軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

283回目 アルジャーノンの影響

子供達と一緒になって遊んでいたアルジャーノンを回収した俺は、屋敷の一階の奥にある☆5『技巧神の大工房』へとやって来た。

「わぁ! これは凄いですね。これほど神の気配に満ちた亜空間なんて、初めて入りました。…………あ、スキルに『技巧神の加護』が増えてる。あの神像かな? あの神像の影響で、この場にいる限り加護が付くんですね。面白いなぁ…………」

「……………………待って」

「はい? どうかしましたか?」

…………『技巧神の加護』? 何それ、初耳なんだけど? …………うっわ! ホントにある! スキル一覧に『限定スキル《技巧神の加護》』って増えてる!!

《技巧神の加護》

・知力+30%、器用さ+30%。

・技巧神の大工房を使用している間だけ適用される限定スキル。知力と器用さを+30%底上げする。技巧神の神像に酒を捧げると、その種類によって最大+200%まで付与率を上げる事が出来る。

・技巧神の大工房で作ったアイテムを神像に捧げ、その腕を認められたなら、一人につき一度だけ、半永続的な《加護》を貰える。この加護は捧げた物の等級によって付与率が変わり、さらに怠けたり能力を悪用したりすると消える事がある。

ほ、ほほぅ…………。知らなかった。これ、ともすれば一生気づかないヤツじゃないの? アルジャーノンはよくこれに気がついたな。

って言うか、ここに入って10秒もしない内に気づいてたよね? 俺もここを長く利用してる訳でもないけど、ちょっとショックでしたよ?

その後『技巧神の大工房』の管理AIである、受付のパネルの中にいるスーツ姿の女性『ギコル』にアルジャーノンを紹介すると、なんとそれだけで『技巧神の大工房』にて、現在使える施設と機材が全て解放されたようだ。

流石は長い時を生きるアルジャーノンだ。しかし、まさか全ての施設が使えるようになるとはな。

だがこれで、☆4の装備やアイテムを作る目処が立った。すでにアルジャーノンには話してあるのだが、俺が最初に作って欲しいのは『拠点ポータル』だ。

なのでさっそく、四つある部屋の内からひとつを☆4アイテム製造の為の部屋へと変えて、そこに移動する事にする。

と、その時。『技巧神の大工房』で既に使われている、『トイレットペーパー』製造用の部屋から、人が飛び出して来た。

出て来たのはタミナルの街で一番大きな店、『タカーゲ商会』の従業員、つまりはゲンゴウの部下だ。俺とシエラがゲンゴウの所に世話になっていた時に一緒に暮らした事がある一人だ。大勢いすぎて名前までは覚えていないが、顔に見覚えがある。

「あ! ガモン殿! ちょうどいい所に!!」

「なんだ、どうしたんだ? そんなに慌てて」

「大変なんです! 先程、急に製造している『トイレットペーパー』の品質が上がりまして! しかも機械のバージョンアップや、製造できるトイレットペーパーの種類も増やせるようなので、ゲンゴウ様に報告をと!!」

「マジで?」

これアレだよな? アルジャーノンの影響が、既に稼働していたトイレットペーパー製造の部屋にまで影響したって事だ。

…………え? アルジャーノンがいるだけで影響があるの?

取り敢えずトイレットペーパー製造の部屋へと行ってみる。

「わぁーーーー! 大きいですね!!」

アルジャーノンが、初めて見る大きな機械に眼を輝かせる中で、俺は部屋に付いているパネルで状況を確認した。

すると確かに、作れるトイレットペーパーの種類が増えている。そして、今出来たばかりのトイレットペーパーにも変化があった。

それと言うのも、ここで作られるトイレットペーパーは、働く者達の技量があまり高くない事もあって、あまり質が良くなかった。比較対象がガチャアイテムのトイレットペーパーだったのも良くないのだが、少なくとも、ガチャ品質のトイレットペーパーを知っている貴族には売れないと、ゲンゴウは判断していた。

まあでも、品質の良いトイレットペーパーを作れるのは良い事だ。問題は、これがいつでも作れるのかという事だな。

そこでちょっと検証だ。検証と言っても、アルジャーノンに『技巧神の大工房』を出入りして貰うだけなのだが、結果は顕著だった。

簡単に言えば、全てはやはりアルジャーノンの影響であり、アルジャーノンが『技巧神の大工房』を出た瞬間に、パネルから品質の良いトイレットペーパーの種類が消えたのだ。逆に言えば、アルジャーノンがいる限り、ここでは品質の良いトイレットペーパーが作り放題と言う事である。

当然、品質が向上する分として原料も少し増えるが、問題なく購入できる物だったし、これはやるしかない。

「よし! じゃあ今の内に最高品質のトイレットペーパーを作りまくろう。アルジャーノンだってずっとここに籠っている訳にいかないから、いる間はフル稼働だ!」

「わかりました! ゲンゴウ様にもそう報告しておきます!!」

思わぬ副産物だったが、これはラッキーだった。…………アルジャーノンがいるなら、部屋数増やした方がいいな。他の生活用品も作りたいし。取り敢えずそこは、後でゲンゴウや仲間達と相談してみるとしよう。