軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第28話 剣聖と聖女

俺たちは2層へ向かわず、いったん帰ることにした。

予想外にゴブリンの数が多くHPは減っていないものの、クラリスに疲れが見られたからだ。

迷宮から出たのはお昼を少し過ぎたころだった。

迷宮から出てクラリスの家に帰る前に俺たちは 迷宮飽和(ラビリンス) で怪我をしている人たちがいる診療所へ向かった。

クラリスのMPを効率よく使うためにけがをしている冒険者や騎士団、住民たちを治すのだ。

当然傷が深いものから治していく。まぁ致命傷の人たちは昨日のうちに俺が少し治しておいたんだけどね。

MPが一桁になると「また今度来ます」と言って家に帰る。

それを見たグランザムに住む人達は聖女様だと言い出した。

クラリスの家について身を清めてから遅い昼食を取った後MPを枯渇させて俺たちは寝た。

もちろん俺もダンジョンから帰ってくる時から無駄に 風纏衣(シルフィード) を展開していた。MP枯渇はしっかりしないとね。

夕方ごろに起きた俺はグランザムの街を散歩していた。

住民たちからも声をかけてもらったり、少しだけ世間話とかもしたりした。

ダメーズ男爵は廃爵になる可能性があるという。

まぁ住民の目の前であんな凶行をしちゃだめだよな。

武器屋も見てみた。

迷宮飽和(ラビリンス) が起きて武器はすっかりなくなってしまい、嬉しい悲鳴だという。

インゴットとかあれば高く買い取ってくれると言っていたので、湧き部屋に行けるようになったらと思ったりもした。

道具屋もポーションが無いから高価買取すると言っていた。

グランザムからイルグシアに戻るまでの路銀を考えるとお金はいくらあってもいい。

だが、俺がインゴットや回復薬を納品することによってバルクス王国にとっては不利なことになる。考えものだ。

完全に日が落ちたので、ランパード家に戻り、魔法の練習をしているとクラリスが起きてきた。

俺は夕方に起きてから何も食べてないので、クラリスと一緒に夜ご飯を食べた。

「母さん、もう一食分私とマルスの分作っておいてくれる?これからまた迷宮に潜るから」

「え? もう遅いわよ? 明日にしなさい」

「迷宮に朝も夜も関係ないわ。マルスがいるうちに何とかしないといけないのだからお願い」

「分かったわ。気を付けて行ってくるのよ。マルス君、クラリスをお願いね」

俺は頷くと支度をしてから迷宮に向かった。

迷宮に入るとゴブリンの数が少しだけ減った気がする。まぁイルグシア迷宮よりは多いのだが。

余裕をもって1層の大部屋まで来ると2層へ潜る。

イルグシア迷宮であれば余裕だと思うのだが、ここはグランザム迷宮だから油断は出来ない。クラリスも同行しているからなおさらだ。

やはり2層も構造はイルグシア迷宮と同じらしく、安全地帯までの道順は一緒であった。

また出てくる敵もホブゴブリンとゴブリンメイジだけとなっていた。

2層もかなり渋滞していた。気持ち悪いくらいだ。

パワーレベリングしながら何部屋か過ぎると部屋の入り口が白く光っている部屋があった。

ようやく安全地帯に着いた。

安全地帯に着くと俺たちは隣同士に座って話をした。

「クラリスもう少し頑張れるかい?」

「えぇ。もう少し頑張るわ」

「じゃあ少し休んでから次の部屋に行こう、次の部屋にはおそらくゴブリンジェネラルがいるからその部屋を攻略してから帰ろう」

「分かったわ。少し休むわね」

クラリスはそういうと俺の肩に頭を寄せてきてすぐに寝た。

30分くらいでクラリスが起きたので早速次の部屋に向かう。

そしてやはりゴブリンジェネラルがいた。3体もだ。

イルグシア迷宮より確実にハードだな。ゴブリンジェネラル以外にもホブゴブリンが10体いる。やることは変わらないんだけどね。俺はゴブリン全員を気絶させてクラリスが素早く止めを刺す。

クラリスが止めを刺すと案の定宝箱が部屋の隅にあった。

宝箱を鑑定すると

【名前】宝箱

【特殊】罠(矢)-

【価値】3

【詳細】何が入っているか分からない。出現率、中に何が入っているかは【運】によって変わる

クラリスに罠がある事を伝えると昔ジークに教えてもらったように宝箱を後ろから開けた。

【名前】 魔法の弓矢(マジックアロー)

【攻撃】-

【特殊】魔力+1 俊敏+1

【価値】B+

【詳細】魔力で作った矢を放てる弓。使用者の魔法適性により様々な属性の矢を放てる。弓自体には風魔法が 付与(エンチャント) されているので非常に軽い。

矢を持ち歩かなくてもいい弓なんて絶対にクラリスに向いた装備だ!

相変わらず俺の運は自分には作用しないのが悲しいが……

クラリスは自分の装備だけが豪華になっていくのに後ろめたい気持ちがあるようで複雑な表情を浮かべている。

「私の装備ばっかり出て……私に冒険者にでもなれって言ってるのかしら?」

あ、そっちか。装備とか今必要なだけであって、普通に考えればいらないのか。

取るもの取ったし俺たちは迷宮から帰還した。

迷宮を出たらもう何時か分からないくらい、暗くなっていた。

もう閉まっているかもしれないが診療所へ向かった。

診療所の明かりはついていた。診療所に顔を出すとけが人たちが大いに喜んだ。

聖女様が来てくれたと大騒ぎだ。

俺が剣聖様と呼ばれている気持ちが少しは分かってくれたであろう。

苦笑いをしながらまたMPが枯渇寸前になりまた今度来ますと告げて帰った。

それにしてもクラリスのレベルアップは早いな。

昨日まで1だったのにもう6だ。湧き部屋に行くまでそう時間は掛からなそうだ。

【名前】クラリス・ランパード

【称号】-

【身分】人族・平民

【状態】良好

【年齢】6歳

【レベル】6

【HP】16/16

【MP】1/134

【筋力】9

【敏捷】10

【魔力】11

【器用】9

【耐久】8

【運】20

【固有能力】結界魔法(Lv0/A)

【特殊能力】剣術(Lv2/C)

【特殊能力】弓術(Lv0/B)

【特殊能力】神聖魔法(Lv2/A)

神聖魔法がレベル2に上がっている。

このステータスで冒険者にならないのであれば、クラリスは将来何になりたいのだろうか?

そんなことを思いながらランパード家に戻って身を清めてからご飯を食べ、MP枯渇させて寝ることにした。