軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第158話 家族

2031年1月10日 6時

昨日の激戦のせいでMP枯渇させても3時間で起きられなかったらしい。

ウピアル戦の時は枯渇させて寝なかったから泥のように寝ていたが、今回はしっかりとMP枯渇させて寝たのにだ……

今俺は2人にがっしりとロックされている。

どういうことかと言うとまず俺の右腕はクラリスに抱き抱えられ、パフパフされて喜んでいる。左腕もエリーにパフパフされて喜んでいる。そして一番喜んでいるのは腕ではなかった。

右足もクラリスの両足で挟まれており左足はエリーの両足だ。2人の生足に挟まれた俺の両脚は歓喜の雄たけびを上げている。

だがこれに不満を漏らすものがいた。相棒だ。俺だけ構ってもらっていないぞと思いっきりアピールしているが、残念ながらお前は人気がないようだ……南無……

少しするとクラリスが起きて俺の耳元で可愛く「おはよう」と言ってきてエリーのように首筋にキスをしてきた。足を絡ませているためいつもよりクラリスもエリーもベッドの少し下で寝ていた。

クラリスは俺の足のロックを解くといつもとは違うキスをしてきた。大人のキスだ……俺 は(・) 31年間で初めてだった。

「さて、朝食を用意するからエリーを起こして」

何事もなかったかのようにクラリスは俺から見えないところに行き、着替えたりしてから朝食の準備をし始めた。俺はしばらくクラリスの余韻を感じていた。

「マルス。大丈夫? もしかしたらまだ昨日のダメージが抜けてない?」

俺がぼーっとしているとクラリスが何もしない俺に対して心配そうに聞いてきた。

「いや、そんなことないよ……さっきの幸せだったなぁって……」

俺が言うとクラリスが顔を赤く染めて朝食づくりに戻った。エリーを起こすとエリーはなかなか俺から離れようとしなかった。

エリーはマルス、マルス、マルスと壊れたおもちゃみたいにずっと俺のことを繰り返し呼びながら俺の頬や首にキスをずっとしてきた。

10分くらいでようやく落ち着いてきたので俺とエリーは別々に着替えてクラリスの朝食を頂くことにした。

「マルス。昨日のボス部屋どうやって切り抜けたの? 流石にマルスでもダメかと思っちゃった……」

クラリスが最初は普通の調子で聞いてきたのだが、最後は涙声になって最終的には泣いていた。エリーもその様子を見てむせび泣く。

「ああ……そんな大したことなかったよ……どうやら最初のオーガたちだけ強くて2回目に出現したオーガはそこまで強くなかったんだ。最初のオーガは45歳。2度目のオーガは0歳だったから……ね……?」

あまり心配させるのはよくないと思った。オーガの年齢の話は本当だが、過去一番きつい戦い……本当に死ぬかもしれないとあそこまで思ったのは初めてだった。

脅威度Bの敵相手にこんなんじゃA級冒険者になれるわけないよな……だが俺は昨日の戦いで確実に強くなっていた。

【名前】マルス・ブライアント

【称号】雷神/風王/聖者/ゴブリン虐殺者

【身分】人族・ブライアント伯爵家次男

【状態】良好

【年齢】11歳

【レベル】41

【HP】105/105

【MP】8018/8018

【筋力】98

【敏捷】97

【魔力】114

【器用】93

【耐久】93

【運】30

【固有能力】天賦(LvMAX)

【固有能力】天眼(Lv10)

【固有能力】雷魔法(Lv9/S)

【特殊能力】剣術(Lv9/A)

【特殊能力】火魔法(Lv5/D)

【特殊能力】水魔法(Lv5)D

【特殊能力】土魔法(Lv5/D)

【特殊能力】風魔法(Lv10/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv8/A)

【装備】雷鳴剣

【装備】 火精霊の剣(サラマンダーソード)

【装備】鳴神の法衣

【装備】偽装の腕輪

ついに雷魔法がレベル9に……才能Sの成長はとても早かった。まぁ俺のステータスはいいとして2人は少し落ち着いたようで

「昨日のエリーの取り乱し様をマルスに見てもらいたかったわ」

「……ごめんなさい……マルス……死んだと思った……」

やっぱりそうだったか……なんでボス部屋の外に血痕があるのだろうとは思っていたが……あれはエリーが壁を殴ったりしたのであろう……壁にも血痕があったし。

「まぁなんともなかったから良かったじゃないか……凄いものが4つも手に入ったんだし……」

「まぁ……そうね……だけど心配なの……無理はしないでね」

クラリスが俺に身を寄せるとエリーも俺の肩に頭を乗っける。

「その4つの性能教えて」

クラリスが聞いてきたので順番に教えた。まずは光る剣。実はこれが一番よくわからない……

【名前】神託の剣

【特殊】-

【価値】-

【詳細】装備不可。選ばれたものしか使えない。1つだけ願いが叶う。

なんだこれ? 剣なのに攻撃力もないし装備できないって……どうやって使うかも分からない……これを説明するとクラリスもエリーも首をひねるだけだった。

だけど絶対に価値は高いと思う。ブライアント家の家宝にでもしようかな……

【名前】カルンウェナン

【攻撃】12

【特殊】敏捷+2 器用+2

【価値】A

【詳細】魔剣の1つ。MPを消費して陰に潜むことが出来る。

これは攻防一体となった素晴らしい短剣だ。エリーに渡すとエリーは嬉しそうに「ありがとう。大切にする」と涙を拭きながら言った。

だがエリーにはもう短剣が2本もある。どちらかの装備を外すか?と聞くと 風の短剣(シルフダガー) は俺にミスリル銀の短剣はクラリスからもらった大切なものだから使うと言った。エリーは俺とクラリスが上げた物はいつも大事にしている。

