軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

325回目 見つかった隠れ里

ジョゼルフ王への説明を終えて、結構キツイ釘を刺された俺がアレスと一緒に部屋を出ると、エルドルデも俺達を追って部屋を出て来た。

「ちょっと待ってガモンちゃん。話があるのよ」

「あ、はい。何ですか?」

「あなたから受けた依頼の話よ。ニッカちゃんとダッカちゃんの故郷、『白狐族の里』を見つけたわよ?」

「えっ!? 本当に!?」

ニッカとダッカは、妄執に囚われた貴族『アブクゼニス』によって里から拐われ、更に奴隷とされていた白狐族の姉弟である。

アブクゼニスは、この二人を生け贄として使うべく白狐族の里から拐わせ、奴隷にした挙げ句に『隷属の首輪』などと言う人道的に劣る物まで使っていた。

幸い俺達は、ニッカとダッカに付けられた『隷属の首輪』を外す事に成功し、奴隷からも解放できたのだが、今度は安全面から、『誰かの奴隷になっていたほうが安全』という事になり、今は形だけだが俺の奴隷となっている。

「そうか、見つかったのか…………。いや、それにしても随分と早かったですね。俺はてっきり、もっと時間がかかるものかと思ってましたよ」

「アタシもそう思ってたんだけどね。あの二人の事は、白狐族の里の人達心配していたみたいでね、里の中でも外に慣れている人達が二人を探していたのよ」

「…………里の人達も探していたんですね。ニッカとダッカも喜びますよ」

と、そこまで話した所で、廊下で長々と立ち話をしていた事を王城で働く執事にたしなめられ、俺達は場所を客室の一つへと移した。

そして、場所を移した後にさっそく、詳しい話をエルドルデから聞き出した。

「え? じゃあエルドルデ殿が里を探しに行っている時に、その里から来た人が冒険者ギルドを訪ねて来たんですか?」

「そうなのよ。アタシも結構な無理を押して探していたのに、入れ違いになっていたのよね。あれはちょっとショックだったわ」

エルドルデが情報を集めて白狐族の里を探していた時、白狐族の里からニッカとダッカを探しに出た者達もまた、奴隷にされて連れて行かれた二人を追って情報を集めていたらしい。

そこに入って来る、とある街のギルドマスターが白狐族の里を探していると言う情報。それを聞きつけた白狐族の冒険者は、エルドルデが二人を保護しているのでは? と考えた。

そして逆に、エルドルデが所属するジョルダン王国の王都までやって来たのだそうだ。

白狐族の里の情報を集めて散々飛び回ったエルドルデが、疲労困憊で戻って来た所にいる白狐族。それを見た瞬間、エルドルデは軽く目眩を覚えたそうだ。ドンマイです。

「それでね。あの二人の現状と、ガモンちゃんが二人を縛っていた『隷属の首輪』を外して奴隷からも一度解放し、今度は二人を護る為にもう一度奴隷として保護してる事も伝えたのよ」

「なんて言ってました?」

「もちろん感謝していたわよ。それでね、白狐族の里への行き方もちゃんと教わったわよ。これで、私が受けた依頼は達成とするわね。もちろん、白狐族の里に行く時には案内するわよ。白狐族の方からも頼まれているから」

ニッカとダッカの無事をエルドルデに保証された事で、白狐族の冒険者は各地に探しに出た同胞と連絡を取りつつ、白狐族の里へと帰って行ったらしい。

俺達には、近い内にニッカとダッカの二人を連れて白狐族の里を訪ねてほしいと伝言を受けた。歓迎してくれるようだ。

フム、白狐族の里か。ニッカとダッカの事がなくても、凄く興味は引かれるな。まぁ取り敢えず、『フレンド・チャット』で…………。いや、これは帰ってから直接伝えるとしよう。

二人はカーネリアに懐いているし、アレスの妹と弟であるアリアとアラムとも凄く仲が良いからな。彼らと一緒に聞いた方が、落ち着いて聞けるだろう。

ニッカとダッカが里に帰ってしまえば、気軽に会う事も出来なくなるだろうし。なんせ白狐族は里を移動させながら暮らす一族らしいからな。『拠点ポータル』は設置できないし、そもそも拠点を作らせてくれるとも思えない。

「ニッカとダッカには直接話します」

「それがいいと思うわ。里に行く時にはアタシに連絡してちょうだい。出来る限りそっちを優先するからね」

そう言ってウインクすると、エルドルデは「じゃあアタシは仕事に戻るわね」と、手を軽く振りながらギルドへと帰って行った。

エルドルデは王都冒険者ギルドのギルドマスターだからな、基本的に忙しいのだ。

そして俺達も、王城には用が無くなったので城を出た。

「さて。じゃあ、この王都に作って貰った拠点に行くとするか。俺のスキルに拠点として登録して『拠点ポータル』を設置しないといけないし」

「王都とタミナルが一瞬で移動可能になりますね。ターミナルス辺境伯は喜ぶでしょう」

「喜ぶかな? 移動時間が無くなるのはいいかも知れないけど、仕事は増えそうじゃないか?」

「フフッ、確かにそうかも知れませんね」

取り敢えず新しい拠点に行って『拠点ポータル』を設置したら、カーネリアを待って白狐族の里の事を伝えないといけないな。

カーネリアもあの二人を大切にしているから、ちょっとショックを受けるかも知れないな。