軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

569回目 ロミオルとジュリエナ

ベルトール王国の第二王女『ジュリエナ=ベルニウム=ベルトール』。元・ベルニウム王国の第二王女で今年で二十歳になる女性は、数年前にベルニウム王国から分裂して独立したベルセイム公国に想い人がいた。

ベルセイム公国第三王子『ロミオル=ベルセイム』。元・ベルニウム王国の軍務大臣の三男で、当時の二人は婚約者だった。

運命の悪戯で国ごと仲を引き裂かれた二人は、今でも互いを想い合っており、なんとか伝手を使って年に数回の手紙のやり取りをしていた。

だが、王家の人間としての義務は、互いに二人を追い詰めていき、二人はそれぞれ別の者と望まぬ婚約をさせられていた。

ジュリエナは国の資金的な問題から、自分よりも三十も年上の商人の後妻として、ロミオルは彼の父が戦力目当てに仕組んだ政略結婚で、ドトールン王国の王の妹と、それぞれが婚約をしている。

最近では、二人とも近々結婚を控えており、互いを想い合う気持ちを諦めていた。

しかし、そこに『世界の危機』と言う転機が訪れた。

ロミオルは剣士としても優秀だった為に『レナスティア』へ送られる戦力の一人となり、もし世界が滅びるのであれば、その時はロミオルと一緒に居たいと願うジュリエナは、一般人に紛れて志願兵として『レナスティア』へとやって来たのだ。

「……………………と、俺が調べた所ではこんな感じだな。なんだか二人があまりにも健気でよ。少しばかり力を貸してやりたくなちまったんだな、これが」

などと半分冗談めかしたラグラフだが、それが照れ隠しである事は集められた仲間全員が解っていた。

そして、こんな話を聞いてしまえば手を貸したくなるのはラグラフだけではない。ティアナやシエラ、カーネリアなどの女性陣は特にだ。こんな恋愛物語、女性は大好物だろう。

正直俺も、ロミオルとジュリエナと言う登場人物の名前も相まって『ロミオとジュリエット』を思い浮かべてしまっている。ジュリエット側がロミオを迎えに来てる形ではあるが、何とかして二人をくっ付けてあげたいと思う。

「ラグラフさん。ジュリエナってお姫様は、装備用の素材関係の部署にいるのね?」

ティアナからの質問に、ラグラフは頷いてから答えた。

「おう。エルフとマーメイドが暮らすそれぞれの浮島から集めた素材を加工する部署にいる。かなり真面目に働いているって聞いてるぜ。仕事が終わると街に出てロミオルを探しているらしいが、会えていねぇな」

それを聞いて、今度はアレスから質問が飛ぶ。

「ロミオルの方は訓練ですよね? そもそも本島の方にいるのですか?」

「本島と浮島と移動はしているな。だが基本は『軍務の浮島』に居るんだよな。いくら会わせたいってもよ、そいつ一人だけ俺が連れ出すってのも躊躇われたから、俺もまだ動いてねぇんだ」

そもそも、この二人を会わせてその仲を取り持ってやりたい気持ちはあるが、政略的なものとは言っても、二人に婚約者がいる現状ではすんなりと恋人にもなれない。

かと言って二人の婚約を解消させるなんて事、やって良いものだろうか? 普通に内政干渉だよな、これって? …………いや、今までやって来た事を考えると今更だな。色んな国に干渉してきてるし。

「想い合う二人が政治の道具として引き裂かれるのは、貴族の世界では確かに良くある事です。でも、世界が変わろうとしている今、そして世界が滅びの危機にある今、政治なんてちっぽけな物でしかありません!! 私は、そのお二人に出来る限りの力を貸したいと思います!!」

「賛成します! 愛とは尊いものです。互いに想い合っているのなら、それが引き裂かれるのは間違っています!! この様な時だからこそ、尚のこと!!」

「この後に及んで政略結婚なんて意味がないわよ。世界が変わって、全ての陸地が空を飛ぶのだもの、国同士の事情だって変わっていくわ! まずは二人に関わっている三国から締め上げるわよ! 二人の望まない婚約を解消させるの!」

ティアナが宣言し、シエラとカーネリアが賛同し、それは仲間達にも広がっていった。

何だかどんどん話が大きくなっている気がする。でもまぁ、俺だってその二人が結ばれて幸せになるのであれば、それが一番だとは思う。

「よし解った! なら俺も協力を…………」

「「「ガモン(様)はダメよ(です)!!」」」

…………俺も協力を申し出ようとしたら、凄い勢いで拒否られた。かなりショックなんですけど!?

「え? なんで…………?」

「ガモンの仕事はガチャを回す事でしょ? そのアイテム次第で『方舟』との戦いが楽になるかも知れないし、世界の安定にだって繋がるんだから」

「ガモン様の気持ちは分かりますが、こちらは私達に任せて下さい」

「そうよ。国の政治にも関わっている問題だもの、婚約を解消させるのだって時間掛かるんだから。ガモンにそんな事をしている暇なんてないでしょ?」

「えぇーーーー……………………」

いや、反論できない程にその通りなんだけども。何か仲間外れにされている感が半端ないんですけど。

でもまぁ、こればっかりはしょうがないので、俺は何かあったら進展だけでも聞かせてくれと仲間に頼んで、またガチャを回す日々に戻った。

……………………ちょっと寂しい。