作品タイトル不明
223回目 ☆5『技巧神の大工房』
俺の広い屋敷は、クラン『G・マイスター』の本部でもあるので、一階と地下は丸々その為に使う事にしている。
なので、☆5『技巧神の大工房』は一階部分の少し奥まった所に設置する事にした。奥まってはいるが中庭も近いので、気軽に外の空気を吸いにいける位置だ。
いや裏口とかもあるんだけど、この『技巧神の大工房』で作られた装備がどういう扱いになるのか解らないから、出来るだけ機密性を保てるように場所を決めたのだ。『フレンド』以外でも装備できるヤツだったら狙われそうだからな。
まあ、この施設は『ガチャ・マイスター』に登録してある拠点内だったら後でも移設できるらしいので、いざとなったら場所を変えればいいのだ。
そしてこの『技巧神の大工房』は、さすが☆5だけあって規格外。場所を取らないのだ。どんな感じで出て来るのかと思っていたら、なんと透明なタッチパネルが現れた。
そのタッチパネルに流れる説明によると、このパネルを使って『技巧神の大工房』への入口を自由に作れるらしい。
壁に扉を作るもよし、床に地下への階段を作るもよしだ。その扉や階段の向こう側は亜空間になっているので、この世界とは別の空間に繋がる感じになるらしい。
相変わらずのブッ壊れ性能。流石である。取り敢えず俺は、元々作業部屋にしようと思っていた部屋の奥に、『技巧神の大工房』への入口となる扉を設置した。そして仲間達と共に中へと入ってみる。今回は話を聞いて興味を示したドゥルクも一緒である。
「おおーーっ! 近未来的ぃーーっ!!」
『ふぉおおーーーーっ!! これはアレじゃのぅ! 『オフィス』というヤツじゃな! テレビで見たわい! 実物を目の当たりにすると感動が違うのぅ!』
☆5『技巧神の大工房』は、工房と言う名前になってはいるが、何と言うか、オシャレなオフィスの受付みたいな雰囲気だった。暇を持て余してテレビを見まくっているドゥルクが感動している。
受付はあるが、そこに人はおらずパネルのみだ。そこにはスーツを着た女性の姿があり、受付の両隣には奥へと繋がる廊下がある。
証明に明るく照らされた室内と、観葉植物が飾られている雰囲気など、もう懐かしくてしょうがない。まるで日本に帰って来たみたいだ。
一つ気になるのは、壁際に観葉植物に挟まれて置いてある彫像だ。そこに彫られているのは筋肉質な男性で、力強く立つその足元には、金槌やらノコギリやらドリルやらと、様々な道具が積み重ねられている。
「んん? なぁシエラ。もしかしてだけど、これが『技巧神』か?」
「…………申し訳ありません、私には解りません」
神様に一番詳しいのはシエラだろうと思い聞いてみたが、シエラも流石に神の姿を見た事などないので分からないと言う。シエラの所属する教会では、そもそも『技巧神』などは信仰されていないようだ。
だが、これはスキルから出て来た姿だ。『技巧神』と言うのは知らないが、この姿には信憑性がある気がした。
『ようこそ『技巧神の大工房』へ。私はここの管理AI『ギコル』と申します。…………貴方がマスターですね? マスター・ガモン=センバ。登録を完了しました』
パネルの中にいる女性『ギコル』。彼女はキャンパーと同じようにこの場所の管理AIのようだ。
彼女の説明によると、ここは訪れた者の技量によって使える設備が変わり、真に技量を持つ者であれば、☆4のガチャアイテムすら作り出せる特別な設備もあると言う。
「……………………技量によって?」
『はい。それともちろん材料も必要となりますが、ある程度でしたらガチャ・ポイントで交換や、現金で買う事も出来ます。技量次第では、ガチャアイテムを分解して材料にする設備もあります』
「…………えっと、ちなみに俺の技量だと?」
『…………マスターの技量で作成可能な物は、『ロープ』『木の盾』『棍棒』…………』
つらつらと挙げられているが、全部がパッとしない物ばかりだ。ガチャで言えばギリで☆3程度。ちなみに装備を作っても、俺の腕では『スキル』までは再現できないそうな。…………ダメじゃん。
『フム、それなら儂はどうじゃ? これでも魔道具を長年作ってきたからのぅ、自信はあるぞい?』
『幽霊の方は対象外です』
『ふぉっ!?』
中々の自信を持って前に出たドゥルクだったが、『幽霊である』と言う一点で不合格になった。…………あ、落ち込んでる。
その後、仲間達も作れる物を見て貰ったが、やはりまともに装備を作れる者はいなかった。ただし、トイレットペーパーやらの日用品に関しては、多少作業経験があればイケるようだ。それは普通に嬉しい。
ただ、トイレットペーパーなどの日用品は専用の機材が必要となるので、部屋を丸々一つ使うと言う。部屋数は『◇キャンピングカー』と同じように増やせるようだが現在は四つだけ。でも、装備を作れない現状ならば、一部屋をトイレットペーパーやらの紙製品を作る部屋にしてしまっても良いだろう。まずは日用品からだ。ゲンゴウからも数が足りな過ぎると言われているしな。
そして装備の方だが、俺が「鍛冶屋でも雇うか」と言うと、ドゥルクが事も無げに、『雇うならドワーフじゃろうな。魔道具作りなら、エルフも雇えばよいじゃろう』と言ってきた。
おお、ドワーフにエルフか。…………いるのは知ってたが、雇えるの?