軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

380回目 ☆5『機動鎧『トライフォース』』

ラグラフ王国である要塞の城壁部分には、何ヵ所か開けた場所がある。いまそこに、全長五メートルくらいの、ちょっとコミカルに見えるずんぐりとしたデザインのロボットが、立っていた。

☆5『機動鎧『トライフォース』』。白と濃紺を基調としたこのカッコイイロボットは、これでも鎧である。

鎧である以上、他に装備を付けていては乗れない。アクセサリー装備以外は全て外したジャージ姿で、俺は今『トライフォース』の前に立っている。

え? 何でパイロットスーツじゃなくてジャージなんだって? 売ってるの見た事あるか? パイロットスーツ。そんなもん持って無いんだよ。いや、正確には似たようなのあったけど、アニメキャラのコスプレに近い潜水服だ。そんなもん着てロボットに乗れないだろ。動きやすいのが一番だ。

「えっと、どう乗るんだこれ? うおっ!? 開いた!! …………コクピット? ああ、ここが足場か? …………よっと」

俺の乗る意思が伝わったのか、『トライフォース』の胸の部分が上に向かってパッカリと開いた。そしてそれと同時に『トライフォース』が膝を立てて座った事で足場が出来たので、俺はコクピットへと乗り込んだ。

この『トライフォース』のコクピットには、操作の為のレバーやペダルは無い。浅く腰掛ける椅子があり、両腕と両脚はそれぞれ横と足元に空いている穴に入れるのだ。

そして『トライフォース』のコクピットが閉まると、上からヘッドセットが降りてきて、俺の目元から上を完全に覆った。

(チチチ…………キュィーーン…………)

何かが機動する音と共に、俺の手足が優しく締めつけられ、視界が『トライフォース』の目線と同期すると共に、手足どころか身体全体が『トライフォース』そのものとなった感覚があった。

『おおっ、なるほどこれは凄いな』

声まで『トライフォース』からの発声になっている。手も完全にロボットの指なのに、しっかりと思い通りに動く。不便な所は強いて言えば、この視線の高さに慣れてない事か。

「おうおうガモン。少し見ねぇ間にずいぶんとデカくなったな? 原因は食い過ぎか?」

『太った訳じゃないだろ。見送りか? ラグラフ』

「おうよ。間違っても油断して死なねぇように釘を刺すつもりだったが、こりゃ心配要らなそうだな。何があっても死にそうにねぇ姿だ。だから普通に見送らせて貰うぜ。頼んだぜ! ガモン!!」

『任せておけ! 来い! 機動武装『ホーク』!!』

俺が手を上に上げて叫ぶと、上空に赤い魔方陣が浮かんで弾け、その欠片が集まって真っ赤な姿の機械で出来た鳥が出現した。

その機械の鳥こと『機動武装『ホーク』』は、要塞の周囲を大きく回って来ると、早速その身体をバラバラに弾け飛ばせ、それは次々と『トライフォース』の各部位へと装着されていった。

当然『ホーク』なのだから、背中には外側は赤くて内側が白い翼が存在感を示している。

機動武装『ホーク』は飛行能力とスピード重視。そう、この武装は空も飛べるのだ!

『じゃあ行くぞ! 『ロックジャイアント』を倒してもここには戻らないからな? 皆によろしく伝えてくれ!!』

そう言ってラグラフにサムズアップをして、俺は空へと飛び立った。

『うぉぉぉぉっ。!!??』

初めての飛行にバランスが崩れてしまうが、それと同時に頭の中には『トライフォース』でのバランスの取り方や飛行についての技術が流れ込んできた。

『おおっ!? …………これはあれか! 『トライフォース』の…………なるほど! 解った!!』

空中で飛び方を学習し、俺は森とスタンピードの群れを下に見ながら飛び越して、少し開けた場所に着地した。

既に『◇キャンピングカー』はスキル倉庫に仕舞ってあるのでドローンの姿は無いが、近くに身体を弾丸に貫かれて死んでいるモンスターの死骸があるので、ここはドローン達がモンスターを殲滅した場所なのだろう。

『さてと、お次はっと。…………来い! 機動武装『レオ』!!』

俺が次の機動武装を呼ぶと、俺の前方にまるで壁の様な黄色い魔方陣が出現して弾け飛び、その欠片が集まって機械仕掛けの黄色いライオン、『レオ』の姿を取った。

そして『ホーク』が身体から離れて赤い粒子になって消えると、今度は『レオ』が俺に飛び掛かる様に跳躍して分解し、『トライフォース』の全面にライオンの顔を持ち、両腕には鋭い爪を折り畳んだ鎧が装着された。

機動武装『レオ』はパワー重視の姿だ。俺はこの姿でやりたいこと後がある。

そんな俺に、おもむろにスキル倉庫から出されたのは、☆5『神罰の鎖』だ。

そう、俺はこの鎖を使って『ロックジャイアント』をスタンピードから引き剥がし、倒してしまうつもりなのだ。

『目標は『ロックジャイアント』だ! 頼むぞ、『神罰の鎖』!!』

俺は影も形も見えない『ロックジャイアント』を封じる事をイメージして、『神罰の鎖』を投げた!

すると同時に、俺の腰から下が突然現れた鎖に絡め取られ、微動だにしなくなった。

…………☆5『神罰の鎖』を使う者は、代償としてその場を動けなくなる。…………だったな。

『ん!? …………掛かった!!』

俺が持つ鎖りに確かな手応えを感じ、『ロックジャイアント』が鎖に掛かった事を確信した俺は、その鎖を一気に引き上げた!

岩の巨人『ロックジャイアント』! 一本釣りだぜ!!