ている。

クラリスやエリー、そして俺の血縁関係者以外では恐らくリーガン公爵だけは俺が何をしたか分かっているだろう。

ブラッドは混乱しながら俺に殴りかかってくるが、今度はそれを俺が迎え撃つ。

ブラッドが右手で殴ってくると俺はその拳をめがけて殴る。

会場中にブラッドの拳が 折(・) れ(・) る(・) 音が響いた。

拳だけではなく腕の骨まで折れたようだ。

力任せに殴ると拳を砕いてしまうのでギリギリの加減で折ったつもりなのだが、少し強すぎたらしくて右腕まで折ってしまった。

拳は多少砕けてしまったかもしれないが、自然回復できるレベルだとは思う……

当然俺は 風纏衣(シルフィード) を纏っている。

流石に 風纏衣(シルフィード) を纏わなければ、俺も骨折してしまうからね。

今度は左手で殴ってきたので俺も左手でブラッドの拳に合わせた。

またもやブラッドの拳が折れる音が会場中に響くとついにブラッドが

「ぐわぁぁぁぁ!!!!!」

と膝を折った。

俺は降参を勧めたがブラッドはまだ向かってきた。

今度は足で蹴ってきたのだ。

拳と同じように足で迎撃するともうブラッドの手足で折れていないのは左足だけとなってしまっていた。

もう満足に立つこともできない。

会場中がまさかの出来事に固唾をのんでいる。

人間が素手で獣人をいたぶっているのだ。

それも圧倒的な力で……

俺はウグイス嬢の方を見る。

もう勝負あったよねっていう顔で。

それでもブラッドが参ったと言わないので、試合は続行される。

正直ドミニクがやられた時は絶対に許さないと思ったが、結果的にドミニクは後遺症が残っていない。

しかしセレアンス王立学校側は1人が火傷で再起不能。

1人が脳に後遺症が残るかもしれないレベルの気絶。

そして1人が男としての人生を終えている。

完全にこっちがやり過ぎているのだ。

そして本当の決着はエリーにつけさせたいと思っている。

俺は対獣人で主役ではなく脇役でいいと思っているし、今後の獣人との付き合い方を考えるのであれば、やり過ぎは良くない。

俺はセレアンス公爵の方を見ると、セレアンス公爵は今でも信じられないという顔をしている。

俺がセレアンス公爵に一言

「もっとご子息をいたぶった方がいいですか? それともここで降参しますか? これ以上攻撃するとご子息は必ず後遺症を残します。そして僕へのリベンジのチャンスはなくなりますよ。どうかご英断をお願い致します」

セレアンス公爵は戸惑いの色を隠せない。

そしてまたブラッドが叫び声をあげながら俺に向かって来ようとする。

「うおおおぉぉぉ!!!」

ただ叫び声だけで、寝そべって俺の所に一生懸命折れてない腕とまともな左足で這って来ようとしている。

「もしもブラッドが僕の所まで来たら今度は左足を斬り飛ばします。それでもまだ降参しないのであれば、僕は1本ずつ手足を斬り飛ばしますが? ブラッドの命は全て父であるセレアンス公爵。あなたにかかっているのですよ?」

するとセレアンス公爵は諦めたようで、大きな声で

「我々の負けを認めよう!」

こうして俺たちリスター帝国学校の優勝が決まったと同時にリスター連合国の分裂は防がれた。

あれ? 俺はバルクス王国の人間だからリスター連合国は分裂したほうが良かった?

「勝者! 武聖マルス・ブライアント! これにて武術の部はリスター帝国学校の優勝! そして魔法の部もリスター帝国学校の優勝! 総合優勝もリスター帝国学校の優勝で完全優勝となります!」

