軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第173話 フレスバルド

2031年4月1日

俺とバロンはひたすら大工仕事をしていた。

街門と街壁の改修が終わると次は燃えてしまった家を石で作り直したりとなかなか戦闘に参加できなかった。

ちなみにこんな事をしていたから俺が魔法を使えるという事をヒスだけでなくこの街の冒険者、住民のほとんどが知る事となった。一生懸命隠そうとした意味よ……

多分エルハガンの住民からは俺とバロンは便利な大工さんだと思われているかもしれない。

俺たちが大工仕事をしている間、他のメンバーは西門から出てゴブリン達を毎日倒している。

この1週間弱で確実に1万匹以上は倒しているだろう。ゴブリンたちの魔石が山盛りに積まれている。それでもまだエルハガンの街の北東にはかなりの数のゴブリンがいる。

ほぼエルハガンでの大工仕事も終わり俺とバロンが宿に戻るとちょうど俺とバロン以外の8名も宿に戻ってきた。

「マルス。後でこの前のフレスバルド家の事話そうと思うのだけど?」

カレンが俺にそう言ってきたので、

「分かった。じゃあ風呂に入ってからでいいか? 2人っきりの方が話しやすいか?」

「そうね。お風呂に入ってご飯を食べている時でもいいわよ。別に2人っきりじゃなくてもいいわよ? フレスバルド家の事はリスター連合国の貴族なら知っている話だと思うから……」

「分かった。じゃあ食事の時に頼む」

以前カレンに教えてあげると言われており、気にはなっていたのだが、俺の方から教えてなんて言えなかったから、今日までずっと俺はカレンから話してくれるのを待っていた。風呂に入り食事をしているとカレンがみんなの前で話し始めた。

「バロンとミネルバ……もしかしたらエリーも知っているかもしれないけどフレスバルド家の事を話すわね」

カレンがそう言うとみんなカレンの話に耳を傾けた。

「大前提としてフレスバルド公爵家には長男と長女しかいないわ。今のフレスバルド公爵家でなるべくわかりやすく例えるけど、上手く説明ができなかったらごめんなさい。

お父様にとって最初に生まれた男の子はスザクお兄様ではないのよ。そしてその時お父様の爵位は侯爵。男の子が生まれたら、最初に生まれた男の子が10歳になるまでの間に出来た子の中で一番優秀な者がフレスバルド侯爵家長男として認められるの。女の子が生まれた場合も一緒よ。

ちなみに私はスザクお兄様が何番目に出来た子供か知らないわ。なぜならフレスバルド侯爵は優秀な世継ぎを生むために何人……何十人もの女性と関係をもつの。そして一番優秀な男の子を産んだ女性と結婚する。

世間ではやり放題とか言っているらしいけど、スザクお兄様は本当に悩んでいたわ……この決まりのせいでスザクお兄様は好きな女性を正妻に迎えることが出来なかったの。あの時のスザクお兄様は本当に塞ぎ込んでいたわ。

だけど正妻に迎えられた女性に罪はないと言ってかなり無理をしていたのが印象的で……

そして長男……スザクお兄様が15歳になるとスザクお兄様は父の侯爵の爵位を譲り受け、フレスバルド侯爵家嫡男からフレスバルド侯爵家当主に変わるの。

そして父はおじい様から公爵を譲り受けておじい様は別の爵位となるの。ここまでは大丈夫?」

……スザクは俺どころじゃないレベルのハーレムを形成したという事か。俺が頷くとクラリスがカレンに対して

「世継ぎを産めなかったお母さんたちはどうなるの? フレスバルド侯爵家としても子供を認知してもらえないんでしょ?」

「……まず子供の方から説明するわね。例えばお兄様に10人子供が生まれたとして侯爵家として残るのは1人。そして残りの9人は15歳になるとフレスバルド準男爵家当主となるのよ……

この世にフレスバルド準男爵家当主の肩書を持つ者は100名以上いるらしいわ……それでもフレスバルド家には子供がまだ足りないと嘆いているの……準男爵家当主は色々な所に代官として派遣されたり、他の貴族とのパイプ役になったりしているのよ。

いい例がメサリウス伯爵家ね。メサリウス伯爵家がフレスバルド公爵家に助けを求めたじゃない? その見返りは大きいのよ……フレスバルド準男爵が代官として派遣されて実権や利益をフレスバルド公爵家にどんどん吸収されるわ。こういう上級貴族はメサリウス伯爵だけではないわ。

だけど準男爵がしっかり教育されないと代官として役に立たない。だからしっかり教育をするのだけれど、教育には母が必要だから、世継ぎを産めなかった母たちもしっかりとフレスバルド公爵家、侯爵家で面倒を見るわ。

だから子供を産むと食べることに困ったり、貧困で困るという事は無いわね……それどころかそこらの上級貴族よりもいい生活ができているかもしれないわね……」

ちょっと疑問があったのでカレンに質問した。

「フレスバルド家ってそんなにいっぱい準男爵位を持っているのか?」

俺が聞くとカレンが

「あら? フレスバルド公爵領の爵位なんだから公爵がいかようにもできるわ。それにリスター連合国の準男爵位は買えるのよ?」

そう言えばどこかの国……イギリスだったかな? 男爵位が買えるとかって聞いたことがあるような……

「分かった。ありがとう。続けてくれ」

俺がそう言うとカレンが続けた。

「本来長男と長女しかいないはずのフレスバルド公爵家に次男、次女を認知するには条件があるの……まぁそれは簡単に言うと優秀という事なんだけど……私の場合は魔眼持ちというのが決定的だったらしいわ。

