軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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そういえばゲオルグたちに教わった幾つかの事を書き残しておきたい。

はじめに、元の世界に帰れるかについてだ。

俺は帰るつもりはないけどちょっと気になるじゃないか。

結論は不可能。

ゲオルグに鼻で笑われた。

物理学的には過去への時間旅行ができないのは常識らしい。

そうなの?

俺が触れて来たタイムトラベルものやタイムリープものは行ったり来たりしたり、何度も同じ時間軸を繰り返したりしてたから少々驚きだ。

ワームホールとか使えばイケるんじゃないんですかと聞いたら、ワームホールを見つけたとしてたどり着くまでに寿命が尽きるじゃろがいとの事。

全くエルフは夢がない。

手のひらサイズの出し入れ自由なワームホールとかあったっていいじゃないか。ケチ。

あとはトイレの葉っぱについて。

苦手な人は読み飛ばしてくれ。

ふたりは水魔法で処理するらしい。要はウォシュ◯ットだな。

そりゃ快適だろうが、野外でいたす場合は下半身全脱ぎしないとズボンが濡れるとのこと。

羞恥心的に俺は無理だ。

流石は数百年生きた魔術使いというところか。

というか、そもそも俺はそんな失礼な事を精霊に頼むのに抵抗がある。

俺はまだ精霊に知能がある可能性が捨てきれないのだ。

生きているのなら虫にだって五分の魂だろ。

そんな事をさせているといつかしっぺ返しがくるのだ。

祟り神になっちゃうんだ。

そしてもうひとつ。

今でもドームは転生者を召喚しているのかについて。

生きている方舟はもう王都のドームが最後とはいえ、アーメリア以外にも方舟が存在するか分からず断言はできないとの前置きがあっての話だが、王都のドームは今でも毎年召喚を続けているらしい。

ただし、それが王都の王の意思で続けられているというよりかは止め方が分からず自動で続いているのだろうとの事。

ゲオルグたちが方舟の研究員だったころの話だが、毎年真夏の方舟のエネルギーが余るような暑い日にガクンとエネルギー残量が減ることがあったらしい。

それが召喚のせいではないかとゲオルグたちは考えているのだそうた。

そういえば俺も夏にオミ氏のなかで目覚めたんだったな。

ありそう。

ふーむ。エルフが出て行って生き残った方舟も年々その力を失い、ひと時は年に何人もしていた召喚も今では年に数人とはなんだか寂しいな。

転生者が珍しくないのなら日本の女子高生の転生者と出会うのも定番だというのに国もバラバラ、時代もバラバラではロマンスが生まれないではないか。

まったくこの世界の神とやらにはひとこと言ってやりたい気分だ。

いや、この異世界はただの未来なのだから全知全能の責任者みたいな唯一神なんて居ないか。

俺は無神論者ではないが多神論者なので、神にはあまり期待しないのだ。

どうせ奴らも俺らと同じようなセンスしか持ち合わせていなのだ。

年に一回、出雲大社に集まって誰と誰をくっつけるか相談しているような連中に世界平和を願ったって無駄だろう。

もっと立派な仕事をして欲しいまである。

恋愛至上主義の平和ボケとか言ったらバチが当たるだろうか?

それはそうとアカデミーの寮生活だが、授業はまだ始まらないが朝の労働が割り当てられた。

畑仕事、家畜の餌やり、馬の世話、寮の掃除、朝食作り、パン焼きなど多岐に渡る仕事をローテーションするのだそうだ。

アカデミーの寮は修道院をモデルに設計されているので自給自足を目指すものらしい。

税金をぶっ込んで軍人や官僚を育てている訳じゃないんだな。

貴族連中が入寮を遅らせる訳だ。

土に触れることすら初めてみたいな奴も居そうだもんな。

馬が大好きな王子ですら馬の世話は馬子さんたちに任せてたんだもんな。

今朝の俺たちの割り当ては野菜畑だった。

指導員の指導で雑草取りをして、水路で水を汲み畑に撒く。

上級生たちは収穫作業だ。

トマト、ナス、パプリカ、ピーマン、ズッキーニなんかが植っている。

中世ヨーロッパではトマトもナスもトウモロコシもジャガイモもまだ伝わってなくて存在しないらしいがここは未来世界なので全て揃っている。

助かる。

朝の労働の流れとしてはこうだ。

空が明るくなったら起床ラッパで起こされて小一時間ほど労働をする。

終わったら水路で手や顔を洗い、食堂で食事となる。

今朝のメニューはピタパンみたいな薄いパンと豆と夏野菜のシチューだ。

肉は入ってない。

不味くはないが修行僧のような飯だ。

修道院がモデルなら仕方ないか。

ちなみに食器は各自部屋から持ち込んで、食べ終わった者から水路で洗って持ち帰る。

皿洗い当番やそれ用の人員がないのは合理的だな。

セイレーン号でもそうして欲しかった。

普通ならこのあと校舎で授業だが、まだ授業はスタートしてない。

木刀や弓などの武器を手に修練場へ向かう者がチラホラ。

いいなあ、弓。

俺も自前の弓が欲しい。

ちなみにアカデミーでは三年生から弓兵のコースがあるらしい。

ひょっとして剣が苦手だったり体力がなかったり魔術の適性がなかった生徒が進むコースだったりするんだろうか。

俺と王子は寮や周辺の散策をした。

また下の話で恐縮だが、主な目的はトイレの集積所の確認である。

貴族用の部屋にはトイレはあるが、ポリオリ城と同じく甕に致して捨てに行くシステムである。

もちろん寮にはメイドさんなど居ないので自分らで捨てに行く必要がある。

つまり俺の仕事だ。

王族の下僕というのはそういう事なのだ。

もちろん俺は乾燥の魔術を使おうと思ってる。

そうすれば抵抗感は少しは軽くなる。

ちなみに集積所は肥溜めではなくて樽に溜めて定期的にゴング農家に回収してもらうシステムだった。

以前耳にした王都全体に下水道を巡らす計画はどうなったのだろうか?

こんな郊外までは流石に無理だとは思うが早めの完成を祈りたい。