軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

34回目 魔物の情報

「うぅーー…………。パチパチするぅーー」

「これ大人の飲み物? こんなの初めて飲んだ」

「うぁーー…………。うぅーー、おいしい…………」

生まれて初めて経験する炭酸に、子供達が戸惑っている。しかし、美味しいとは思っているらしく、チビチビと飲み続けていた。

「ガモン、これって炭酸ってやつだろ?」

「え、知ってんの!? …………マジかー、この世界には無いかと思ってたのに」

俺が子供達に出したのは☆3のアイテムとして出てきた『コーラ』である。しかもキンキンに冷えてるヤツだ。

2リットルのでかいペットボトルのヤツが二本、それを前に生活ガチャで出していたガラスのコップに入れて出してやったのだ。

一応、炭酸が苦手な子もいるだろうから少しずつにしておいたが、子供達は割りと気に入ったようなので、おかわりを注いでやった。

しかし、ティムがコーラを知っているとは予想外。異世界にも存在してるのか、コーラって。

「あんのかよコーラ。じゃあ、もしかして、街で売ってたりするのか?」

「いや違う。僕が知っているのは、これじゃなくて炭酸飲料ってヤツだよ。確か、ワインに真珠を入れると出来るヤツだろ? 物凄い贅沢品だよ、僕も噂に聞いただけで飲むのは初めてさ」

ぜんぜん違った。何だよその謎の飲み物。ワインに真珠なんか…………。いや待てよ? そういやクレオパトラだかが、そうやって炭酸飲んでたとか聞いた覚えがあるな。

あれは大学で助教授がしていた雑談だったな。確か、真珠の炭酸カルシウムがワインの酸に溶けて炭酸ガスが出るとかなんとか。もしかしてそれか?

「まあそれとは違うけど。たぶんそれよりも、だいぶ炭酸が強いと思うぞ? これは俺の世界ではよく飲まれているジュースさ」

「へぇ、ガモンの世界ではこういうのが飲まれているのか。やっぱり随分違うんだな」

お菓子を食べ、コーラを飲みながら俺達は子供達を交えて色々と話をした。

お菓子をたくさん食べて、家族へのお土産にビッグサイズのポテトチップスも貰った子供達は上機嫌で、色々な話を聞かせてくれた。

「オオカミの遠吠え? それが最近になって聞こえるようになったの?」

「うん。夜になるとね、オオーーンって鳴くの」

「父ちゃんが、はぐれオオカミが森に棲みついたって言ってた」

「なんかね、だんだん近くなってるみたいで怖いんだ…………」

「父ちゃん達が狩りに行くかもって言ってたから大丈夫だよ」

子供達からオオカミの話を聞いて、俺はティムと顔を見合わせた。

フォレストウルフだ。宿場町の冒険者ギルドのギルマスが言ってた、西の森から姿を消したフォレストウルフ。そいつらが流れて来たんだろう。誕生したばかりのオークキングを狙って。

それからしばらくの間、俺達は子供達とお菓子を食べながら雑談し、日が傾いた頃に子供達を家へと返した。

そして、夕方になった頃にはバルタも帰っており、俺達は夕食を取りながら、情報のすり合わせを行った。

今日の夕食は、村から分けて貰った野菜や茸をたっぷり入れた煮込みラーメンです。フレンドガチャの☆3アイテムとして、5食入りの袋ラーメンが出て来たのだよ。それも俺の好きな塩ラーメンだ! これは作るしかないよね! 煮込みラーメン!!

「うっま! こりゃうめぇですぜ!」

「凄いねこれ! こんなに美味しいスープが、こんなに簡単に出来るなんて!!」

煮込みラーメンは大好評である。どうやらこの世界にも麺類はあるらしく、ラーメンは簡単に受け入れられたのだが、流石にインスタントラーメンは存在しない。

しかも日本はインスタントラーメン発祥の地であり、ずっと改良を重ねてきている。美味いに決まっているのだ。

「これは駄菓子の一種だけど、実はこういうのもあるんだぞ? コイツはお湯を入れて少し待つだけで出来るラーメンだ」

そう言って俺が見せたのは『トントン麺』という、小さなカップヌードル型の駄菓子である。

「お湯を入れるだけで出来るんですかい。そいつは凄ぇ。この袋ラーメンってのもそうですが、売れば欲しがるヤツはいっぱい居ますぜ!」

「そうだね。それに再現できなくは無さそうだ。ガモンのスキルに頼らなくても商品化できそうだよ」

「まぁな。でも、この旨さを再現するってのは無理だと思うぞ。インスタントラーメンの生みの親の半生をドラマ化したやつを見た事あるけど、めっちゃ苦労してたし、ここまで旨くなるのには何十年と掛かっているからな」

「そうか。まあ、そりゃそうだよな」

煮込みラーメンが美味すぎて食事中はラーメンの話しかして無かったが、飯の後にはちゃんとオークキングについて話し合った。

俺達が子供達から聞いた話と、バルタが村の大人達から集めた情報で、オークキングが居るであろう場所は大体絞り込めた。

村の大人達は、オークキングの存在に気づいてはいなかったが、森の異変は感じていた。森から逃げてくる動物が多かったからだ。村の大人達は、それを森に棲みついたはぐれオオカミのせいだと考え、もう少し様子を見てから狩りにいくか、冒険者ギルドに依頼を出そうとしていたらしい。

「それ、僕達がやるって村長に話をつけて来たんだよね?」

「ええ、もちろんでさぁ。明日、あっしらの目的のついでに狩っておく、と伝えてありますぜ」

明日になれば、ストーリークエストの期限は残り二日になる。明日が勝負の日だ。