軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

323回目 ついて来た双子

息が白くなる程寒い朝、チラチラと雪が降る中で俺達はジョルダン王国の王都『ジョネイブ』を目指すべく俺の愛車でもある☆4『ランブルクルーザー』に乗り込んだ。

今回はちょっと行って王様とギルドマスターにテルゲンであった事を説明し、『拠点ポータル』を設置して帰って来るだけである。

王都までの道程が三日。説明で一日なので、四日目の夜には帰って来られる計算だ。まぁ、そんなに上手くいくとは思えないから、もう一日か二日は掛かるんじゃないかと思っている。

ちなみに、なぜ『◇キャンピングカー』ではないのかと言うと、カラーズカ侯爵のサポートの為に置いていくからだ。

あれはクラッシュレアだからな。出しっぱなしにしておけばキャンパーの裁量で使えるが、一度スキル倉庫に仕舞っちゃうと俺しか取り出せない。

いくら権限を与えていても『トゥルー・フレンド』でも、バルタはクラッシュレアをスキル倉庫に仕舞う事は出来ても、スキル倉庫から取り出す事は出来ないのだ。これも、『トゥルー・フレンド』が出来ない事の一つだな。

「…………と言う訳で、今回は俺の愛車☆4『ランブルクルーザー』で王都『ジョネイブ』まで行きます。皆、シートベルトは締めたな?」

「大丈夫です」

「はい」

「締めたわ」

「「…………シートベルトって何?」」

最後のハモった声を聞いて、俺はバックミラー越しに一番後ろの、荷台を座席に戻した席に座る双子を見た。

「トレマ、イオス。何で乗ってるんだ?」

「だって王都に行くんでしょ?」

「アタシ達も一緒に行くから!」

「…………いやまぁ、着いて来るのは別にいいけど。タミナルの周辺にあるダンジョンには、もう『郷愁の禍津像』は無いみたいだし。でも、バルタにはちゃんと言って来たのか?」

「大丈夫だよ。ちゃんと言って来たし、バルタ兄もこれから忙しくなるみたいだし。ね? イオスちゃん」

「うん。「まぁ、ガモンの旦那達が一緒なら問題ねぇか」って言ってたしね。ガモンの護衛はしてあげるから、その他の事はお願いね! あ、王都でのお小遣いも期待してるからね!」

ちゃっかり小遣いまでねだって来たが、連れてくのは別にいいか。二人とも斥候職としてはかなり優秀だし、…………俺より強いしな。

そんな訳で同行者が増えた。一応言っておくが、☆4『ランブルクルーザー』は最大七人乗りなので、乗車人数的にも問題は無いからな。

俺は真ん中の席に座るカーネリアに頼んで二人にシートベルトを締めさせてから、車を発進させた。

「うわっ! 動いた!! それに結構速い!?」

「何でこんなに重そうな物が速いの!? って言うかどうやって動いているのこれ!? 魔法!?」

俺はもちろん、アレス達にしても既に車には慣れているため、こんなリアクションはしない。

と言うか、トレマとイオスは車で走るのは初めてだったか? 確かアルグレゴ小隊の皆と一時的にパーティーを組んでダンジョンに潜りに行っていた筈だ。

タミナルに戻って来た時に、アルグレゴ小隊と双子で作った二パーティーと、ザッパ達ノーバスナイトの計三パーティーが取って来た『郷愁の禍津像』、『ヒヨドリ』『フォレストワーム』『フナムシ』の三つを貰っているから間違いない。

なので、それを双子に尋ねてみると。

「確かに行って来たけど、アタシの所は馬に騎乗しての移動だった」

「アタシもそうだよ。騎乗訓練も兼ねて馬で行くって言われた。だからこんなのに乗るのは初めて!」

との言葉が返って来た。

なるほど騎乗訓練か。それなら納得も出来るかな。アルグレゴ小隊の奴等はとても真面目なのが多いから、例え移動時間とは言え、訓練にあてられる時間は訓練にあてたのだろう。

トレマとイオスの双子は、アルグレゴ小隊の訓練にも付き合って馬を借り、騎乗してダンジョンへと向かったのだと言う。もちろん夜営も、訓練を兼ねているので自分達でテントを張ったそうだ。

うーん。『コンテナハウス』とかも渡していた筈なのに使わなかったのか。

だが、トレマとイオスにとって夜営は当たり前の事だったし、一緒に夜営するのは夜営に慣れた騎士団だったので、むしろいつもよりも安心して夜営が出来たと言っていた。逞しい双子である。

とは言え、この二人にしてもやはり旅は楽なのに越した事はない。休憩を挟みつつ丸一日走った後に出した『コンテナハウス』では、かなりくつろいだ様子で楽しんでいた。

そして、途中でモンスターとも戦ったりしながら三日間『ランブルクルーザー』を走らせて、俺達はジョルダン王国の王都である『ジョネイブ』に到着したのだった。

車の運転は仲間内で交代はしていたし、トレマとイオスにも途中でせがまれて練習させたり(もちろん別の車で)もしたが、やはり結構疲れた。

だから今日は、今日くらいはゆっくり休みたいのだが…………。

「ようやく来たわねガモンちゃん。待ってたわよ? あなたに聞きたい事が山ほどあるから、アタシと一緒に王城までいきましょうか」

王都の外門ので待っていた、王都ジョネイブの冒険者ギルドのギルドマスターであるエルドルデに捕まって、俺達はそのまま車で王城まで行く事になったのだった。