軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

44.暗黒夜を終えて

「大変お世話になりましたわ! DPザクザク感謝ですの!」

「あとはマレビトダンジョンを手に入れるだけ!」

「それが一番の難関なのでは?」

「それな~」

硝子連合のみんなは、まだ見ぬマレビトダンジョンを求めて月夜に怪しくなりそうなところを探すのを日課にしているらしい。なかなか大変そう。

ティアラさんとも会えたので、『宝硝子』などを買い取らせてもらった。『 宝硝子(ビジュー) 』から『魔宝石』に錬金術で出来ることについて教えると特にナマナマさんが興味津々で聞いていた。

「やっぱり完全自作ってのが憧れるよなぁ!」

「天然物だとどうしても素材に引っ張られるところがありますからな」

人形製作を目指しているナマナマさんとバンザイさんにとっては良い技術みたいだ。

「『魔道工』には猫あんまり興味なかったんだけど、今回でちょっと気になってきたから、検討してみるにゃん~」

「もし取るようなら、依頼させてくださいませね! 魔宝石にはわたくしも興味ありますもの」

魔宝石はアクセサリーにもなるもんね。ティアラさんの硝子細工な魔宝石アクセサリー、楽しみだな!

「や~~売れた売れた~」

「倉庫が片付いて大変ありがたいイベントっした!」

「DPもめっちゃごちそうさまでした!」

晴れやかで嬉しそうなのは農家神官のユミーさんとタスクさん。倉庫の最低品質野菜がだいぶ片付いたと晴れやかだ。

「在庫一斉放出とまではいかなかったけど、しばらくタンスは買わなくてよさそうよ。ありがとうね!」

「野菜があって助かったって料理人さんたちもいってたにゃんよ~、よかったにゃん!」

あやうく肉だけになるところやったわ、てヤマビコさん言ってたもんね。

「ノーカや神父はそんなに出してなかったみたいだけど、よかったのか?」

「アーみんもあんまり出してなかったよね?」

アーみんはアルミハクさんのことかな? 水を向けられた3人は顔を見合わせる。

「孤児院で渡してきましたから」

「あれ、言うことにしたんだ」

「え? どゆこと??」

「孤児院に寄付できますよ、最低品質野菜。みんな知ってると思ってました」

「知らないが!?!?」

ノーカさんが言うと、ユミーさんがアルミハクさんに詰め寄る。

「ノーカはともかくアーみんは知ってたよね!?」

「や~数に限りがあると困りますし。フッ、自由都市の孤児はワシが育てた!」

「キリッ!じゃねえんだよ!!」

「そんな抜け道があるなんてーー!!」

ちなみにキリッ!はアクションで、決め顔をしながら顔の下で親指と人差し指を立てると星が出るやつ。

騒いでたのが伝播して、アベルさんやノーカさんが周りの農家神官さんたちにヤイノヤイノと責められていた。にぎやかだなあ。

「この度は…、いえこの度も、大変お世話になりました」

相変わらずめちゃくちゃ丁寧なご挨拶なのは裁縫師互助会のヘレナさん。着ぐるみだけど、物腰で中身がわかるというもの。

今回は大蛇の着ぐるみ。……干支? 干支だからなの?

足が横からはみ出ないためにか、かなりもっちりわがままボディな蛇だ。ボリューミー。

「なにも出来ていないのにこんなにDPいただいてしまってよかったのでしょうか…」

「CVCに目覚めそう…!」

「気の迷いにもほどがあるぅ…!」

着ぐるみたちがワチャワチャしているのは大変メルヘンで面白い。ここだけ絵面がアルテザ!

それにしても着ぐるみがくまさんとか可愛いラインナップだったらファンシーだったのに、どうしてみんな恐竜とか蛇とか爬虫類ラインナップなんだ。

「少しでも強そうに見せたくて…!」

「武装だったにゃん!?」

なんてことを話していたら次々着ぐるみが猫にチェンジしていく不思議。替えの着ぐるみがある…だと…!?

「初めての……いや二度目のレイド?とっても楽しかったですにゃん~」

「また誘ってくれると嬉しいです…にゃん!」

モジモジする猫着ぐるみたちは大変可愛いもの。中身が誰か全然わからないけど、たぶん脱いでもわからないから問題なし! だって中身と会ったことある人ほとんどいないもの…。互助会シャイすぎるのよ。

「ロニさんの調子はいかがです? その後ふるえる以外はしました!?」

「ロニは相変わらずふるえてるにゃんよ~」

怪獣の着ぐるみだけどショーユラさんはわかりやすい。背が高いんだよねこの人も。あとテンションも高い。

「やっぱり人形にするには月夜一周するのが最低条件なのかなってことで、ぼくたちはまだまだかかりそうです。しかし待つのもまた制作の醍醐味…! 何のぬいぐるみを作ろうかワクワクしちゃいますね!」

「さすが前向きにゃん~」

「ぼくは前にしか進めない生き物ですからね! ポジティブ・モンスターとはぼくのこと!」

「怪物になってるにゃん!?」

ショーユラさんたち人形連合は、まずはロニのようにふるえるぬいぐるみからチャレンジしようということで各種ぬいぐるみと『思う心』を準備しているところらしい。うまく行ってロニに仲間が出来るといいね。

「誘ってくれてありがとうございました!」

「こちらこそ来てくれてありがとうにゃん~!」

着ぐるみを脱いだペチカちゃんである。後ろでは上腕二頭筋を見せつけるピピちゃんと、やる気の無さそうに欠伸するペペちゃんが佇んでいる。相変わらず個性的!

