軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

909話 クラーケン料理パーティ

ホームでのクラーケンパーティーに3人娘が加わることになったんだが――。

「はいよ! 海鮮焼きそばとクラーケンステーキいっちょ上がり! クラーケン餃子とクラーケンピザももう少しでできるぞ!」

「フムー!」

俺はルフレとともに、大量のクラーケン料理を作っていた。本当だったらもう料理を終えて、俺も皆とゆっくり食事をしてるはずだったんだけど……。

「いやー、俺たちも参加させてもらっちゃって悪いなー」

「これ、差し入れの林檎です」

「モンスちゃんとパーティー……。明日死ぬかも!」

「ムー」

タゴサックやつがるん、イカルとその相棒エスクの姿があった。他にもプレイヤーさんがワイワイと盛り上がっている。まあ、うちの周辺に畑を持ってる人たちだな。

何をやっているのかと覗きにきて、うちのモンスたちに見つかって畑に引きずり込まれたのである。そんな相手に帰れとも言えんし、人数が多い方が楽しいしね。

でも、クラーケン肉がまた増えたせいで、料理の負担が増えたのは誤算だった! 厨房と庭を何往復したか自分でも覚えてないし!

それでもようやく提供分と保管分の料理を全て作り終えた俺たちは、クラーケン料理にありつくことができていた。ルフレとともにクラーケン餃子をモグモグしながら、パーティ会場(庭)の様子を確認する。

「ムム!」

「ムー」

オルトとエスクがノーム同士、楽しそうに話している姿はいいものだ。

他にも、品評会でフレンドになったチャームたちもいるね。まあ、ファーマー仲間たちとの親睦会も兼ねていると思えばいいか。モンスとわちゃわちゃしながら、楽しそうだし。

ただ、数人姿が見えないファーマーたちもいる。

「ヒジカタ君とアカリがいないな」

ヒジカタ君は初期モンスにウンディーネを引き、今ではファーマーとしても活動する新選組リスペクトパーティの一員だ。

こうやって考えるとメッチャ個性強いな。本人は普通の青年なんだが。

こういうファーマーの集まりには顔を出すイメージだったから、いないのは意外だ。

俺と同じ最初の三称号の持ち主にして、最近は畑を買って生産もしているアカリもうちの畑に頻繁に出没する1人だ。彼女も、こういう時にいないのは珍しい。

「あの2人は、なんか前線攻略に駆り出されてるみたいだぜ」

首を捻っていると、タゴサックが色々と教えてくれた。

「前線攻略? もしかして、ドワーフの町の先か?」

「おう」

北は、船で向かっている最中の白の大陸。南は、浮遊大陸である銀の大陸。西は、砂漠の遺跡から転移する金の大陸。

そして、東はまだ未発見なのだ。新選組やアカリなどといった、戦闘職の多くがそちらの攻略に参加しているらしかった。

「溶岩船必須らしいから、あまり数は集まってないみたいだけどな」

「あー、あれはお高いもんな」

シルバサラマンダー号も高級品だったし、大人数で乗れる大型の物はさらに高いだろう。一部のクランやトップ層じゃなきゃ買えないかもしれない。

いや、あれから時間経ったし、今ならみんな買える程度の値段なのか?

「あいー」

「え? こうですか?」

「座敷童ちゃん、可愛い!」

タゴサックと溶岩地帯の話をしていたら、何やらマモリがプレイヤーたちを撮影している。もしかして、日記帳に使う気か?

「マモリ。勝手にムービーに使っちゃダメだぞ?」

「あい?」

何でそこで首傾げるんだ!

「勝手に映すのはマナー違反だからな? 俺やうちの子たちと違って、プレイヤーさんを映すならちゃんと許可取ってからにしないと」

「あい!」

マモリは大きく頷くと、身振り手振りでチャームたちに許可を取ろうとし始める。

「いやー、座敷童ちゃんのムービーに登場できるなんて、光栄ですね!」

「それに、この畑に入るにあたって、許可出てる扱いだと思いますよ?」

「え? どういうこと?」

「他人のホームに入る場合の設定がちゃんとあって、そこで顔出しNGとか細かく選べるんですよ。デフォルトがだいたいOKになってるはずなので」

つまり、NGを出しているプレイヤーは映しても勝手にモザイクかかったりするので、問題はないってこと? まあ、だったらいいのかね?

「そもそも! 座敷童ちゃんに撮られて嫌がるような人いないですよ!」

マモリにもファンがいるようだ。チャームがデレデレの顔で言われるがままにポーズをとっている。その後はマモリの助手みたいな扱いをされていたが、本人が喜んでいるみたいだから放っておこう。

「これ、うちの畑で採れたキュウリです! どうぞ!」

「カパー」

「グゲー」

「ど、どうっすか?」

「カパパ!」

「グゲー!」

マスコットのタロウと河童が、キュウリを貰って喜んでいるな。サムズアップしているし、相当美味いんだろう。

「あいあい!」

それを監督ヅラのマモリが撮影している。その直後であった。

ピッポーン。

『マスコットとの友好値が一定に達しました。特殊なスキルが解放されます』

「は?」

「ユート、どうかしたのか?」

「あー、なんかアナウンスが」

スキル解放された? ウィンドウを開けて調べてみると、確かに新たなスキルが取得できるようになっていた。

なんと2つあり、『マスコット食事解放』、『マスコット行動解放』という名前だ。

食事解放を手に入れると、その名の通りマスコットの食事制限が解除されて色々食べられるようになるらしい。

マスコット行動解放は、今までのやらなかった行動をするようになるというアバウトな説明である。モンスターの自由度上昇みたいなものかね? つまり、悪戯の度合いが増える?

「……どっちもポイント1か」

マスコットが今以上に可愛くなるってだけで、攻略や戦闘、生産にボーナスが付くようなスキルじゃないってことなのだろう。

だが、それでいい! むしろ最高のスキルじゃないか! マスコットなんて、可愛いだけで十分だからね!

「ということで、両方ゲットだ!」

「?」

おっと、タゴサックが首を傾げているな。1人で納得して1人で騒いですまん。

今説明するから。だからその不審者を見るような目をやめてください。