軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

322回目 タミナルの街で

《フレンドクエスト・ティアナ》

達成条件その三。

・サザンモルト辺境伯の説得、もしくは討伐(三十日以内)。

この達成条件は、カラーズカ侯爵が自ら行うと言って来た。その間、俺は『方舟』を倒す事に必要な事をしろと、そう言われた。

ただ、移動やら何やらに俺のスキルが必要になる事もある。なのでしばらくの間は、バルタが再びカラーズカ侯爵に仕える事になった。

俺の『トゥルー・フレンド』になったバルタなら、俺が権限さえ与えればガチャを回す事すら出来るのだ。

全ての権限を与えても、バルタには出来ない事もある。例えば、『魔王討伐ガチャ』は回せないし、バルタがガチャを回した場合は☆5の出現率が0%になる。そして『クラッシュレア』も出て来ない。

これだけ聞くと結構なデメリットだ。一回金貨一枚のガチャで最高が☆4とか、ただでさえ出て来ない☆5が0%はかなりキツイ。

☆5は元々滅多に出る物ではないので、変わらないと言えばそうかも知れないが、たとえ僅かでも可能性が有るのと無いのでは天と地の差がある。そんな状況でガチャを回しまくったら心が死にそうである。

バルタにもその事は話してあるので、基本的にバルタはガチャを回さない事になった。フレンドガチャみたいに駄菓子しか出て来ないようなのは回すけどな。

ちなみにこれらの情報は、久し振りに『マイスター・バー』のマスターから買いました。お値段は白金貨一枚だったよ。

「リメイア!!」

「ティアナ!! 良かった! 無事だったのですわね!! カラーズカ侯爵とティアナがテルゲンで軟禁されているって聞いて、私すごく心配していましたわ! 『フレンド・チャット』をいくら送っても返信が無いんですもの!!」

「ごめんね心配かけて。でも、送れるようになってからは毎日送っていたでしょう?」

「それでも、あなたの顔をちゃんと見るまでは心配だったのです。あぁ、本当に良かった…………!」

涙ぐみながら包容を交わすティアナと金髪縦ロールのお嬢様ことリメイア。そしてその近くでは、その二人の少女の父親であるカラーズカ侯爵とターミナルス辺境伯が握手を交わしていた。

「久しいなノルド。少し頭が薄くなったか?」

「余計なお世話だレクター。お前はまた眉間のシワが増えたな。そんな事では胃に穴が空くぞ?」

テルゲン王国の雄であるレクター=カラーズカ侯爵と、ジョルダン王国の傑物ノルド=ターミナルスは、まるで相手にケンカを売っているかのような軽口を笑顔で交わしていた。

ティアナを男に見せる為とは言え、娘同士を婚約させていた二人だ。仲が良いのだろうとは思っていたが、俺の想像以上にその関係は良好であるようだ。

サザンモルト辺境伯の調略の為に、そしてティアナとリメイアの再会の為にと、俺達はタミナルの街へとやって来た。

いやーー、『拠点ポータル』が有能すぎる。あまりにも使え過ぎて、カラーズカ侯爵などは「これが使えるだけで、大勢が決するな…………」と呟いていた。

そしてその中で、カラーズカ侯爵は侯爵家で雇う騎士のなかでも、身元がしっかりしていて評判が良く、さらには信用の置ける人物のみを集めた騎士団が結成され、その騎士団全員を俺のフレンドとして登録させた。

その数三十人。おかげで俺のフレンド枠はちょうど百人が埋まり、『フレンドを百人登録する』と言うノーマルなクエストが達成され、百五十人だった上限が更に増えて三百人までとなった。

ちなみに現在、カラーズカ侯爵の領地に残ったその三十人には、アルグレゴ小隊の副官であるイージドがガチャ装備の説明と熟練度の上げ方などについて教え込んでいる筈だ。

「しかし、すまなかったなノルド。王都からとんぼ返りさせるような真似をして。まさかそれほど急いで戻ってくれるとは思わなかったぞ」

「いや、サザンモルト辺境伯の事はウチとしても他人事ではない。それに移動については、ガモンから車を預かっていたからな。少人数でしか戻っては来られないが、それほど苦では無かった。だが、もう少し遅かったら、雪が本格的に降って移動は困難だっただろうな」

「そうか。しかしそうなると、ジョルダン王国の王都にも『拠点ポータル』が必要だな。雪が積もっては移動が出来なくなるから、できればその前に欲しい所だが…………」

「確かにな…………」

「「……………………」」

向き合って話していた、国は違えど上位貴族である二人の視線が俺に刺さる。…………行って来いってか。

いやまぁいいけどね。どっちにしろ王都に拠点が造られている以上、『拠点ポータル』は絶対に必用だったしな。

「わかりました。行って来ますよ」

「そうか、行ってくれるか。それならば陛下や冒険者ギルドのエルドルデにも連絡をしておいてやろう。あの二人も、今回の事について聞きたい事が多いそうだからな」

「うえぇ…………」

「もちろんこの私もだ。なんでもテルゲンの王都にあった私の屋敷が、魔族の騎士に消されたそうじゃないか。働いていた使用人達は無事に戻っては来たが、ちゃんと説明をして貰いたい所だな。テルゲン王国からも、問い合わせが来ているようだしな」

「…………は、はぃ」

こうして俺は、ノルドに今回の事の顛末を説明した後で、ジョルダン王国の王都を目指す事になったのだ。