軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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俺はまたカッロに対して中段に構えた。

左手で剣の根本をしっかりと持ち、右手は少し離して上を軽く握る。左脇が甘くならないよう気を付けつつ脚を前後に開き、踵は薄く上げる。

あとは何だっけ?

そう、切先は相手の喉仏を狙うんだ。

するとカッロは少し感心したように目を見開いた。そして薄く微笑むとゆっくりと上段に構えた。

剣道のそれとは違いレイピアを真っ直ぐに立て、握りを顎の前に持ってくる感じだ。

これも教わっているぞ。

俺は構えを平青眼に修正した。

切先を右に傾けて、僅かに剣を引き寄せる。剣を握った右拳が少し上を向く感じになる。

何故って、上段に構えてる相手はこちらの右小手を狙ってくるからそれから手を守る為だ。

カッロは軽く頷くと1歩引き、腰を落としてフェンシングの構えになり、リズムカルにステップを踏み出した。

あれ、さっきの上段は挨拶か何かだったかな?

まあいい、俺は構えを中段に戻してカッロの出方を待った。

軽いフェイントのステップと突き、それからわざとらしく脅かすような大きな踏み込みと突き。

相手は達人と言われた格上だ。

失礼のないよう遠慮なくいかせてもらおう。

大きな突きを左に逸らし、相手が剣を戻すその瞬間に合わせカッロの握り近くに切先を叩き込んだ。

相手のバックステップにタイミングを合わせ、鋭く踏み込み、大きく振り被らずに最短距離を力一杯だ。

魚を突くのと一緒だ。

両手剣のスピードとパワーを警戒していなかったのだろう。余りの衝撃にカッロは目を見開いて木刀を取りこぼした。

カッロの木刀が落ちていくのがスローモーションで見える。

と、同時にカッロの盾がこちらの顔面向かって飛んでくるのも。

あ、これはまだ終わってないんだ。

とどめを刺さなきゃいけなかったんだ。

かといってこの盾を喰らう訳にもいかない。

俺はその場でしゃがみ込むように盾パンチを避けると、そのままカッロの踵を抱え込むようにして膝を肩で押すタックルを決めた。

完全に不意打ちを喰らって仰向けに倒れ込んだカッロに俺は馬乗りの要領で飛び乗った。

これがブラジリアン柔術ならテイクダウンとマウントポジション奪取でポイント優勢だがこれは剣術。刃物でとどめを刺さなければならない。

しかしタックルの時にこちらも木刀は手放してしまった。どうする?

俺はどうしていいかわからず、友達にそうせよと教わったように相手の顔を殴るパウンドをフェイントで入れ、ガードしようとした相手の右腕を取り腕十字の体勢に入った。

これで1本勝ちである。

「ええと、オミくんこれは?」

「あ、ええと、、、この状態になったら勝ちという遊びだったんですが、、、あの、この状態から逃げれますか?」

カッロは脚を腕で押してみたり身体を捻ったりと腕十字から抜け出そうと暫く踠いていたが抜け出せなかった。

「何やってんだカッロ?」

「これは抜け出せないわ」

「本当か?」

「ああ」

「でもよ、オミ。これじゃとどめにはならねえよ?」

キコが口を挟んできた。

うん、まあそうだよね。

でもカッロの腕を完全を極めることはしたくないな。

「カッロさん、ちょっと軽めに極めますね?」

「うん? あい痛たたたたたたた!!!」

「あ、すみません」

俺は腕を離した。

「何ナニ何、なんだよ?」

「ふう、腕が千切れるかと思った」

「ええ? オミお前何やったんだよ?」

どう答えたら良いものか。

異世界のそれもちょっと変わり種の格闘術とは言えないよな。

「ええと、こういう取っ組み合いの遊びが僕の村では流行ってて、、、いや流行ってた訳ではなくて、ちょっと教わっただけ、、、かな?」

俺はどうにも嘘が上手くつけない。

村が調べられたらバレてしまう。

「誰に教わったんだい? ギルド員の誰か?」

「いや、、、イータの父さんのラルゴ、、、?」

「その人はまだ村に?」

「いや、漁の最中に海の魔物に襲われて、、、」

「そうか、、、その人の出身地は?

「知らない」

「それは残念だな」

今のも良くなかったな。

とりあえずは凌げたけど村の帳簿には俺がまだ赤ん坊の頃にラルゴが亡くなったことは記録してあるだろう。

「なんだよ今の技、俺にも掛けてみせろよ。本当に抜けねえのか?」

キコのはしゃいだ声に少し救われた。