作品タイトル不明
121回目 地下墓所ダンジョン
ストーリークエストの報酬として貰った☆3『初級ダンジョンマップ』。折角あるのだから使わない手は無いので、まずは俺が使ってみた。
すると新聞の一面程度の大きさの紙に、中心から燃え広がるようにダンジョンのマップが浮かび上がった。
しかも東西南北の表記や、今の俺がいる場所と向いている方向を示す矢印まで浮かんでいる。まんまRPGのゲームで見るマップみたいだ。マジで凄ぇ。
ただやはり、俺のマップにはモンスターや宝箱の位置は無い。単に居なかったり無かったりするだけかも知れないが、まあ検証は必要だ。
そこで今度はバルタが使ってみる。すると、マップの浮かび上がり方こそ同じだったが、その内容は全然違った。
バルタのマップには、敵が大小様々の赤いマークで示されたのだ。宝箱やトラップの表記は無いが、それはただ単に存在しないのだろう。
「こいつぁスゲェ。このダンジョンマップを使えば消費魔力はゼロですぜ。しかもモンスターの表記は一体なら赤い点で、群れなら大きな点で表示されているようですぜ」
「おおーー、こうなるのか。…………うん? なあバルタ、ここ妙じゃないか?」
「気づきやしたか。ええ、確かにそこは妙ですぜ」
一階層を丸々映しているダンジョンマップの、北東方向に、かなりの数のモンスターが集まっている部屋があった。それだけなら「メッチャ多いな、モンスターハウスかな?」で済むのだが、その部屋の北側にある一角がほんの少しだけ空いていた。そしてそこに表示されているのは三つの青い点だ。
「この青い点は…………!」
「ええ、おそらくは人間でしょう。さっそく一組目が見つかりやしたぜ!!」
「兄ちゃんが見つかったのか!?」
二組の内のどっちかが見つかったと言うだけなのだが、トルテはダンジョンマップに駆け寄って人がいる場所を確認し、飛び出そうとした。俺はトルテの腕を掴んでそれを何とか止めた。
「待てトルテ!!」
「何だよ離せよ! そこに兄ちゃんがいるかも知れねぇんだろ! モンスターに囲まれてるじゃねぇか!!」
「だから待てって言ってんだよ! モンスターの群れにただ突っ込むつもりかお前は!!」
俺がそう言うと、トルテは俺の手を振り払いはしたが走って行きはしなかった。ひとまずは自分を抑えられたらしい。
俺達はダンジョンマップを中心に円陣を組んで作戦を話し合う。その間の周囲の警戒は、アレスが引き受けてくれた。
「で、どう攻める? これ、かなりの数がいるだろ」
「同じ部屋に救助対象がいるってのがネックですぜ、巻き込まねぇようにしねぇと、流れ弾で…………なんて洒落になりませんぜ」
「この部屋に入る道は西と南の二つだね。どちらも離れているけど、そこまでの道は南の方が空いているから、こっちから入ろう。流れ弾に当たってもいいように、シエラの治癒魔法と、『回復の弾丸』を使おう。僕とアレスは救助者を巻き込まない位置を攻撃するから、メインはガモン達に任せるよ」
ダンジョンマップを見ながらティムが作戦を立案し、俺達も異議はなかったので作戦が決まった。
そして俺達はマップを見つつ、時折マップの更新もしながら救助者のいる部屋を目指して突き進み、かなりのスピードでその部屋へと到達した。
ダンジョンマップに敵の表示があるのが本当に便利だ。ここのモンスターはやはりアンデッドのみで、スケルトンだけじゃなくレイスやゾンビも出ては来たが、きっちり対策を練っていた俺達の敵では無かった。
ボウガンから撃ち出す、+4まで強化した『回復の弾丸』を使った矢だと、貫通して二・三体をまとめて倒せるのが強い。これなら大群を相手にしても何とかなりそうである。
「…………マジかよ。アンデッドがウジャウジャいる。ってか、ここまでいると逆に怖くないな。なんかいるのが普通に思えてきた」
「ガモン、それは慣れじゃなくて逃避だからね。今からあそこに突っ込むんだから、気をしっかり持ちなよ」
ティムにツッコミを入れられつつ壁に隠れて大部屋の中を覗くと、そこにはゴブリンだのコボルトだの狼だのという各種スケルトンと、他にはゾンビやらレイスやらがウジャウジャとひしめき合っていた。
「マップと照らし合わせると、どうやらあそこに救助者がいるようですぜ。あの岩の杭が生えてる所でさぁ」
「あ! あれブー兄の土魔法だ! あれ兄ちゃんだ!!」
部屋の奥に見える何本かが並んだ岩の杭を見て、トルテが部屋の中に飛び込む!
「お、おい! トルテ! …………ああもうクソッ! しょうがねぇ! 行くぞ!!」
我を忘れたのか不用意に飛び込んだトルテを追って、俺達も部屋の中に飛び込んだ!
「いきます! 『エリアヒール』!!」
「僕達は向こうだ! 行くぞアレス!!」
「はい!!」
先制攻撃としてシエラが範囲回復魔法を部屋の中へと撃ち込み、続いてティムとアレスが救助者の居ない方向へと攻撃を開始する。ティム達は作戦通りに、救助者を巻き込まない位置で敵の数を減らしに掛かったのだ。
ティムは☆4『氷魔弾の弓』で、MAXまで強化した『氷属性の弾丸』の矢を撃ち込み、アレスは☆4『白雷獣の剣』から『雷撃』を撃ち込んでモンスターへと斬り掛かる。
ティムの掛け合わされた氷の矢はゾンビの一体に当たるとソコを中心として氷の枝が四方に広がり、他のゾンビやスケルトンをも巻き込む。
そしてアレスの方は、『雷撃』の先制攻撃の後は稲妻を纏った剣を振るい、アンデッドを次々と斬り伏せていった。
「これは負けてられないな! 俺達も行くぞ!!」
「任せてくだせぇ!!」
こうして俺達もまた、アンデッドとの乱戦へと飛び込んだ!!