次は2回目のオーガたちと戦った時の通常宝箱から出たものだ。

【名前】雷のアミュレット

【特殊】魔力+2

【価値】B

【詳細】雷耐性大幅UP。感電無効。

これもエリーに渡そうと決めていた。なんせクラリスはもともと雷魔法効かないからね。そしてクラリスと同じくらい俺の側にいることが多いからだ。

このペンダント式の金色に光るアミュレットをエリーにかけてあげるとエリーはさっきのカルンウェナンよりも大喜びをした。だがその後に

「私だけ……? クラリスのは……? 私だけ……ずるい……」

クラリスに気を使っているのか急に声のトーンが下がった。この言葉を聞いたクラリスが

「エリーそんな事ないわよ。この2つはどう考えてもエリーが装備したほうがいいに決まっているもの。そんなことで嫉妬しないからもっと喜んで」

クラリスの言葉を聞くとやっとエリーに天使の笑顔が戻る。

最後に大本命の白銀宝箱から出てきたずっと光っている物なのだが……神託の剣よりも光り輝いている。

【名前】オリハルコン

【特殊】-

【価値】-

【詳細】神の祝福を受けた金属。どんな魔法でも 付与(エンチャント) でき、どんな形にでもなるが、オリハルコンで作られた装備は最初の装備者のみしか装備が出来ない。また絶対にオリハルコンで作られたものは壊れないし劣化しない。

これ……説明文だけ見ると凄いのだが……実際は10グラムくらいの非常に小さいインゴッド……? だった。まぁ昨日寝る前にこれを鑑定し、その時すでに作る物は決めていたんだけどね。

「オリハルコンって凄そうだけど……もっと集めないと装備1つすら作れないわね……」

クラリスが首をかしげながら言う。

「そうだね。このオリハルコン貰っていいかな?」

俺が2人に聞くと2人とも「「もちろん」」と声を揃えて言ってくれた。少しゆっくりしてから俺たちは地上に戻ることした。

2層に戻ると途中でジーク、アイク、眼鏡っ子先輩、黒い三狼星の6人と会った。どうやら俺たちが初日以来2層に魔石を置いていなかったことを心配して6人で3層まで行こうとしていたらしい。

「申し訳ございませんでした、お父様。4層の敵があまりにも手ごわかったので魔石を2層に置いておくことを失念しておりました。ですが、4層の魔物の魔石は全て取っております。ボス部屋の魔石は残念ながら持って帰る事は出来ませんでしたが……」

俺たちの姿を確認でき安心したのかジークは

「本当に心配したんだぞ……後でマリアにも謝っておきなさい。マルスだけではないぞ? クラリスもエリーもだ。お前たちはもう家族同然なんだからな」

ジークの温かい言葉にクラリスとエリーも頭を下げた。特にエリーはジークの言葉が心に染みたらしい。目に涙を浮かべていた。

帰る時にアイクが俺に4層の事を聞いてきた。俺はオーガの事を事細かく伝えると

「俺とエーデがついて行っても大丈夫か?」

アイクの問いにクラリスが

「もしもマルスにお義姉さんのおっぱいを揉まれてもいいという覚悟があれば一緒についてきてもいいのではないでしょうか?」

茶目っ気たっぷりに言った。クラリス……それはボス部屋の話だろ……この言葉に眼鏡っ子先輩が食いついてきた。

「え? 何々? 戦闘中にそんなロマンティックなことするの?」

ロマンティックって……クラリスと眼鏡っ子先輩がガールズトークに花を咲かせ始めた。そこに一言二言エリーが付け加え3人の世界に入っていく。

「それにしてもお前たちがいるとこの凶悪なアルメリア迷宮の2層がそこら辺の原っぱのような感覚になるな」

ジークが言うとアイクも

「そうですね。そのマルスが苦戦したというアルメリア迷宮のボス部屋の話をゆっくり聞きましょう」

男は男でボス部屋の話で盛り上がる。ちなみに黒い三狼星は俺たちが4層で倒したオーガ達の魔石を担いでいる。

何日かぶりに地上の空気を吸った。3層の安全地帯でゆっくりしすぎたせいかもう19時になる。家の前まで着くと門番と一緒にマリアがカインを抱きかかえながら俺たちの帰りを待っていた。

リーナは? と思ったがそう思った瞬間に俺に飛びついてきた。目からは涙が溢れていた。リーナにも心配をかけたのか……

カインは俺を見ると少し不機嫌そうな顔をしたが、エリーの顔と顔の少し下の方を見ると嬉々とした表情を浮かべていた。こいつは将来絶対にいい女性を捕まえるだろうな。

本当は明日アルメリアを出発するつもりだったが、明後日出発することにしよう。もう少しこの最高の家族と一緒の時間を過ごしたい。