「シークレットクエストもごちそうさまでした。なんだか横から掠めてしまったようで申し訳ないです」

「にゃん~、ペチカちゃんの妖精召喚のおかげもあってアライアンス3位だったと思うにゃんよ~、こちらこそごちそうさまにゃん!」

猫は残念ながら見れてないけど、効果を鑑みるに『花散らし』は大金星だったと思うのだ。なにせSSR(たぶん)だったしね!

ペチカちゃんは裁縫師の修行をそろそろ終えてアルテザを出ようかと思っているらしい。でもホームはアルテザにするんだって。半生産裁縫・魔法師としてやっていくようだ。ポジティブ・モンスターという前身がいるので目指すところがわかりやすくていいね。

「とんでもないことに巻き込まれたニャン~!」

「にゃふふん」

猫とアライアンスだったばかりに巻き込んでしまったケータくんはちょっとご立腹…、でもないな、まんざらでもないお顔。ツンデレだから素直にありがとうって言えないんですねわかります。

「サクラさんとも再会できてよかったにゃん?」

「バッ、べっ、別に再会したいとか、おも……、思ってたけどいま関係ねーし! ニャン!」

「おかげさまでレイド楽しかったにゃん~、ありがとうにゃん!」

「こっちこそありがとうだっ、ニャン!」

最近もしかしてケータくんはそういう芸風なのでは?疑惑がある。あまりにもロールプレイ上手すぎて悩ましいところ。

どっちなんだケータくん…!

「そうだ、これ、忘れずに持ってけニャ」

「にゃん?」

渡されたのはお金。にゃん??

「薬の報酬、山分けするって話だったニャン?」

「すっかり忘れてたにゃん!」

「忘れるんじゃないニャン!」

そういえば材料費計算するとややこしいからって全部投げてお任せしたんでした。

それから、もしあったら買っておいてほしいと頼んでおいたデバフ弾もちゃんと買っておいてくれた。

こちらは、猫も多めに買っておいて余ってる『目眩弾』と交換。『凍結弾』だ。デバフとしては『寒気』が発生し、対象によっては『麻痺』『怯み』も出るやつ。なかなか有用でありがたい。

他にも「呼んでくれないなんてひどいです!」とモルタさんに絡まれたり(フーテンさんたちとセット感覚になっちゃってて抜けただけで忘れたわけじゃないよ!)、サクラさんやシノノメさんはじめ野次馬テイマーさんに絡まれたり。

ゼンジさんとはチョウチョの卵をテイムした話をして、放し飼いにちょうどいい花畑の情報をもらったりした。ありがたや~。

ボンさんからもお礼を言われた。いつぞやの宝石入り岩石、結構当たりだったらしい。「これやる」と『きれいな卵の殻』をもらった。これは噂の虚無ドロップ…!

「猫、そういうの好きそう」とのことでありがたくいただいた。錬金術的に何かありそうで嬉しいし、何もなくてもこういうの好き。

セルバンテス(執事)さんとも会いたかったんだけど、ちょっと急ぎの用があるとのことで会えなかったのが残念だ。

『自由都市でお会いしましょう』とのことだったので、しばらくは自由都市にいるみたいだ。また面白露店やるのかな。それはちょっと楽しみ。

運送神官のジェノンさんからは「猫ちゃんは運送神官向いとるで! 絶対向いとる!」と走り去り際に太鼓判を押された。出発が早い…!

運送神官、悩んじゃうよね。『光魔法』…属性変換……くぅ!

「猫ちゃんもおつかれ~」

「おつかれさまにゃん~!」

あちこち再会とまたねの挨拶をしてたらフーテンさんたちとも合流。さっきぶり。

「おかげさまでDP儲けた、ありがとうな」

「ランちゃんはさすがスコッパーね!」

「今回見つけたのは猫じゃないにゃんよ~」

アルテザのときだって発見はペチカちゃんだったし、今回はケータくんだ。猫は拡散しただけ!

なのでスコッパーというほど掘ってるわけじゃないと思うのだ。

「ランの拡散力というか友情パワーも馬鹿にならへんで」

「他力本願パワーにゃんね~!」

他力本願なら任せろにゃん!

「ランもそろそろLV30か。早いね」

「低LVの内はレベルアップもあっという間にゃん~」

猫、そんなにいうほど戦闘はしてないんだけど、折に触れてレイドとかイベント参加してるのでその報酬経験値がわりと馬鹿にならないんだよね。

特にLV関係ない無差別レイドは経験値報酬が破格なのだ。

そういうのもあって、シズクちゃん――魔子族の初心者錬金術師ちゃんは誘ったけど来なかったみたい。「すごく行きたいけどまだ初心者でいたいの!」とのことだった。わかる~。

「学園都市のメインストーリーやることがあったら誘ってねえ~」

「メインストーリーにゃん?」

「途中で終わって、次が出てないんだよ。長らく止まってるから、こっちの条件が満ちてないんじゃないかって言われてる」

「にゃあ、猫はまだ自由都市のお使いクエストも終わってないにゃんよ~」

「そうだったの!? お使いクエストはもう終えてると思ってたわ」

そうだったんです。オシャレ番長の後からはじめないとね。

お使いクエストで済ませずにメインストーリーで行くとしたら、幽霊のところからだから長そうだ。というかオシャレ番長現在、まだお使いクエストが幽霊に辿り着いてないんだけどね!

お使いクエストはアイテムとお金さえ揃えればサクサク進められるはずなので、今度腰を据えて挑みたいところ。