軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

353回目 情報が足りない

「どうしろってんだコレ!? 八体の魔王なのかも書いてなければ、そいつらが何処に集まろうとしてるのかも書いてねぇ!! しかも集まって『幻獣』に成るってなんだ!? そんなの初めて聞いたぞ!!」

「落ち着いてくださいガモン様!! まずは深呼吸を! それから内容を教えてください!!」

「ぐっ、…………スゥーー、ハァァーーーー」

シエラに言われた通りに深呼吸で少し気分を落ち着かせた俺は、二人に緊急クエストの内容を伝えた。そのあまりの内容に青い顔をして絶句していたシエラとアレスだったが、やはりと言うか、今回の報酬には声を上げて驚いた。

「「☆5のクラッシュレアチケット!?」」

「ああ。つまりそれを報酬にしても釣り合う難易度って事だろう。…………いや、釣り合うのかコレ?」

いくら☆5のクラッシュレアが報酬って言っても、何が出て来るかは運任せだからな。いや、☆5のクラッシュレアならハズレは無いだろうけどな。

「しかし、内容を聞いてガモン殿が荒れていた理由が解りましたよ。確かにこれは、情報が少な過ぎて何から手をつけて良いのか分かりませんね」

「だろ? これじゃ情報が足りな過ぎるんだよ」

「情報はどうにか集めるしかありませんね。ですが、まずはこの緊急クエストの内容を広く共有するのが先ではないですか?」

確かにシエラの言う通りだ。

と言う訳で、まずはカーネリアとエルドルデを『フレンド・チャット』で呼び出して緊急クエストの事を伝える事にした。ニッカとダッカとの別れについては取り敢えず保留である。なぜなら、この里に拠点を作る事にしたからだ。

「何よその事態は…………!?」

「…………本当よ! なんで急にそんな事になるのよ?」

「いや、俺に言われても困るんだけど。まぁそんな訳で、まずは大ババ様の所に行って拠点を作らせて貰おう。その後はすぐに帰るぞ。取り敢えず皆と相談したい」

「そうね私もそれがいいと思うわ」

「…………なんじゃそれは!? 八体の魔王が復活!? それに『幻獣』じゃと!? そんなもんが現れたら、瘴気で大変な事になるではないか!!」

「はい。なので白狐族の里にも協力をお願いします。ここに拠点を作らせて欲しいんです」

「フム、迅速な移動と妾達の協力を得る為かの。まあ、お主らは白狐族の恩人ゆえ、協力は惜しまぬよ。その拠点とやらを作るがよい。逆に我が子らの避難にも使えそうじゃしの」

「助かります」

これでノータイムで帰る事ができる、俺は白狐族の協力の元、里の一部を軽く掘って平らにならすと、そこに☆4『コンテナハウス』を設置した。

そしてさっそく拠点として登録し、『拠点ポータル』を使うと、王都『ジョネイブ』の拠点へと移動し、『緊急事態・ジョネイブ』と『フレンド・チャット』でクランメンバーへと一斉送信を行った。

これは俺のクラン『G・マイスター』で取り決めをしていた合図だ。これで来れる奴は指定した場所に全員集まる筈だ。

実際、これを見たクランメンバーはすぐに集まって来た。拠点に居なくて時間が掛かる奴からはチャットで連絡が来たので、そいつらが集まるまでの間に、俺はドゥルクとアルジャーノンに声をかけ、女神ヴァティーの所へと向かい、今回の『緊急クエスト』について説明をした。

「なるほど、儂らを呼ぶ訳じゃな」

『八体の魔王に『幻獣』じゃと? 魔王が集まると幻獣に成るなど聞いた事もないぞ?』

「そうですね。魔王と言う存在を調べた事もありますが、あれは擬似的な肉体しか持っていない精神生命体みたいなものです。言わば魔力の塊。それが集まったところで『幻獣』になど成れるとは思えませんがね。それこそ、神に近しい力でも…………」

そこまで話して黙り混むアルジャーノン。突如様子が変わったアルジャーノンに、俺達も何となく黙ったままアルジャーノンを見ていると、アルジャーノンはガバッと顔を上げて走り出した!

「ちょっと確かめて来ます!!」

「…………なんだ? アルジャーノンは何処に行ったんだ?」

『フム。…………外じゃな。ガモンよ、ちょっとアルジャーノンの様子を見てきてくれぬか? 妾はドゥルクと情報を集める事をしておくでの』

「そうじゃな。ガモン、『ワールドニュース・クラシック』を置いて行け」

「わかった!」

ドゥルクに☆5『ワールドニュース・クラシック』を渡してヴァティーに外への扉を出して貰って外に出ると、まだ真っ昼間だと言うのに、アルジャーノンが天体望遠鏡を出していた。

「アルジャーノン、急にどうしたんだ?」

「…………確かめたい事があったのですが、明る過ぎて確かめる事が出来ませんでした。僕はここで、夜になるのを待ちます」

その場でずっと立って待ってそうなアルジャーノンの横に、俺は『スキル倉庫』から椅子と毛布を出して進めた。

ヴァティーの洞窟周辺は、まだ雪が積もってはいないが、十分に寒いのだ。何も無しに待っていたら完全に風邪をひく。…………アルジャーノンが風邪なんてひくのか知らないけど。

「ありがとうございます」

「なぁアルジャーノン。ちなみに何を見に来たんだ? やっぱ『方舟』か?」

「いえ。でもまだ確信はないので教えられません。ヘタに間違った情報を与える訳にもいきませんので」

「…………そうか。わかった」

アルジャーノンは何かに気づき、それは『方舟』に関する事なのだろう。俺はアルジャーノンの事を信じる事に決めて、ヴァティーの部屋へと引き返した。