魔力と火魔法適正も高かったけどそれだけでは次女として認められないらしいわ。知っていると思うけど魅了眼は魔眼の中では希少なのよ?」

へぇ……リーガン公爵も魅了眼だからそんな感じしなかったけど……

「あとはね、もっと細かい事も色々あるのよ……次女の方から世継ぎが生まれる事もあるわ……それも優秀な場合だけなんだけど……だからもしも……もしもの話よ? 私とマルスが結婚したとして子供が出来た場合……子供が優秀だったらフレスバルド公爵にだってなれるのよ」

カレンがもじもじしながら俺の方を見ながら言う。

うーん……カレンと子供を作ったとしても俺は自分の子供をフレスバルド公爵にしたくはないな……他にも疑問は沢山あった。

だがこれ以上聞いてもカレンのことには結びつかないだろうから、聞くのはやめておいた。俺はカレンの事を知りたいだけであって、べつにフレスバルド家の事情を聞きたいとは思わないからね。

「ありがとう。カレン。スザク様やカレンの苦労が少しは分かった」

俺がそう言うとカレンは少しほっとしたような表情だった。今度は俺がみんなに話をした。

「話が変わるけど聞いてくれ。今日でエルハガンの街の改修が大体終わった。明日から俺とバロンも本格的に街の外に出てゴブリン掃討に参加しようと思う。アリスとソフィアも脅威度Eの魔物相手ではもうレベルが上がらなそうだし、なるべく早く殲滅しよう」

アリスはレベル20でストップしており、ソフィアに関しては変わらずの23のままだった。

【名前】アリス・キャロル

【称号】-

【身分】人族・平民

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】20

【HP】41/41

【MP】75/75

【筋力】26

【敏捷】33

【魔力】28

【器用】30

【耐久】25

【運】20

【特殊能力】細剣術(Lv6/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv3/C)

【装備】聖銀のレイピア

【装備】身躱しの服

アリスはしっかりと成長していた。レベル30くらいになると安心して脅威度Cクラスの敵を任せることが出来るだろう。

【名前】ソフィア・キャロル

【称号】-

【身分】人族・平民

【状態】良好

【年齢】13歳

【レベル】23

【HP】45/45

【MP】102/102

【筋力】20

【敏捷】28

【魔力】25

【器用】58

【耐久】17

【運】5

【特殊能力】魔眼(LvMax)

【特殊能力】短剣術(Lv2/E)

【特殊能力】剣術(Lv1/F)

【特殊能力】細剣術(Lv1/F)

【特殊能力】鞭術(Lv3/C)

【特殊能力】鎖術(Lv2/D)

【特殊能力】火魔法(Lv2/D)

【特殊能力】水魔法(Lv1/E)

【特殊能力】土魔法(Lv1/E)

【特殊能力】風魔法(Lv2/D)

【装備】銀の短剣

【装備】炎の鞭

【装備】シルバーチェーン

【装備】身躱しの服

この特殊能力の量とレベルのわりに異常に高い器用値……ソフィアはこのほかにも他の特殊能力を持っている。

戦闘に関係がないから省かせてもらったが錬金術や話術という物があった。

話術という特殊能力は何だろうと思って鑑定するとレベルが上がるにつれて自分の話を信じ込ませることが出来るという。使い所を間違えれば大変なことになりそうな特殊能力を持っていた。詐欺師にだけはならないで欲しいところだが……

あと俺のステータスも上がっていた。

【名前】マルス・ブライアント

【称号】雷神/風王/聖者/ゴブリン虐殺者

【身分】人族・ブライアント伯爵家次男

【状態】良好

【年齢】11歳

【レベル】41

【HP】105/105

【MP】8069/8069

【筋力】99

【敏捷】98

【魔力】115

【器用】97

【耐久】93

【運】30

【固有能力】天賦(LvMAX)

【固有能力】天眼(Lv10)

【固有能力】雷魔法(Lv9/S)

【特殊能力】剣術(Lv9/A)

【特殊能力】火魔法(Lv5/D)

【特殊能力】水魔法(Lv5/D)

【特殊能力】土魔法(Lv6/C)

【特殊能力】風魔法(Lv10/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv8/A)

【装備】雷鳴剣

【装備】 火精霊の剣(サラマンダーソード)

【装備】鳴神の法衣

【装備】偽装の腕輪

まぁ予想していたように土魔法がレベル6になり才能がCとなった。胸を張って土魔法使いとして言えるな。現にこの街の住民や冒険者は俺のことを剣聖ではなく土魔法使いと認識しているらしい。そういえば烈火騎士団の人には水魔法使いと思われていたな……

ある時は剣聖、ある時は風魔法使い、そしてまたある時は土魔法使い……しかしてその正体は……

最後にバロンのステータスだが

【名前】バロン・ラインハルト

【称号】-

【身分】人族・ラインハルト伯爵家嫡男

【状態】良好

【年齢】11歳

【レベル】30

【HP】65/65

【MP】304/304

【筋力】44

【敏捷】40

【魔力】44

【器用】45

【耐久】40

【運】1

【特殊能力】剣術(Lv7/B)

【特殊能力】火魔法(Lv3/D)

【特殊能力】水魔法(Lv3/D)

【特殊能力】土魔法(Lv7/C)

【特殊能力】風魔法(Lv3/D)

【装備】 土精霊の剣(ノームソード)

【装備】 土精霊の鎧(ノームアーマー)

バロンも土魔法のレベルが上がっていた。もう少しすればB級冒険者と言えるくらいにはなるだろう。

食事もそこそこにし、俺たちは明日に備えて早く寝ることにした。