軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

293回目 子供達の冬支度

サラッとだが雪が降り、冬の訪れが確定的となったこの日。ターミナルス辺境伯の元へと現状の説明に赴く我聞のすぐ後で、屋敷を出る一団がいた。

それは、アレマーとカーネリアを保護者とした、我聞の所にいる四人の子供達だ。

出掛けて行く先はゲンゴウの所のタカーゲ商会のデパートである。冬の訪れを前に、子供達の冬服を買いに行くのだ。

ちなみに、アレスは服の事は解らないからガチャから出てきてる物を適当に着ると言いノーバスナイトもそれに同意。シエラは教会へ行くので不在で、バルタはトレマとイオスを伴ってギルドへと顔を出している。

なので今回は、この六人だけでの行動だ。

子供達の中でも白狐族であるニッカとダッカは誘拐の心配もされているので、決め事としてはアレマーは自分の実子であるアリアとアラムの面倒を、カーネリアは護衛を兼ねてニッカとダッカを見る事になっている。

が、基本的には六人全員で固まってのお買い物だ。

「ふっくふっく」

「ふっくふっく」

「「ふゆのふくーー!」」

先頭を歩くアラムとダッカが、即興で作った歌を楽しげに歌いながら歩いている。そのすぐ後ろを歩くアリアも、ニッカとどんな服がいいかを楽しそうに話している。

服ならば我聞の生活ガチャから出て来た物があるのだが、やはりデパートに買いに行くと言うのは特別感があるのか、四人ともが、はしゃいでいた。

まあ実際はデパートで売っている服も、我聞の生活ガチャから出て来た物や、それを複製した物がほとんどだ。

ガチャアイテムは基本的に一回金貨一枚。つまり日本円にして十万円。しかしもちろん、そんな高値で服が売られている訳ではない。

ゲンゴウは我聞に大金を渡して大量にガチャアイテムを仕入れ、その中の一部、☆4や☆3の中でも高額がつく物を貴族に高値で売って投資額と利益を回収し、一般的な服や、生活用品などは格安とも言える値段で売っている。

我聞のガチャからは『工業用ミシン』などの『作る為の物』も出て来るので、少しずつだが、生産力も上がって来ているので、それによる利益も見込んでいるのだ。

さらにミシンなどは、その外見や使い心地から、すでに簡単な試作機がこの世界の素材だけで作り上げられている位なので、その生産力はどんどん上がっていく事だろう。

つまりこういった服は、現存する物ならば我聞にガチャで出して貰うよりも買った方が安い。そういった理由もあって、今日はお買い物なのである。クラン『G・マイスター』の財布はアレマーが握っているので、それを使ってクランメンバーでもある子供達の冬服を買うのだ。

「おかーさん! これすごいフワフワしてる!!」

「カーネリアお姉ちゃん、これあったかいよ!!」

デパートの子供服売り場にて、アラムとダッカの男の子コンビは、初めて見るダウンジャケットを試着して興奮していた。

この世界にダウンジャケットなんて物はまだ無いので、ゲンゴウのデパートでも売れ筋商品でいつもは品切れしている商品だ。

今回は、我聞が面倒を見ている子供達の服という事で、店員が気を利かせて倉庫から持ってきた物である。

「わぁ! これカワイイ!!」

「いいねこれ! ねぇ、お揃いの色違いにしない?」

「うん! それ凄くいいと思う!!」

アリアとニッカの方は、女の子らしいデザインのキッズコートを気に入ったようだ。チェック柄のロングコートで、どことなく大人っぽいデザインが二人の興味を引いたらしい。

二人はそれを、色違いでお揃いにするようだ。

「へぇーー、いいわねそれ。大人用でもそういうのあるかしら? 街を歩くには、凄く良いデザインね」

アリアとニッカが試着しているロングコートには、カーネリアも興味を示した。

「みんな欲しい物は決まった? ちょっと大きい位のサイズにするのよ? みんなすぐに大きくなっちゃうんだから」

「「はーーい」」

子供達が自分で選んだ物を元にアレマーが色や大きさなどを見立てる。アレマーとしては、アラムやダッカの服は特に目立つ色の方がいい。それならうっかり見失った時にでも、すぐに見つけられるからだ。

アリアやニッカならば、もうそんな心配は少ないが、アラムやダッカ位の子供は、むしろ親に見つからない様に何処かに行ってしまうので、アレマーとしては心配が絶えないのだ。

そして、子供達と選んだ服を買った後は、子供達が飽きてしまわないようにフードコートにも寄ったりしつつ、帽子や手袋にブーツなども買っていった。

ついでにアレマーとカーネリアも、自分の服を買ったりはしたが、デパートで服を買うという行為が楽しい子供達は喜んでそれにも付き合い、帰る頃には、アラムはアレマーの背中で、ダッカはカーネリアの背中でスヤスヤと寝息を立てていた。

買い物を終えて最後の仕上げにと、デパートのフードコートで『ソフトクリーム』を食べていた時までは元気だったのだが、デパートから出るあたりで、とうとう力尽きたのだ。

屋敷に帰ったら、部屋にある服を今日買った服に合わせてみようと、元気に話しているアリアとニッカを微笑ましく眺めながら、アレマーとカーネリアは背中にいるアラムとダッカを背負い直した。

ちなみに、屋敷に帰った途端アリアとニッカも力尽きて、使用人達の手で部屋へと運ばれて行ったのは、余談である。