「剣聖よ。あとで話がある。1人で我の所に来い」

セレアンス公爵はそう言ってブラッドの元へ向かった。

俺は武聖コールとマルスコールの中右手を突き出すと地響きのような歓声が起こった。

観客が狂喜乱舞してジャンプしまくり稲葉ジャンプ状態となっている。

その歓声と共にクラリスとエリーが抱きついてきて他のメンバーたちも俺を中心にして喜びを爆発させた。

医務室から自力でドミニクも来ており、ドミニクの無事を知った観客がそれを見てさらに騒ぎ出した。

ひとしきり騒いだ後俺は、1人でセレアンス王立学校の控室に行くと、周囲にいる獣人たちが俺に敵意を剥き出しにしている。

「セレアンス公爵に呼ばれてきたのですが……」

「ふっ。まさかここに単身で乗り込んでくるとは……お前はよっぽどのバカなのか?」

セレアンス公爵は俺の周りを獣人で固めて俺の目の前に立った。

「どうでしょうか? もしもここで何かあっても絶対に逃げ切れる自信だけはありますが? それに僕は1人で来たつもりでしたが、ついてきた者が何名か居るようで……」

すると後ろからリーガン公爵が現れた。

「私の尾行に気づくのね……」

「ええ、ついでにサーシャさんにも気づいていますよ。去年の年末に嫌と言うほど浴びた視線ですから。体が勝手に覚えております」

するとサーシャも出てきて

「やはり、マルス君を尾行するのは無理でしたね。公爵」

「で何の用ですか? セレアンス公爵?」

「ふん。本当は貴様を殺したかったんだがな、さすがにリーガン公爵相手ではこちらも厳しいからな。それにサーシャまでいるとは……では剣聖に質問だ。お前の望みはなんだ? もしもエリーが欲しいのであれば俺が力を貸してやっても構わんぞ?」

絶対にセレアンス公爵は俺を殺す気なんてなかったな……

セレアンス公爵の言葉を聞いてサーシャの後ろからエリーが出てきた。

思わずセレアンス公爵が後ずさり、他の獣人たちもたじろいだ。

やはり獣人の中でも金獅子は特別なのだ。

「……私はマルスの婚約者。私はマルスの物。マルスも私の物……」

「ちょっと、マルスは私の物です!」

クラリスもエリーも一緒に来てしまったようだ。

まぁ俺はちゃんと1人で来たよ? 尾行とかあえて撒いていないけどね。

それに俺は物扱いでいいけどクラリスとエリーの事は決して物扱いしないからね。

セレアンス公爵はびっくりしながら

「エリー……お前その男と結婚するのか? 兄上は反対をしなかったのか?」

「……パパがマルスに私を頼むって……」

セレアンス公爵が怒りか何かの感情をこめて呟いていた。

「親人族派の兄上と言えどもまさか人間風情に愛娘を頼むだと……それほどの人間という事か……こいつは……」

急にセレアンス公爵が俺の方を向いて話しかけてきた。

「剣聖よ、貴様はリスター連合国の者ではないな……そう言えばアイクの弟って言っていたな……バルクス王国の者か?」

「ええ。そうですが」

するとセレアンス公爵が大笑いをして

「こいつは傑作だな。リーガン卿よ! リスター帝国学校はいつからバルクス王国の物になったんだ? 4年のアイクもバルクス王国で今の1年生もバルクス王国。もうリスター帝国学校はバルクス王国の物になるのではないか? おい剣聖よ! もう一度聞く。お前の望みはなんだ?」

そう言えばそんな事聞かれていたな。

「望みですか……クラリスやエリーと幸せになる。まぁ家族の幸せですね。後は努力が出来る環境があればいいかなと。努力するものは何でもいいんです」

「それは嘘だな。そんな事だけでそれだけ強くなれる訳が無かろう。きっとお前の心の中はもっとどす黒い何かがあるはずだ……」

えっそんな事言ったって……なんかあったっけ? そう思っているとエリーが

「……ハーレムパーティ?……」

「俺が望んだわけではないんだけど……」

するとセレアンス公爵が食いついてきて

「お前ら2人以外にもいるのか? 誰だ?」

「……ミーシャ……カレン……」

「サーシャの娘とフレスバルドの娘か!」

「まぁ婚約しているのはクラリスとエリーだけですので……」

俺がそう言うとサーシャが突然

「ミーシャもカレンちゃんも多分マルス君の婚約者になると思うわよ……」

この言葉には俺だけでなく、クラリスとエリーも驚いた。