軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

910話 マスコット解放の効果

マスコット食事解放、マスコット行動解放を取得してみたが、特段大きな変化は見られない。光ったりもしなかったし。

「分かりやすいところで、カッパにでも何か食わせて見っかね?」

「そうだな。タロウ。これ食べるか?」

「カパ? カパー!」

タゴサックの言葉に従い、俺は河童マスコットのタロウに料理を渡してみた。今までは興味なさげに拒否していたはずだが、笑顔で受け取ってくれた。

そして、しげしげと観察した後、クラーケンの串焼きを口に入れたではないか。

キュウリしか食べないはずのタロウが、クラーケンを食べている。ちゃんと食事を楽しめるようになったらしい。

行動解放はどうかね? 今までにない行動と言われても……。

「ギャウ!」

「ガオォォォ!」

「あいー!」

おっと? いつもは古代の島にいることが多い大型恐竜たちがこっちにきたのか? そして、マモリにクラーケン料理を食べさせてもらっている。

これが行動解放の効果かね? いつもより行動範囲が広がる的な?

「……あれ? これってヤバいか?」

「クオ?」

「ガゥ?」

ミニ恐竜マスコットたちもやってきたな。こいつらも当然、食事を貰って喜んでいる。いいんだよ? いいんだけど……。

「エンゲル係数倍どころの話じゃないよな?」

恐竜たちって、あの巨体に見合った食事量が必要になるの? だとしたら何トン必要なんだ?

ただ、俺の心配は杞憂だったらしい。

「ギャゥ!」

「ガオン!」

ティラノもスピノも、クラーケン料理を少し食べたら満足そうに寝転がったのだ。

どうやら、人間一人前程度で済むようだ。よかった! マジでよかったぁぁ!

「本当にマスコットがゴハン食べてる!」

「こ、これが白銀現象!」

「可愛いぃぃぃ!」

マスコットたちがクラーケン料理を食べる姿を見て、ファーマーたちがメロメロだ。

「攻略が捗るような情報じゃないけど、絶対に喜ぶ奴いるよな」

「そりゃあ勿論だろ! ユートの畑に入り浸る奴が増えそうだな」

タゴサックですらニッコニコなのだ。使役系の職業じゃないプレイヤーの中にもマスコットを可愛がっている人は多いし、このスキルが絶対に欲しいって人もいるはずだ。

とはいえ、この情報は高く売れないだろうな。マスコットの好感度がトリガーだったようだが、俺が最初に到達したのはマスコットシステムを解放したプレイヤーだからだ。

俺の直後にマスコットを手に入れて、俺以上にマスコットを可愛がっているプレイヤーだったら、すぐにゲット可能だろう。今この瞬間、解放されている人がいたって驚かない。

「なんでも食べるのかな?」

「じゃあ、これとかどうですか?」

つがるんが林檎を食べさせながら疑問を口にすると、チャームが赤いダンゴのようなものを取り出した。それをミニ恐竜の前に差し出すと、ミニティラノがパクリと食いつく。

直後、真っ赤な顔でジタバタと暴れ始めた。動きがコミカルで、まるでカートゥーンのキャラクターのようである。

「ガッガウウウゥゥゥ!」

「うわわわわわ! ごめんなさい! これ飲んで!」

「ガガウ!」

「ごめんねー」

「ガウー」

チャームが差し出したジュースを一気飲みしたミニティラは、落ち着いた様子で息を吐く。

「なあ、チャーム。今のなんだ?」

「白銀さんごめんなさい。辛いもの食べたらどうなるかなーっと思って」

「あー、だから今の反応か。随分辛そうだったけど、唐辛子入りの料理か?」

「唐辛子は確かなんですけど、溶岩地帯で採取できるマグマチリペッパーっていう作物を混ぜてたんです」

溶岩地帯の唐辛子とか、メチャクチャ辛そうだ。ミニティラノに食べさせたのは、それを混ぜ込んだ肉団子だったらしい。

チャームは激辛好きなうえ、肉団子は眠り耐性の効果もあるので常備していたという。

「食べてみますか?」

「……いただこう」

激辛が得意ってわけじゃないけど、興味はある。今後家でも育てるかもしれんしね。

「モグモグ……! か、辛い! なんじゃこれは! やべ!」

「えー? 美味しいですよ?」

「いやいや!」

「ガウー」

痛みなどが軽減されているゲーム内でこの辛味と刺激って、かなりヤバいぞ? それを涼しい顔でパクパク食べているチャーム、痛覚が死んでるんじゃないか? 痛み無効みたいなスキルあるんじゃない?

思わずミニティラノと一緒に「こいつマジか?」って顔しちゃったよ。

「これがいつでも食べられるようになったら嬉しいんですけど、まだ栽培には成功してないんですよね」

「溶岩地帯の作物とか、育てるの大変そうだよなぁ」

「でも、それを育てるのがファーマーの腕の見せ所!」

「溶岩プールで畑を囲ったりしなきゃダメかねぇ?」

「溶岩地帯の先にある大陸にいけば、栽培技術あるかもしれませんよ?」

「あー、それねー。でも大陸なんて、いつ発見されるか分からないじゃん」

タゴサックたちも加わり、ファーマーみんなでどうすれば溶岩地帯の作物を育てられるか話す。マグマのプールくらいは必要なのかもしれんな。

すると、アナウンスが聞こえた。

《プレイヤーによって地底の世界が発見されました。最初に到達したプレイヤーに、称号『黒の大陸発見者』が授与されます》

何ともタイムリー!

「ヒジカタ君たちがやったのかね?」

「かもな!」