軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

200回目 ジョゼルフ王との会談

ジョルダン王国の王城での王様との会談は、基本的には情報のすり合わせだ。ターミナルス辺境伯が書いた資料はしっかり読んで会議もしたが、それでも情報の漏れはあるものだ。

なので質疑応答を交えながら情報のすり合わせをするのは大切なのである。

俺のスキルの事や魔王の事を話し合い、その流れでフレンドの話にもなった時には、当たり前のように王様をフレンドにする事を求められた。

別に王様をフレンド登録する程度なら良いのだが、『フレンド・チャット』の機能は戦争に利用される可能性が高い。ジョゼルフ王も俺がその懸念を持つ事は想定していたようで、自分と宰相の二人だけで良いからと、条件を提示された。

「ガモンのフレンド機能である『フレンド・チャット』はとても有用だ。余と宰相の二人だけでも何とか頼めんか? 代金という訳でもないが、更なる支援はもちろん保証するぞ」

「そうですな。ガモン殿はタミナルの街に拠点となる屋敷をお持ちになったそうですから、この王都にも屋敷を用意致しましょう」

流石と言うか、宰相は俺の欲しい物をピンポイントで突いて来る。王都での拠点は確かに欲しかったから、これはチャンスだ。

何せたった二人フレンドにするだけで王家が用意する屋敷が手に入るのだからな。破格の条件だ。裏を返せば、それだけ本気でフレンド機能が欲しかった、という訳だけど。

俺は、もし悪用するような事があれば、フレンドは即・解除できる事を伝えた上で、二人のフレンド登録を了承した。

ちなみに拠点間を瞬間移動できる☆4『拠点ポータル』の話はしていない。いずれバレるだろうが、それを先に話しちゃうとジョゼルフ王達がそれを使うのを前提に拠点の場所を決められそうだったからだ。

そして、それらの話が終わった後には『テルゲン王国』の話へと移った。

テルゲン王国へと帰ったティムが『郷愁の禍津像』を持って行ったのは報告書にあったので、俺はカラーズカ侯爵が『郷愁の禍津像』の真実をまだ国に伝える気がない事と、『郷愁の禍津像・モグラ』はカラーズカ侯爵が機を見て破壊するつもりである事を伝えたからだ。

ジョゼルフ王達はその話に息をついて胸を撫で下ろし、カラーズカ侯爵の英断に感謝していた。それほどにテルゲン王国の王は信用出来ないらしい。

「しかしガモンの話を聞く限り、テルゲン王国のバウワウニー王は相変わらずのようだな。自らの富と権力にしか興味がないようだ」

「あの王は簒奪の王ですからな。心構えからして、我らとは違うのでしょう」

王と宰相の会話を聞いて不思議に思ったので詳しく聞いてみると。俺を召喚した国の王は、元々は別の国の貴族だったらしい。

元々いた国が内乱で滅び逃げ出したその貴族『ヌヌメルメ家』は、血筋を同じくする者がテルゲン王国に仕えていたので、それを頼ってテルゲン王国に移住したのだと言う。

当時のヌヌメルメ家は、恩のあるテルゲン王国の発展に尽くした。しっかり働き、国を大きくするために尽力したのだ。

その功績が認められ、順調に出世をしていったヌヌメルメ家はやがて国の重鎮となり、四代目を数える頃に、その本性を現した。ヌヌメルメ家は自分の地位が磐石な物になると、テルゲン王国の有力貴族を次々と買収し、なだめ透かし、時には武力で脅して、どんどん力をつけていった。

そして、とうとうテルゲン王国の国王を追い落とし、新たな王としてテルゲン王国に君臨したのだ。

なるほど。確かに『簒奪の王』だ。

「へぇーー。正直俺は、テルゲン王国の王様の名前をすっかり忘れていたけど、そんな感じだったのか」

俺は召喚された時の事を思い出し、玉座でふんぞり反っていたブルドック感のある王様、確か『バウワウ=ヌメヌメ』の顔を思い出した。

…………あれ? なんか名前が違ったかな。

「あれほど野心にあふれた男も珍しいですな。近隣諸国においてテルゲン王国の『バウワウニー=ヌヌメルメ三世』を信用している者など皆無でしょう。いたとしても、互いに利用しようという者だけでしょう」

「ウム。あの者が『郷愁の禍津像』と魔王の真実を知れば、嬉々として他国に魔王を攻め込ませるであろう。そしてその後に『救援』の名目で軍を送り、その国を乗っ取る様が眼に浮かぶわ」

…………ホント、ここまで信用されていない王ってのも珍しいよな。まぁ、俺は他に王様なんて知らないけども。

『(ドーーーーン…………!!)』

そんな風に考えた時、外から急に爆発音が響いた。それはまるで大きな花火が遠くで上がったような音だったが、俺達がいる部屋にはメイドが報告に現れ、それとほぼ同時に俺には『フレンド・チャット』が届いた。

差出人は、今日は屋敷にいるはずのギルドマスター・モンテナであり、その内容はーー。

「ターミナルス辺境伯のお屋敷から爆炎が上がりました! 辺境伯のお屋敷が襲撃を受けているようです!!」

部屋にやって来たメイドがした報告と、ほとんど同じ内容だった。