軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

850話 モノリスゲット

目録から選んだアイテムを早速アリッサさんに送信する。すると、即座にコールが返ってきた。

「ユート君もう決めたの? 早くない?」

それは俺のセリフです。一瞬でコール返ってきたんですけど……。暇なのかな?

「しかも、選んだのがモノリスって?」

「え、ええ。モンスたちがメチャクチャ欲しがったもんで」

「え? モンスちゃんたちが目録見て、欲しいって言ったの?」

「はい」

「……な、なんで? カルロのモンスは何の反応もしてなかったのに……。ユート君のモンスが特別? いえ、自由度上昇って言うスキルの効果? そもそも自由度って何なの……? うちのギルドですらよく分かってないモノリスの効果を、NPCが知ってる? モンスの知識って実はすごい……?」

「アリッサさん?」

「あ、ごめんなさい。モノリスと四季の牧場と、種とか本とかの細かいのがそれなりにね。分かったわ。用意する」

なんか、コールの向こうでブツブツ言い始めてしまったアリッサさんに声をかけると、すぐに正気に戻ったらしい。

「もしかして、モノリスってヤバいアイテムなんですか?」

「ヤバいというか、まだまだ謎なのよね。設置者の職業で効果が全然変わるから、人によって評価は変わりそうだし。価格は、入手難易度とかレア度、コレクターの買取所での値段を基に現状の価値で換算してる感じね」

「なるほど……。因みに、テイマーが設置した場合は?」

「それが分かってないのよ。実際、モノリスって現状で3つしか見つかってないし。ああ、ごめんなさい! ちょっと暴動が――お客さんがエキサイティングしちゃってるから、戻るわね! アイテムは後で持っていかせるから!」

「いえ、もうログアウトしなきゃなんで、明日の方がいいんですけど」

「朝でいい?」

「はい」

「分かったわ。明日の朝8時頃に持っていかせるわね! じゃあ!」

おっと、コールが切れてしまった。なんか、メチャクチャ忙しいらしいな。ずっと早口だったし。

「うーむ。結局、モノリスは使ってみないと何も分からないってことか」

そして翌朝。畑に出るとリック達が近寄ってきた。

「キキュー!」

「ヤー!」

「いや、まだアイテム受け取ってないから!」

アイテムが待ちきれないらしい。こいつらがそこまで待ち望むモノリスって、どんなアイテムなんだ?

それからソワソワするモンスたちと畑仕事や生産をして過ごすこと1時間。待ち望んでいた早耳猫の人間が到着する。

「待たせたの」

アリッサさんは忙しいらしく、目録のアイテムを持ってきたのはルインだった。

「ほれ、もってきたぞ」

「おー、ありがとう」

「キキュ!」

「ヤヤー!」

ルインの髭が大好きなリックとファウが、その姿を見た瞬間に跳びつく。そして、そのモジャモジャな髭に埋もれながら、モフモフしている。

あれだけモノリスを待ち望んでいたのに、目の前に髭があったらそっちが優先らしい。

「キュー」

「ヤー」

注意しても毎回やるんだよな。満足げな顔しやがって!

「す、すまんルイン」

「うむ」

というか、ルインもなんかドヤ顔じゃね? こいつ、実は楽しんでるか? まあ、わざわざドワーフの外見を自作するくらい拘ってるしな。髭を気に入られて、意外と満足しているのかもしれん。

「……で、アイテムだけど」

「今譲渡するわい」

職業専用モノリス設置券と四季の牧場の設置券が送られてくる。早速確認すると、牧場は普通のホーム施設のようだ。あらかじめ決めてあった場所に簡単に設置できた。

で、問題はモノリスである。屋外空間ならどこでもいいようだが、結構な広さを要求されるのだ。納屋を設置するのと同じくらいの面積が必要だろう。

「じゃあ、儂はこれで――」

「キキュー!」

「ヤヤー!」

「む? 何じゃお主ら?」

「キューキュー!」

「ヤー!」

帰ろうとしたルインを、チビーズが引き留めている。リックはその足にしがみ付き、ファウはルイン御自慢の髭を引っ張っている。どうやら帰ってほしくないらしい。

もっと髭を堪能したいのだろう。

「済まんルイン。引き止めちまって。早耳猫、なんか今忙しいんだろ?」

「なんかって……。ごほん。まあ、儂は鍛冶部門じゃから別に忙しくはない。気にせんでいいぞ」

「だったら、もう少し付き合ってくれないか? そいつらもルインと遊びたいみたいだし。モノリス設置するまででいいからさ。早耳猫もまだよく分かってないんだろ?」

「……いいのか? 確かに興味はあるが」

「じゃ、もう少しそいつらの相手頼む」

「キュー」

「ヤー」

「う、うむ」

リックとファウがルインの両肩に乗って、万歳している。こいつら本当にルインが好きだな。

とりあえず設置可能な場所を探すと、候補地は3ヶ所あった。縁側から見えるいつもの庭、畑の一画、後は庭から奥まった場所に設置した古代の島である。

他にも広い場所はあるはずなんだが、なぜかこの3ヶ所だけだった。まあこの中なら、古代の島一択かな?

庭だと景観が気になるし、畑も潰したくないからね。

ということで恐竜たちが遊んでいる古代の島にお邪魔すると、良い設置場所を探した。といっても、中央部の平地にしか設置できなかったけど。

「設置方法は他のオブジェクトと同じか。っていうか、デカいな」

「うむ」

「キュー」

「ヤヤー」

ルインと、その髭に未だに潜り込んでいるリックとファウもポカーンと口を開けている。

スクロールを開くと、モノリスの半透明のホログラムが現れて、設置場所の細かい調整モードに入る。これで場所を詳細に決めるのだ。

モノリスの姿は銀色の金属でできた、巨大な一枚板である。

高さは5メートルを優に超えているし、幅2メートル、厚さ1メートルくらいはあるだろう。とにかく重厚感が凄いのだ。

やっぱり庭に設置しなくてよかった。カッコいいけど、縁側でまったりしてる時にこれが見えたら台無しなのだ。

ほのぼの系作品から急にSFミステリー作品に代わっちゃう感じ? 逆に、古代の島には超似合っている。

「じゃ、モノリス設置!」